高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 大阪ハーフマラソン:制限時間2時間に追われて大阪の街を駆ける

1月25日日曜日。
今回は、フルマラソンを3時間13分以内に完走できるエリート女性ランナーしか出場できず、今年8月の世界選手権代表の選考レースのひとつでもある、女性ランナーの憧れ「大阪国際女子マラソン」・・・の裏で、一部、同じコースを使って開催されている「大阪ハーフマラソン」に出場。
「大阪ハーフマラソン」は、エントリー開始の通達がRUNNETなどのランナー専用サイトで大々的にされない為、大阪に住み始めて10年が経とうとしているものの、毎年、エントリーを忘れてしまっていた。
今年はしっかり覚えていたので、ハーフマラソンにあまり興味はないものの、大阪にいるうちに是非一度参加してみようと思い、日々の練習の一環として出場を決めた。
この大会の特筆すべきは、「制限時間:2時間」という全国で開催されているハーフマラソンでは類を見ない短さ!
大阪国際女子マラソン」はヤンマースタジアム長居を出発して大阪城公園を経由して戻ってくるコースだが、「大阪ハーフマラソン」は大阪城公園からヤンマースタジアム長居に向かうコース。
「大阪ハーフマラソン」は、この日のメイン競技である「大阪国際女子マラソン」のコースの一部を使用する以上、「大阪国際女子マラソン」のトップランナーの邪魔をしてはいけない。
「大阪ハーフマラソン」の遅いランナーは、5つもある関門でコース外にすぐに排除して、「大阪国際女子マラソン」のトップランナーのためにコースを空けてしまうという大会側の魂胆だ。
ハーフマラソンの距離を走る事なんて毎週日曜日に20kmを練習で走っているので楽勝なのだが、ハーフマラソンの自己ベストが1時間51分である遅い自分にとって、この競技性の高いレースに対して、「何かあったら関門に引っかかってしまう・・・」と終始ドキドキ。ハーフマラソンでこんなに緊張するなんて。
12時10分というかなり遅い時間のスタートの為、通常の日曜日より遅めに起きて、自宅から受付会場である大阪城公園内の太陽の広場へ歩いて向かう。
大阪マラソンの時もそうであったが、大阪城公園という大阪のランナーの聖地に歩いて行く事ができる便利さ
こんな素晴らしい場所を自宅に選んだ約10年前の自分、グッジョブ!
大阪城公園内には、既に大阪ハーフマラソンのゼッケンを付けたランナーが、観光客やジョガーに混じってウォーミングアップをしていた。朝早くからご苦労様だ。

受付会場である太陽の広場に向かう途中、大阪城公園内の梅園では1月下旬なのに梅が咲き始めていて、テンションが上がった。今日は全然寒くないし、春の訪れもあと少しだ。

大阪城を望む事ができる、大阪城ホールの横にある太陽の広場で受付した後、着替えてスタート準備。


あまり興味がないハーフマラソンを走る事になったが、走る以上、何らかの目標を掲げなくてはいけない。
21kmという短距離を走るにあたって、今日はスピード勝負。
5分/km」という自分にとっては速いペースを維持して21kmを走り切る事に挑戦しようと決めた。このペースで走れば、1時間45分程度で完走できる。
ジムのトレッドミルで「5分/km(12km/時間)」に設定して走ると1時間(12km)走るのがやっとなのだが、果たしてこのハイペースを意地できるのか。
そして、来週もハーフマラソンを走る予定なので、このハイペースに合う靴はどれかを比べてみるために、今日はこちらのフルマラソン用に履いているadidasのspringbladeで走ってみる。


太陽の広場で6,000人のランナーが集まり、ブロック毎にぞろぞろとJR大阪環状線大阪城公園駅前の道路に整列。

12時10分、大阪ハーフマラソン、スタート!
昼で寒過ぎない気候に、天気も晴れというこの上ないマラソン日和のベストコンディション。
この条件で自己ベストが出なければ、それは自分に走力がないということだ。

JR環状線大阪城公園駅前から森ノ宮駅の交差点で右折して、阪神高速下の法円坂を登る。

そして、大阪城公園内のお馴染みのコースを集団でぞろぞろ走る。噴水広場もこの状況。こんなにたくさんのランナーでこのコースを走るのは初めてだ。


大阪府警のランナーのユニフォーム。「草食系より大阪府警」とはなかなか面白い。

大阪城公園内のコースを過ぎて、天満橋駅を少し過ぎた辺りで折り返し。

京橋の手前の片町で右折して、大阪ビジネスパークOBPへ。
全面ガラスカーテンウォールの外観が眩しいクリスタルタワーを傍目に走る。


スタート地点であった大阪城公園前の道路に戻ってきた。高架から乗客が我々ランナーを見下ろして手を振ってくれている。
さて、ここから玉造筋をずっと南下だ。
この辺りまで来ると、ランナーもばらけてきて、やっと自分のペースで走る事ができるようになった。
序盤、ランナー渋滞で5分/kmのペースの維持が難しかったので、ここからが本当の自分との闘いだ。気を引き締め直す。

玉造筋を南下して玉造駅を越えると、反対側のコースを関西テレビの中継車が通った。つまり、大阪国際女子マラソントップランナーとのすれ違いだ。彼女達にとってはここは13km辺りで、この後、大阪城公園内を走って、御堂筋を往復することになるはずだ。

トップを争って、レース序盤でデッドヒートを繰り広げる、ディフェンディングチャンピオンタチアナ・ガメラ選手と日本期待の重友梨佐選手。
トップランナーの走りを同じコース上で見られて、市民ランナーとしてとても嬉しい。


トップ集団からひと足遅れて、女性の市民ランナーのエリート達も続く。
胸のゼッケンにはでかでかと自分の名前がプリントされている。
あんなに自分の名前が強調されたゼッケンはこれまで見た事が無い。
3時間13分以内でフルマラソンを完走する為に努力を積み重ねてきたエリートランナーのみの特権だ。
市民ランナーとして光栄で嬉しいだろうなぁ。自分なら一生保管しておくだろう。


JR大阪環状線鶴橋駅桃谷駅を越えて、勝山通を左折。

10km通過。まだまだ5分/kmという自分にとってのハイペースを維持して走る事が出来ている。
生野区役所の前を通る。かつてこの辺りによく来ていたなぁ、と思い出す。

勝山通を走って、今里筋を右折。

今里筋を南下。

東部市場前を通って、市営バスの終着駅として有名な杭全(くまた)の五叉路を過ぎる。

松虫通を右折して、松虫通を西へ。


御堂筋線昭和町駅がある交差点で左折してあびこ筋に入る。

このあびこ筋を南下すれば、ゴールのヤンマースタジアム長居がある長居公園まであと少し。
15kmを過ぎると、さすがに疲れが出てきて、何とか5分/kmを維持する事ができるものの、辛くなってきた。

沿道の応援に応えている余裕などないので、ここまで自分の走りに集中してきたが、ゴールが近くなってきて沿道の応援が更に多くなってきた。
「それが限界?」のプラカード。いや、まだまだ限界じゃない!

長居公園に到着。辛いけど、その辛さもあと数km!


長居公園内に入ってからは、周回コースを1周。

長居公園内の周回コースの途中で、20km通過。あと1kmと少し。

最後の第5関門通過。収容時間を見ると、14時10分。時計を見ると、14時5分。
あれ、あと5分で閉鎖!?
スタートの号砲からスタートゲートをくぐるまで多少時間が経ってしまったとしても、これだけ速く走ってきたのに、残り5分で関門閉鎖とは何て恐ろしい大会だ。
もう少し走力が無かったら、ここまでに心が折れてペースを落としていたら、と思うと、ゾッとする。

ゴールのあるヤンマースタジアム長居に到着。


毎週日曜日の早朝ランニングで何度か長居公園には来たことがあるが、スタジアム内に入るのは初めてだ。テンションが上がる。


トラックを「スタジアム内ってこうなっていたのか」と思いながら走る。


そして、無事、ゴール!




Finisher'sタオルをもらって、隣りのヤンマーフィールド長居に移動して、ヤンマースタジアム長居を眺める。
今日は、天気も良くて寒くもなくてベストコンディションだった。コースも終始フラットでかなり走りやすかった。
最後まで5分/kmを維持しようとしてかなり頑張って走ったものの、完走タイムは1時間50分。
スタート号砲からスタートゲートをくぐるまでの時間が約2分程度としても、1時間48分(ネットタイム)か。
調べてみると、途中、5分/kmで走る事ができていないところがあり、平均5分10秒/kmだった。
一応、自己ベストのタイムではあるが、やはり5分/kmのペース維持は難しいものだと思い知る。
それに、今回履いたadidasのspringblade。
フルマラソンでは出さないスピードで走ったら、左足裏に大きな靴ズレが出来てしまった。これはハーフマラソンには向かないな。


完走した後は、ヤンマースタジアム長居に戻って、観覧席から大阪国際女子マラソンのゴールシーンを見守る。
残念ながら、女性のトップランナーのゴールシーンは見られなかったが、大阪国際女子マラソンの1位はタチアナ・ガメラ選手で、重友選手は3位に入ったとのこと。
昨年惨敗した重友選手は、復活を賭けての勝負で、序盤でトップ争いを繰り広げたものの、後半はガメラ選手に置いていかれてしまったようだ。

トップランナーではないものの、サブスリー(フルマラソンを3時間以内で完走)で走る事ができる凄い女性ランナーばかりだ。同じ市民ランナーとして、尊敬の目で感動的なゴールシーンを眺める。



解説の増田明美さんも完走した女性ランナーを労っておられた。

ギリギリサブスリーが達成できなかった女性ランナー。悔しいだろうなぁ。
でも、この時点でこれだけ走る事が出来るのであれば、次は必ずサブスリーを達成できるであろう。

3時間を超えると、続々と女性ランナーがゴール。
ゴール後に自分の力を出し切って倒れ込むランナー、お互いの健闘を讃え合うランナー達、いずれも美しくて眩しい姿だ。
自分は、今後もフルマラソンを3時間前半で走り切る事ができるようになるとは到底思えない。
ラソンにスピードを求めているワケではないが、やはり走っている以上、スピードが速い事に越した事はないので、憧れの目線でゴールシーンを見守る。



朝から何も食べていなかったので、スタジアム前に出ていた屋台で、自宅がある大阪の船場の名前がついた船場汁とたこ焼きを食して帰宅。
来週のハーフマラソンでは、今回と同じ目標「5分/kmを維持してハーフマラソン完走」を果たして、今回のリベンジをしようと決意する。
その前に、万全の状態で臨む事ができるように、早急に左足裏できた大きな靴ズレを処置して、1週間での足裏の皮の再生を促さねば。
でも、これでまた足の裏の皮が1枚厚くなって良かった良かった。