高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 大阪ハーフマラソン:自分の完走よりも福士佳代子選手の優勝に感動!

1月31日日曜日、2年連続となる「大阪ハーフマラソン」の日。
自宅近くの大阪城公園スタートなので、気軽に出場でき、毎週日曜日のランニングのマンネリ回避にはもってこいのイベントだ。
ただこの日のメインイベントは、リオオリンピックの女子マラソンの代表選考レースとなる「大阪国際女子マラソン」。
そのコースの一部を利用させてもらっている「大阪ハーフマラソン」は悪く言えばそのついでだ。
大阪国際女子マラソン」は長居公園ヤンマースタジアム長居をスタートして御堂筋・大阪城公園を折り返して戻ってくるのに対して、「大阪ハーフマラソン」は大阪城公園をスタートしてヤンマースタジアム長居がゴール。
「大阪ハーフマラソン」は、制限時間が2時間という全国で最も短い大会であり、競技性が高い。その理由も「大阪国際女子マラソン」のエリート女子ランナーの邪魔にならないようにするためであり、遅いランナーは制限時間を越えてしまったら、容赦なくコース外にどかされる。
制限時間は厳しいが、今の自分の走力であれば、制限時間2時間以内にハーフマラソンを完走する事は余裕。
また、「大阪国際女子マラソン」のコースの一部を使用するだけあって、終始フラットで高速コースであり、タイムを狙える。1年前の自分のタイムと比較して、どれくらい成長したかの良い指標になる。
「大阪ハーフマラソン」「大阪国際女子マラソン」のスタート時刻は12時10分と、通常のマラソンと比べてかなり遅い時間なので、マラソンに出場する日とは思えないくらい朝はゆっくり寝て、堺筋本町の自宅からのんびり歩いて大阪城公園のスタート会場である太陽の広場に向かう。
先週の日曜日は大寒波が襲来して激寒だったのに、今週は1月末なのにポカポカ陽気の小春日和で暑いくらい。
しかも、今日は先週の自然溢れる山の中から一転、都会のど真ん中の舗装路を走るという気候もコースもまるで違う。
雲ひとつない青空に大阪城が映える。
最近夜にしか大阪城を見ていなかったので、昼見る大阪城も素晴らしい。
ただ、日中は外国人観光客などで溢れていて騒がしく風情がまるで無い。やっぱりひっそりと静まり返った夜の方が好き。


暖かいので、更衣テントではなく、外で着替えてスタートを待つ。
今年の黄緑色の出場記念Tシャツのデザインが好みではなくてちょっと残念。

ここのところ仕事が忙しくなってきた上に、前日の土曜日も日中用事があって全然休めなかったので、スタート前には全力でハーフマラソンを走りきることができるように、しっかりとエネルギー補給。
全力で21kmを走って、溜まった疲れとストレスを発散しよう。

出場ランナーが大阪城公園の東側の公道に整列。去年は寒空の下で長々と待たされてイライラしたが、今年は暖かいので、大丈夫。

12時10分、「大阪ハーフマラソン」スタート。
同時刻、ヤンマースタジアム長居では「大阪女子国際マラソン」もスタート。女子のオリンピック代表には誰がなるのかを自分のゴール後の楽しみのひとつとして走り始める。

スタート直後は大阪城公園の外周の一部を走る。馴染み深い外周コースがたくさんのランナーで埋め尽くされる光景は1年に1回の貴重な風景。


大阪城公園を越えて、天満橋で折り返し、大阪ビジネスパーク内を走り、スタート地点を再度通って、玉造筋を南下。この森ノ宮駅以南の玉造筋大阪マラソンのコースとしても使われており、ランナーにはおなじみだ。

そして、この玉造筋を走って鶴橋付近で対向車線が先導するパトカーが通って物々しい雰囲気に。
「大阪女子国際マラソン」の先頭集団がやって来る前触れだ。
女子のトップランナーの先頭集団とすれ違う。
注目の福士佳代子選手や重友梨佐選手、外国人選手が先頭集団で走っているのが見えて、自分も他のランナー達と同様に少しペースを落として、「福士、がんばれ!」と声を掛けた。
といっても、この辺りは10km過ぎのまだまだ序盤なので、頑張るところではなく、本当の勝負はもっと先なのだが。
こうして「大阪女子国際マラソン」におけるエリートランナーのガチな争いを沿道からではなく、同じコース上で走りながら味わう事ができるのも、この「大阪ハーフマラソン」の魅力のひとつだ。


その後もしばらくは沿道側ではなく、中央線沿いに走って、女子のエリートランナー達の走りを尊敬の眼差しで眺めながら走る。
この大会に出場するにはフルマラソンを3時間13分以内で完走できる走力が無いといけない。
なので、この日を迎えるまでにどれだけ大変な練習をこなしてきたのだろうと思いを馳せる。
あのデカデカと自分の名前が書かれたゼッケン。
通常は番号しか書かれないので、名前が大きく書かれることなんてまずはない。エリートランナーの特権だ。
あんなゼッケンをつけて走ることができるなんて、市民ランナーにとっては幸せだろう。自分だったら、あのゼッケンは生涯保管しておくな。

対向車線の女性エリートランナーの走りを最終ランナーまで見たら、あとは大阪市内の街中をただただ走る。
今回で2回目の出場で撮るべき真新しい被写体もないので、ただひたすら黙々と走って自分と闘う。
玉造筋、勝山通、今里筋松虫通を走り、あびこ筋に入ると、あとは約5km一直線に走ってゴールのある長居公園に向かうのみ。

長居公園の直前で、「それが限界か?」のプラカード。去年もこれを見て、最後に奮起したのを思い出す。

長居公園に到着。より一層多くなった沿道の応援に迎えられる。


大阪城公園と共に、大阪市民のランナーの聖地のひとつである長居公園内の周回コースを1周走る。ここまでハイペースで走って来たのでかなり苦しかったが、ゴールは目前なので、最後の踏ん張り。

ゴールのヤンマースタジアム長居に到着!

スタジアム内の立派なトラックを走る。いち市民ランナーとして、こんな立派なトラックを走る事ができるなんて光栄だ。


大阪ハーフマラソン、2年連続、無事ゴール!
グロスタイム(スタートの号砲からゴールゲートをくぐるまでのタイム)は1時間44分なので、ネットタイム(スタートゲートからゴールゲートまでのタイム)は「1時間42分26秒」。
去年のタイムより5分速くなり、今年2月の丸亀国際ハーフマラソンにおける自己ベスト1時間44分から約2分速くなり、自己ベストが更新できた。
ただ、これだけ頑張ってハイペースで走ってきても、夢の100分切り(1時間40分以内での完走)は叶わなかった。
「このハイペースで走ってもダメかぁ。厳しいなぁ。」と思わずつぶやいてしまった。
1kmを約5分で走っているので、あと約500m足りなかった。
これ以上のペースで走るとなると、なかなか厳しいなぁ。
でも、今後のハーフマラソンでの超え甲斐のある良い目標が出来て良かった。

ゴールして大判のFinisher'sタオルを受け取って振り向くと、スタジアム内の大画面には福士佳代子選手がトップを独走している雄姿が映し出されていた。
これはスタジアムにゴールする福士選手の姿を観覧席から生で観られるチャンス!


完走の余韻も程々に、早歩きでスタジアムを出て荷物を受け取り、速攻で着替えて、ヤンマースタジアム長居の観覧席に戻って来た。
トップを独走している福士選手が大画面に映し出される。


観覧席で今か今かとたくさんの観客と待っていると、長居公園に福士選手が入ってくると、スタジアム内は大盛り上がり。
そして、大画面にもうすぐ選手がスタジアム内に入ってくる旨の表示が。

福士選手がスタジアム内に入って来た!
スタジアム内は大歓声。
テレビクルー達も歓喜の瞬間を撮るために重いカメラを担いで走り回る。彼らも大変だ。テレビに映らないところでもこんなに大変だとは知らなかった。



福士選手の優勝の歓喜の瞬間。
タイムも2時間22分17秒で、日本陸連によるオリンピック選考の設定記録の2時間22分30秒以内でもあり、ほぼ代表決定だ。
ゴール直前では共に頑張って来たコーチも並走して、ゴール後は抱き合って喜び合う。お互い感動ひとしおだろう。まさに感動の瞬間。




福士選手のゴールシーンを観られて本当に良かった。
彼女がこの大阪国際女子マラソンで初マラソンに挑戦し、序盤抜け出してトップに立ったものの、後半脱水症状で失速して、転びながらゴールするという屈辱を味わってから8年、彼女の恩師の名言

負けたことに負けるな!

を胸に、見事、それを体現した。
彼女の過去を知っているだけに自分も、テレビ中継中に感動のあまりに号泣してすすり泣きしか聞こえなくなった増田明美さんと同様に感動していたのだが、当の福士選手本人はそんな感動はどこ吹く風で、自由奔放に最高の笑顔で勝利者インタビュー。「やったー、一等賞獲ったよー」「リオ決まりだべ!」と満面の笑みで会場を笑わせていた。相変わらずの彼女らしい自由さだ。


感動が笑いに変わった後は、3時間以内で完走するサブスリーランナーの走りを観客席で尊敬の眼差しで見守った。
続々と強者達がゴールしてくる。サブスリーで走られるなんてかなりスゴイ。信じられない。いったいどんな練習をしているんだろう。


その中で、注目していた若手最有力としてネクストヒロイン枠に入っている大東文化大学福内櫻子選手がトップからかなり遅れて帰って来た。
やはりフルマラソンとなると、学生駅伝などと違って勝手が違うようで、ほろ苦いフルマラソンデビューになってしまったようだ。
「陸上界の上戸彩」と言われている美貌を持つランナーとして有名なのだが、確かに噂に名高いかわいさだ。フルマラソンを走っても笑顔で帰ってきて、ゴール後は振り返って礼をする謙虚な姿が印象的だった。これからもご活躍を見守って応援しよう。




スタジアム内には、テレビ中継のレポーターの武井壮さんもいた。

福士選手の快走から感動と笑いをもらった後は、スタジアム前の屋台にて朝から何も食べていないので腹ごしらえ。
山梨のほうとう。ドロドロの黄色い汁は、カレー味だからではなく、かぼちゃの色だ。
そして、鶏の皮の唐揚げせんべい。バリバリ食べられて結構おいしい。


今年も無事、大阪ハーフマラソンを完走できた上に、ゴール後に福士選手の優勝の瞬間を見られて良かった。何だか自分の走りよりもそちらの方が印象的だった。
自分としては、21kmを「4分50秒/km」という自分としてのハイペースで走りきる事ができて、昨年からの成長を感じられ、自分の走力にとても自信がついた。これは今後に繋がる。