高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 全米オープンテニス:歴史的快挙を目撃!

9月7日日曜日午前1時、いよいよ全米オープンテニスの準決勝、世界ランキング1位のノバク・ジョコヴィッチvs錦織圭の一戦が始まった。
この一戦を最後まで観届ける為に、前もって寝ておいたので、4回戦や準々決勝のように4時間以上の長丁場になるのも覚悟の上だ。
しかし、グランドスラムの準決勝に日本人が立っていること自体が凄い。
ちなみに、2人のウェアのメインスポンサーは日本企業のユニクロであり、まさにユニクロ対決。ユニクロは早くから2人のスポンサーに名乗り出ていて、こうなる事を見越していたのだろうか。先見の明がある企業だ。
世界中が注目するこの一戦で、2人の胸のユニクロのロゴが踊る。凄い宣伝効果。ユニクロは嬉しいだろうなぁ。

ここのところずっとテニスを観てきていたこともあって、世界のテニスのレベルは高く、特にビッグ4と呼ばれるノバク・ジョコヴィッチ、ラファエル・ナダルロジャー・フェデラーアンディ・マレーの強さはよく知っているので、日本人がこれ以上勝ち上がることは難しいだろうと思い、あっさり負けてしまうことを予想していた。恐らく大半のテニスファンはそう思っていたハズだ。
ところが、この日の錦織は絶好調。
4回戦、準々決勝ではいずれも第1セットを落とし、スロースターターだったのだが、準決勝はいきなり第1セットを取った!

第2セット、ジョコが本領を発揮して、6-1をあっさり取得。
さすがだ。やっぱり、ここまでか。
このままの勢いでジョコが勝つのであろうと誰しも思っていただろうが、第3セット、お互いサーブをキープし合い、タイブレイクにもつれ込んで、錦織が終始リードして第3セットを取る!
これのセットを取ったのは大きい。これまでであれば、ジョコの勢いに押されてしまうのだが、それに負けずに流れを自分に持ってくるフィジカルと、絶対に諦めないメンタル面がこれまでと明らかに違う。
「これはもしや・・・」と思い始めた。
アーサーアッシュスタジアムに集まるファン達も、錦織圭のアップセットに期待し始め、「ケーイ、ケーイ」という声援。

第4セットも、第3セットの勢いそのままに、何と第1ゲームからジョコのサーブをブレイク!
そして、そのままあっという間に、マッチポイント。
いきなりやって来たマッチポイントに目を疑った。マジかよ、と信じられなかった。
遂にテニス界にとって、新たな歴史が作られる瞬間がやって来た!


そして、午前4時5分。相変わらず絶好調の錦織が右へ左へジョコを揺さぶり、ジョコのフォアハンドがアウトになった瞬間、歓喜の瞬間が訪れた。
スゴイ、凄すぎる!!!!!

日本人、いやアジア人発のグランドスラム決勝進出!
ここまで勝利後もあまり喜びを見せなかったのだが、さすがにこの快挙に錦織も両手を上げて喜ぶ。




ジョコも第2セットはさすがだったが、今日は錦織の方が明らかに強かった。
ジョコの調子が悪かったワケではなく、錦織が正解ランキング1位に打ち勝っていた。
試合後、ジョコにここまでコメントさせるなんて。。。


この歴史的快挙も新しいコーチのマイケル・チャンのおかげ。教え子の大活躍にサングラスの奥で泣いているんじゃないかな。

この快挙に、カメラマンも仕事を忘れてサインをねだる。

実況中継していたアナウンサーや解説者もこの快挙に感無量で取り乱していたし、WOWOWの中継司会者や元・テニスプレイヤーの神尾米も感動して泣いていた。
テニスプレイヤーであるからこそ、過去の歴史をよく知っており、日本人が決勝の舞台に立てる事の難しさを知っているであろうから、なおさらだ。
「自分が生きている間に、日本人がグランドスラムの決勝に残るなんて信じられない。」と言っている方もいた。


ここ最近の日本男子の最高成績であるウィンブルドンベスト8の実績を持っている修造さんはその日の夜は落ち着いてコメントしていたようだが、翌日の報道ステーションではいつものように熱いコメント。



そして、日本中、この快挙に大盛り上がり。
この錦織フィーバーに対して、「今までみんな、テニスを観ていなかったくせに!」と世の中に言いたくなった笑
結局、日本中で盛り上がって、WOWOWの独占放映で中継できない各局で選挙並みにリアルタイムで報道して日本中が見守った、9月9日午前6時からの決勝。
残念ながら準決勝であのロジャー・フェデラーにストレートで圧勝したチリッチが、撮るべき写真も無いくらい一方的な展開でたった2時間程度で錦織に勝ってしまって、準優勝。
チリッチは圧倒的に速いサーブが冴え渡り、錦織はなす術なし。
一度も錦織に流れが来ず、相手が錦織でなくても、勝っていたのでは思わせるくらいだった。
こうなってしまっては、「It's not my day.(今日は自分の日じゃない。ツイていない。)」と思うしかない。
だが、ビッグ4を倒して、決勝の場にいるだけで素晴らしい。
マイケル・チャンが「最初のグランドスラムのタイトルを賭けた試合はそんなに簡単なものではなない」と言っていたように、決勝に進んだ時点で連戦による体力が限界で、過去にチリッチに勝ち越していた事もあって勝てる事へのプレッシャーがあり、メンタル面も充実していなかったようだ。
やはり、誰しもが初めての経験では冷静にいられず、本来の力を発揮できないものだ。
決勝の結果は残念だっが、日曜日の午前4時にこの歴史的瞬間をリアルタイムで観られ、その衝撃と興奮、感動を味わえた事が何よりも嬉しかった。
よく考えたら、テニスはオリンピックと異なり、年に4回も世界No.1になるチャンスがあるので、来年1月から始まる全豪オープンが楽しみだ!