高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 生駒トレイルラン:久し振りのトレイルランで生駒山縦走

1月23日土曜日、今日は久し振りの山の中のオフロードを走るトレイルランニングの日。
2014年11月に出場した奈良県当麻寺近く二上山をスタートして、大和葛城山金剛山を走って紀見峠がゴールの「ダイヤモンドトレイルラン」に出場して以来のトレイルランニングなので約1年振り。
今日の舞台は、しばしば日曜日の早朝ランニングで行く生駒山系の山々を縦走する「生駒トレイルラン」だ。
大阪に来て以来、一番馴染み深い山が舞台なので、楽しみだ。
自宅のある堺筋本町近くの北浜駅から京阪電車に乗った。
北浜駅最寄りの大阪証券取引所の前には、幕末に大阪の経済発展のために貢献した五代友厚氏の銅像がある。
ちょうど前日の22日のNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」で、大人気のディーン・フジオカ演じる五代様が志半ばで亡くなったので、その翌日にここに来るなんてタイミングが良過ぎだ。

北浜駅からは京阪電車の特急で枚方まで行くことができるので、あっという間。
特急電車の窓から生駒山系の山々が見える。これからあの山を縦走すると思うとわくわくする。

枚方駅からは交野(かたの)線に乗って、スタート地点のある私市(きさいち)駅に到着。昨年11月末にここ来て以来。

私市駅から歩いてスタート地点の水辺プラザへ。
そこで極寒の中で着替えてスタートの準備。
暖冬と言われた年末から一転、年が明けてからめっきり冬らしくなってきて、この週末は大寒波が来襲して大阪にも雪が降る予報。
本格的に大寒波がやってくる直前の土曜日の午前中に開催してくれて本当に助かった。
これ以上寒くなったり、雪が降ろうものなら、山の中を走るなんて無謀だし、中止になったかもしれない。
久し振りにトレイルランニング専用のザックに、いつでもチューブから水分補給できるハイドレーションを積む。
ここのところ、ロードで開催されるマラソンばかりに出場していたので、こういうのを背負って山の中を走るという非日常にテンションが上がる。

朝9時、「生駒トレイルラン」スタート。
こんな寒い日の朝に山の中を走ろうとする元気なトレイルランナーがこんなにたくさん。
この後、生駒山系の大阪環状自然歩道・生駒縦走歩道を30km縦走する。

最初は、生駒山系のほしだ園地のオフロードを走る。ほしだ園地と言えば、「星のブランコ」という吊り橋だ。
昨年11月に来た時はこの吊り橋を渡ったが、今回は吊り橋を渡るワケではなく、下から眺めるだけ。
なので、天気が曇天なこともあって、イマイチ良い写真を撮れなかった。
初めてここに来ていたのであればガッカリだったであろうが、昨年11月に十分に堪能していたので、ガッカリ感はまるでなかった。

ほしだ園地の山を越えると、そこには飯盛霊園という墓地が広がっていた。墓地の中もコースの一部。だけど、ここはウォーキング指定。走ってはいけない。

霊園を越えると、四条畷市の清滝峠を越えて奈良県側にやってくる国道163号線沿いの市街地を走って、次はむろいけ園地の山の中を走る。そんな山の中に堂尾池という池があった。こんな山の中に池があるのか、と驚く。

8.5km走ったところで最初のエイドステーション。
30kmのコース中、エイドは4つ。トレイルなので、通常のマラソン程、エイドは少ないが、ボランティアの方々の苦労を考えたら当たり前。あるだけありがたい。ここでは特に疲れていないので、水分補給のみ。

ここら辺には山道沿いに池がたくさんあったのだが、池の表面が凍っている。そりゃ寒いワケだ。

こんな湿地の中を通る木造の歩道もコースの一部。春になると、この湿地にたくさんのカキツバタが咲くそうだ。

むろいけ園地を越えると、生駒山系を縦走する道路「信貴生駒スカイライン」の入り口の脇の山道に差し掛かった。ここから始まるのか。この先、この道路沿いの山道を走る事になる。

次は、生駒山の7合目付近に位置するくさか園地の山道。第2エイドの15.5km地点の手前では、だいぶ登って来たこともあって、関西平野の見事な風景を眺められて、山道の疲れが一気に癒された。やはり山道は登り道が辛い分、登った後の風景が頑張った自分へのご褒美になって、その感動が疲れを忘れさせてくれる。


そして、生駒山山頂に一番近い場所にあるぬかた園地にやって来た。
ここは6月頃になると、たくさんの紫陽花が見頃を迎え、つづら折りになった紫陽花園はたくさんの人で賑わう。自分も昨年走ってここに来て感動した事を思い出す。

大阪環状自然歩道・生駒縦走歩道とお馴染みの国道308号線が交わる場所まで到着。

ここを登っていけば、すぐに暗峠だ。
でも、今回は暗峠には行かずに、なるかわ園地という山道へ行き、更に縦走。

20km地点のぼくらの広場に到着。
ここからのパノラマの風景が今日一の眺めだった。
国道308号線から南側にはほとんど来た事がないので、この眺めは新鮮。
今度、別の機会にここを目指して来て、もっとのんびりこの眺めを堪能したいと思った。


ここは20kmの部門のゴールでもある。
ここでは温かいおしるこを振る舞ってくれたので、冷えきった身体が回復。
さて、あと10km。まだまだ余裕。

この先も鳴川峠を越えて、スカイライン沿いの山道の小刻みなアップダウンが続き、体力的に、というよりは精神的に疲れてきた。

24.5km走って、鐘の鳴る展望台で最後の第4エイド。

あと5km。サイクリスト達がヒルクライムの練習の一環としてここに来ることで有名な十三峠を越える。


そして、ゴールの高安山に到着。
最後は、ほかほかの落ち葉の絨毯の山道を駆け下りて、信貴(しぎ)山西信貴ケーブル高安山駅前でゴール!



約1年振りのトレイルランニングで、生駒山系を30km、気持ち良く縦走できた。
スタート前は空気が冷たくて激寒で心配だったが、走り始めてみたらちょうど良いコンディションでとても走りやすかった。
そして、この1年間で様々なマラソンを経験してきたおかげで辛さの閾値が上がったためか、これまでのトレイルランニングの中でも一番楽に感じて、「あれ、もうゴール?何だか物足りないな、まだまだ行けるのに・・・」というのがゴール直前の感想だった。これは走力及び精神力の成長の現れかな。
それに、これまでのトレイルランニングで経験した山は、もっと登りがきつく、そして長かったものの、頂上に到着した後の達成感と眺めの良さ、その後の頂上からの下りの爽快感は最高だったが、生駒山は小刻みなアップダウンが多くてそれが無く、少々ウンザリ。
だけど、大自然溢れる山の中を走るという「非日常」を全身で体感し、今週に溜まったストレスと疲れを発散できて癒された。
普段過ごす都会の喧騒を離れて、高層ビル群の合間の舗装道路ではなく、大自然溢れるこんな細い山道、こんな背が高い草に囲まれた道、こんな薄暗いトンネルなど、普段過ごしていたら絶対に来ないであろう道をワクワクドキドキしながら走る。
これこそが今回自分が求めていた「非日常」という刺激だった。



ゴール後は、大会側が出してくれた温かいスープを食べて身体を温め、近鉄西信貴ケーブルを使って下山し、近鉄信貴山駅前から河内山本駅を経由して鶴橋まで行って、JR大阪環状線で帰宅した。



今回、生駒山を縦走したことで、数少ないトレイルランニングの経験であるものの、六甲山系縦走、ダイヤモンドトレイル、京都一周、熊野古道小辺路と、関西の主要なトレイルコースは走破したような気がする。今思うと懐かしい。どれをとってもロードのマラソンでは体験できない良い思い出がある。これでまたひとつ実績が出来た。
それに、今回30kmのトレイルコースを余裕を持って完走できたことで自分の成長が感じられたし、山道を走る事で脚が鍛えられて良かった。
47都道府県のマラソン出場の目標を果たすまではロードのマラソン中心だが、今後もたまには気分転換と練習を兼ねてトレイルランニングに出場するようにしよう。そして、いつかは有名なトレイルのレースにも出てみたいものだ。