高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 生駒山へ花見ランニング

4月4日土曜日、せっかく桜が見頃の時期なのに週末は天気が悪いと聞いていたので、今週は雨が降り始める前の土曜日に早朝ランニング。
大阪には大阪城公園造幣局、毛馬桜ノ宮公園など桜の名所が多々あるが、今日はたまに目標にして走りに行く生駒山の麓にある枚岡(ひらおか)公園も桜の名所という事を聞いたので、そこを目指して行ってみる事にした。
朝、スタートした時はまだ雨は降っていない曇天であったが、走り始めると雲の間から青空が見え始めた。
天気予報も間違う事もあるんだ。しめしめ、これは土曜日の朝に走る事を判断して良かった。絶好の花見日和になって来た。
生駒山に向って国道308号線沿いを走っていると、東大阪市にある第二寝屋川沿いの桜が満開でとても綺麗だったので、コースを外れて少し寄り道。
この桜の下を地元住民の方々はブラブラと散歩していて、とても気持ち良さそうだった。


スゴイ!満開の桜だ。
今週の雨が桜散らしの雨と言われていて心配だったが、まだまだ桜は散っていなくて安心した。
これはこの先の目的地である、枚岡公園の桜も満開が期待できそうで楽しみだ。


第二寝屋川沿いには、桜だけではなく、花壇にはたくさんの色とりどりの花々が植生していて、地元住民の方々が丹精込めて手入れされていた。
これだけの花を毎日手入れして、春を迎えた今こそがまさに今までの苦労が花開く時だ。桜に負けないくらい目立っていて綺麗だった。


先週、3月29日のOSAKA淀川ウルトラマラソンで100km走った際、雨の中、無色で無味乾燥な風景を何時間も見せつけられた事もあって、今日は先週から一転、たくさんの色がある。とても良い目の保養になった。
さて、ここが目的ではないので、国道308号線に戻って先を急ぐ。
国道308号線沿いには有名な花園ラグビー場などがある花園中央公園があるので、ちょっとだけ立ち寄ってみる。
かなり良い天気になって来たので、土曜日の朝から野球場では野球少年が練習をし、広場では地元住民がのんびり散歩や日なたぼっこをしているのどかな風景にとても癒された。
眼前に迫ってきた生駒山の中腹には、ピンク色がちらほら。これは楽しみだ。



生駒山の麓に到着。
枚岡公園へ続く坂道には、道沿いに桜がずっと咲いている。
桜が満開で、まさに見頃だ。これは来て良かった!
この坂道の近くに住んでいる住民は、1年に1回の数日間だけとはいえ、この風景を毎日見る事ができるなんて羨まし過ぎる。




まさに桜のトンネルになっていた坂道を登って、枚岡公園に到着。
園内の桜はここまでに見てきた桜に勝るほどでは無かったのだが、桜よりも生駒山の中腹にある枚岡公園から眺めた、東大阪市の景色はとても素晴らしかった。天気も良くて空気も澄んでいたので、その素晴らしさはなおさらだ。


せっかくここまで来たし、今日は山の上から景色を見るにはベストコンディションなので、国道308号線の急峻な坂道を登って、暗峠を目指すことにした。
先週、100km走っているので、あまりムリをせず、坂道は走らず歩いてゆっくり登る。
毎回来る度に思うが、国道なのに、大変な急隘路(きゅうあいろ)だ。息も絶え絶え。

坂道の途中には寺があるので、ひと休みがてら、寄り道してみる。
果たして、こんなに来るのが大変な場所にあって、参拝客はいるのだろうかと心配になる。

境内には、印象深い言葉が書いてある張り紙があった。

幸せとは、今あるもので十分だと気づくこと。

然り。世に言う「足るを知る」というヤツだ。人間の欲望には際限が無い。今、五体満足の健康で丈夫な身体で、ここまで自分の脚で走ってこられることの幸せと感謝の気持ちを忘れず、控えめと謙虚さを持っていこう。この気持ちはいつまでも忘れないでいたいものだ。

坂道の途中には、下界から見えていた桜もチラホラ。ここら辺りが、山の森林限界ならぬ、桜限界かな。

そして、標高455m、大阪府東大阪市奈良県生駒市の県境の暗峠に到着。
やはりここに来るまでの坂道は、自分が生涯に経験した坂道の中でも一番だ。
さすが国道ならぬ、酷道。しかし、それだからこそ、登り甲斐があって楽しいし、思い出に残る。
最近、NHK BS1で大好きな番組のひとつ、「にっぽん縦断 こころ旅」の2015年春の旅が始まったが、自分がもし大阪の「心の風景」をNHKに紹介するとしたら、是非、ここを紹介したい。
番組の主役の火野正平さんに、名物となっている「ハァハァ」という吐息をしながら、懸命に自転車で登ってもらいたいものだが、さすがにここは急峻な坂過ぎて、NHKに採用されることはないだろう。


本来であれば、暗峠から奈良県生駒市側に国道308号を一気に駆け下りるのだが、今日はここから山道に入って、生駒山の頂上を目指してみることにした。
もう一度、生駒山の頂上から雄大大阪平野を見下ろしたい。今日はこの前見た景色よりももっと美しいだろう。
生駒山頂上へ向かう信貴生駒スカイライン沿いの登山道は、前日までの雨でぐちゃぐちゃで足場が悪い上に、グリップ力の無いロード用のベアフットシューズを履いてここまで走ってきたので、滑って怪我だけはしないように慎重に登る。
しばらく登ると、視界が開けて、見晴らしの良い休憩所に到着。ここからの景色もなかなか。

西は大阪平野

東は奈良県法隆寺がある斑鳩町大和郡山市かなぁ。

ここまで喉がカラカラだったので、この展望台に自動販売機があって本当に助かった。

少し休んで、あと少し登れば、生駒山の頂上だ。
しかし、信貴生駒スカイラインの途中にこんな展望台があるのは知らなかった。
車でならすぐにここまで来る事が出来るけど、やっぱり自分の足でここまで来た方が達成感に溢れる中で見られるので、より景色が綺麗なんだろうな。

そこから少しだけ登ると、見慣れた電波塔が見えてきた。
今、下界から見ていた生駒山上にある電波塔の真下に今いる。
ここまで自分の脚で登ってきたんだと思うと、何だか感慨深い。

そして、生駒山の山頂にある生駒山遊園地に到着。
こんな陽気なので、家族連れがたくさんだ。
そんな中をランニングスタイルの人間が歩いていて、場違い感がスゴイ。

そして、目的地である生駒山の頂上、642m地点に到達。
これが生駒山の頂上からの大阪平野の眺め。
自分の足で苦労して時間をかけてここまで登ってきた事へのご褒美とも言える素晴らしさ。
精神的にも充実感と達成感に満たされているので、より綺麗に見える。絶景かな、絶景かな。
昨年末に見た時は雲が多かったが、今日は青空も見えて絶好のコンディションだ。
右手には梅田の高層ビル群、その奥に六甲山系、左手には手前にあべのハルカス、奥の湾岸には大阪南港のWTCコスモタワーが目立って見える。
こうして、普段自分が住んでいる大阪の街並みを山の上から眺めると、自分の存在などが如何にちっぽけなものなのかを認識できる。そんな風に物思いに耽けながら、景色を見るのが好きだ。


ベンチに座ってこの絶景を十分楽しんだ後は、生駒山ケーブル沿いの下り階段をゴールの生駒駅を目指して駆け下りる。走って降りているので、足にスゴイ衝撃があるが、これも足を鍛えるための負荷としてはちょうど良い。

生駒山ケーブルの駅舎と桜。絵になるなぁ。

山道沿いには、菜の花もチラホラ咲いていた。
春といえば、広大な黄色の菜の花畑も有名だが、いまだかつて春の菜の花畑を見た事が無い。
大阪には有名な菜の花畑は無いみたいなので、いつか春に一面に黄色が広がる菜の花畑を見てみたいものだ。

そして、最後は生駒山の中腹にある有名なお寺、宝山寺に立ち寄って参拝して、その参道を駆け下りる。
参道沿いの桜がこれまた満開で、とても綺麗だった。何度かこの参道に来ているが、今回が一番素晴らしい。





参道沿いの住宅の前には、猫が寝転がって日なたぼっこをしていた。
自分が近づいても全く警戒せず、むしろこちらに寄ってきて、身を寄せてくっついてくる。
恐らくこの辺りの家の飼い猫なんだろう、かわいいヤツだ。しばし、猫と戯れる。



宝山寺の参道を下って、生駒駅に到着したところでゴール。
合計約23km。山道もあったので、ただの23km以上の練習効果があっただろう。
この後、生駒駅から中央線に乗って自宅に戻ったのだが、夕方から日中の晴れが一転、雨模様に。
5日日曜日の夜まで雨が降り続き、今週も残念な週末になった。
自分が花見ランニングに出掛けたタイミングはベストだった。
このベストコンディションの日に花見ランニングに出掛けて本当に良かった。
今年は、これ以上の桜はもう見られないだろう。
でも、今日で今年の桜は十分に堪能することが出来た。もう桜は腹いっぱいだ。