高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 闇だと思ったら意外と真っ暗じゃない

11月4日金曜日。休みと休みの間なので、有給を取っている方が多かったのだが、いつも通り仕事を頑張った自分へのご褒美として、かねてより観たかった石井克人監督「スマグラー」を梅田のイーマにある梅田ブルク7へ観に行った。
21時30分開演のレイトショーに行ったので、劇場には全然人がいなくて、かなりリラックスした体勢で観ることができた。たまには1人映画もいいもんだ。
石井克人監督とは、大好きな映画「鮫肌男と桃尻女」の監督なので、今作も演技がうまい役者陣達が個性的なキャラクターを演じて、パンチのある内容なんだろうなーと期待して鑑賞。
感想は、内容的にはかなり痛い(いろんな意味で)内容で、内容としては・・・なのだが、それよりも濃過ぎるキャラクター達が面白かった。
特に、かなりキレたヤクザ役の高嶋政宏の怪演に尽きる。
とにかくインパクトが強過ぎて、この映画は彼の映画と言っても過言ではない。
その他にも、永瀬正敏がクールな役をこなしていたし、久し振りにみた安藤政信は伝説の殺し屋「背骨」のアクションを見事に演じていたし、業界で演技のうまさが定評になりつつある満島ひかりは、これまでの感情むき出しの演技とは異なって無表情で常に飴を舐めているビッチ(bitch)なヤクザの妻役が良かったし、やりたい放題の高嶋政宏を冷静に操るヤクザを演じる小日向文世もいい味を出していた。そして、石井監督の映画には必ず出ている我修院達也も相変わらずだった。
主役の妻夫木聡が一番キャラが薄くてインパクトが無かった。

内容はイマイチだったのだが、人生のどん底を味わっているキャラクターがたくさん出てきているので、ところどころのセリフがとても深かった。

妻夫木:闇だと思ったら意外と真っ暗ではないと思うと、前向きになれるんですよ。
永瀬:バカか、お前は。どっちが前か、お前は分かってんのか。
妻夫木:・・・・。

確かに。ただ「前向きになれ。」っていうのは考えものってことだな。

我修院達也:おい坊主。若い頃、いろいろ怠けていると、歳をとってからデカいツケを支払わされることになるぞ。

然り。我修院達也がこのセリフを言うと、かなり含蓄がある。

臨まぬ日常に埋もれるカスにはなるな。

永瀬がこのセリフを言うシーンはかっこよかった。

衝撃的で目が離せない内容の映画だったので、観終わった後はぐったりした。
おそらく映画を観に来ていたカップルや妻夫木目当てで女の子達は、この映画を観てげっそりしたことだろう。
良かった、1人で観に来て。デートで来ていたら最悪だっただろう。
そんな訳で、誰にもオススメはできない映画だった。
俺みたいに役者の演技を観て面白いと思える方なら別なのだが・・・

スマグラー
http://wwws.warnerbros.co.jp/smuggler/index.html