高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 ダイヤモンドトレイルラン:久し振りのトレイルランニング、無事完走!

トレイルランニングとは、マラソンの舗装路以外の未舗装路(オフロード)、つまり山野を走る競技のこと。
約1年半前の2013年3月に六甲山縦走でトレイルランニングをして以来、マラソンばかりしてきたので、久し振りにトレイルランニングをして、大自然の中を走って癒され、山を登ったり下ったりしながら足を鍛えようと思い立って、ダイヤモンドトレイルランに参加する事を決めた。
実は、昨年もこの大会に注目していてエントリーしていたのだが、同日開催の企業対抗駅伝に会社の同僚と初参加する事を選択したので、やっと今年は参加できる運びとなった。
11月15日土曜日、朝5時過ぎという休日なのにありえない時間に、自宅のある堺筋本町駅を出発。
天王寺駅からは近鉄南大阪線という乗り慣れない列車に乗車して、奈良県葛城市の当麻寺駅というこういう機会でもなければ絶対に来ないであろうローカルな駅で下車。
駅から徒歩15分程度離れたスタート地点へ向かう。
出発する頃には真っ暗だったが、この頃になると夜明けで朝陽が眩しかった。
こういう田舎で見る朝陽。早くも都会の喧騒を離れて自然を感じられて癒される。

スタート地点に到着した後は、たくさんのトレイルランナーと共に、準備開始。
トレイルランは、マラソンとは異なり、走る際のギアが異なる。
まずは、シューズ。オフロードを走っても滑ったりしない安定性、下りを走り降りても滑らないグリップ力、下りでの着地衝撃を抑えてくれるクッション性などがマラソンのシューズと異なる。
montrail、the north face、salomonなどアウトドアメーカーのシューズがある中、自分はトレイルランニング初挑戦の時に、初心者なのでその異色なデザインからLa Sportiva(ラ・スポルティバ)のクロスライトを選択。
自分は足幅が広いので、少し窮屈だが、トレランはそれくらいが丁度良いらしく、これまでの数少ないトレランをこの靴と共に完走してきた。久し振りに履くな。

そして、バックパック。走っていても違和感が無い身体にフィットしたグレゴリー製であり、中から管が伸びているのは、ポカリスエットを入れたハイドレーションを積んでいる。
トレランは、マラソンのようにエイドステーションがたくさんあるワケではないので、山中でいつでも水分補給できるように、自分で持って行く必要がある。
久々のハイドレーション、これで水分を摂るとサバイバル感があって、ワクワクする。

午前8時30分、ダイヤモンドトレイルラン、スタート!
山道は狭いため、一気に何百人のランナーがスタートしてはごった返してしまうため、人数を分けてウエーブ(時間差)スタート。

早速、登山道に入り、急な登りに入ったため、歩いて登る。
自分の脚力と体力では、今後の事を考えると、登り道で走る事はできないので、登りはトレッキングに切り替える。
自分は登りは大の苦手で、どんどん抜かれる。でも、下りは走って駆け下りる事ができるので、何とかそれで挽回するように頑張るようにしている。
1つめの山、二上山へ到着。
辛い登りを耐えた自分へのご褒美として、山頂からの素晴らしい景色が待っている。


ここから関西地方で有名なトレイルコースである、ダイヤモンドトレイルの開始。
北は奈良県香芝市の屯鶴峰(どんづるぼう)から、南は大阪府和泉市槇尾山までの大阪・奈良・和歌山の県境の全長45kmの金剛・生駒・紀泉国定公園の有名なトレイルコースだ。

二上山を降りると、竹内峠という場所がひとつめのエイドステーション。
大阪府南河内郡太子町の標識がある。自分が大阪府奈良県の県境を走っている事を認識。


ここから2つめの目標地点である大和葛城山山頂までは長い登り道なので、覚悟してエイドを出発。

ここから長くて急峻な登り道が始まった。これまで経験した登山とは異なり、高低差のある丸太階段ばかりで、普通の坂を登るのよりも足を上げなくてはいけないのが、とにかく大変だった。


こんな急な丸太階段が前にそびえると、もううんざり。登る前に「ふぅ」とひと息ついて、登り出し、途中、立ち止まって呼吸を整え、また出発の繰り返し。

大和葛城山山頂を目指す途中には、平石峠、岩橋山を通過。


キツイ丸太階段の登り道を登って、ようやく大和葛城山の山頂に到着。
この山はトレッキングでも人気のようで、たくさんの登山客がいた。

山頂からの眺め。紅葉が秋の訪れを告げている。いい眺めだ。

葛城山の裏手には、葛城高原が広がっていて、そこにはたくさんのススキが自生していた。
風に揺られて、同じ方向に傾くススキ。日本の秋を象徴するこの景色に出来て、とても嬉しかった。
地上に自生しているススキは、ここのところ、憎き外来植物のセイタカアワダチソウに侵食されて、日本の秋の象徴が黄色の花に変わりつつあって残念な状況なのだが、ここは高地なので大丈夫のようだ。
いやぁ、ここまでキツかったけど、山頂からの景色とこの光景というご褒美があれば、その辛さは無くなる。



大和葛城山を越えると、次の目標は金剛山

大和葛城山を下ったところにある水越峠で、2つめのエイドステーション。

ここからまた長い登りの始まり。

相変わらず登りはキツイが距離は短め。金剛山の山頂に到着。


そして、3つめのエイドステーションのちはや園地に到着。
2つの険しい山を越えてきたので、ここらでちょっとひと休み。
ここは開けた広場みたいな場所で、売店や自販機があったので、炭酸飲料を購入。
走った後の炭酸飲料は、本当にお疲れの身体に沁みる。最高においしい。

身体が生き返ったので、再スタート。

ここまで来てしまえば、距離はあと15km近くあるが下り中心のコース。
前半の大和葛城山金剛山の登り道を考えれば、相当楽だった。
しかも、ここら辺になると、完全な一人旅になって、自分のペースで走られるので、すごい楽しくなってきた。
気持ちも楽になって、たまに視界が開けて見える素晴らしい景色をのんびり眺めながら走る。

途中の千早峠を越える。ここら辺から登りも少なくなり、山道を走ってトレランらしくなってきた。

下りだったので、あっという間に最後のエイドステーションである行者杉に到着。
ここまで相当楽だった。ゴールまであと10kmもないし、下りなので、楽勝だ。


どんどん下る。体力的にも余裕が出てきて、下りを駆け下りるスピード感が楽しくなってきた。


しかし、調子に乗って駆け下りていると、浮石を踏んでしまって、足を内側にひねって転んでしまった。
こんな山道で歩けなくなってしまったら、ヤバイ!と、一瞬ヒヤっとしたが、触ると痛いものの、歩いたり、走ったりするのには影響が無いようだ。
どうやら軽度の内反捻挫のようだ。バックパックに入れていた冷却スプレーで応急処置して先を急ぐ。
来週もマラソンがあるので、重症ではなくて良かった。
ホッと安心すると共に、下りで調子に乗らないように今一度、気を引き締めた。
どんどん下って、ダンボ山、山ノ神を過ぎる。


そして、ゴールがある紀見峠に到着。
ようやく下界に戻ってきた!嬉しい!!


アスファルトの舗装路を走ると、その走りやすさと普段はそんな走りやすい道路を走っている事のありがたみを痛感。
久し振りに人家を見た。そして、こののどかな風景。癒される。


南海高野線が走ってところを通過。帰りはこれに乗って帰る。

この日は絶好の行楽日和であったため、紅葉を楽しみながらのトレッキング客もたくさん。赤く紅葉した綺麗な紅葉だ。

そして、南海高野線紀見峠駅近くの広場がゴール!

後半は下り中心で、しかも完全にひとり旅だったので、他のランナーのペースに惑わされる事無く、マイペースで走って駆け下りる事が出来て楽しかったし、体力的にも余裕を残してゴール出来て良かった。
だけど、タイムを見ると、制限時間8時間に対して、7時間16分かかっており、順位も下から数えた方が早い。
やはり自分は登りが課題であり、これを克服しなくては、国内で有名なこれ以上の長距離のトレイルランニングのレースには参加できそうにないなぁと実感。

ひと休みした後は、南海高野線紀見峠駅から列車に乗って天下茶屋駅で乗り換えて、堺筋線で自宅のある堺筋本町駅へ。かなり楽に便利に帰宅する事ができた。

しかし、自宅に帰った後、激しい筋肉痛が襲った。
ここのところ、フルマラソン後であっても、慣れてきた事もあって筋肉痛は軽度だったのだが、やはりトレイルランニング後の筋肉痛は相当激しい。
下りでの着地衝撃の大きさはマラソンでのそれとは桁違いに激しいので、無理もない。
それに加えて、疲れで身体が弱った事によって、免疫力も落ちてしまったようで、扁桃炎になり、翌日の日曜日は、家にこもって安静にしなくてはいけないハメに。土曜日開催で本当に助かった。
完走の代償は大きかったが、この筋肉痛がなくなれば、超回復によって、また脚力が強くなる。
久し振りの激しい筋肉痛で立ったり、階段を降りる時などは痛いが、これは完走した、そして自分に勝った勲章であり、むしろ心地良い痛みである。
それに、大自然の中で自分の好きなランニングが出来て、本当に癒された1日だった。
http://www.actrep-sports.com/