高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 いわきサンシャインマラソン:暴風雨に負けないランナーと福島県民に感動して完走

2月14日日曜日、「いわきサンシャインマラソン」当日。
朝6時に起きて、いわき市のホテルのカーテンを開けると、外は雨と風。
これまでの予報通りの天候。しかも暴風警報まで出ているとは。
いわき駅前から出ている無料送迎バスでスタート地点のいわき陸上競技場に行くと、雨はそれほどではないが、風が強かった。
「サンシャイン」とは名ばかりで、この大会、毎年、天候が悪いらしく、これだけ続くと厄払いが必要なのでは・・・と笑えた。
昨年11月の大田原マラソンも途中から雨であったが、今回はスタートから雨で、しかも風もある。
これはコンディション最悪だが、たまにはこういうのもいい。「自然になんか負けない!」と奮起できる。

そんな心意気の元気なランナー達がスタート前に整列。こんな日に走るなんてクレイジーな人ばかりだ。

朝9時、「いわきサンシャインマラソン」スタート。
最初は、太平洋に面する小名浜港に向けて、いわき市内を走る。
ドラえもん御一行様。ドラえもんのび太ジャイアンスネ夫、しずかちゃんの5人で走るとはなかなか面白い。このまま42.195kmを一緒に走ってゴールしたら目立つだろう。何よりも、5人も同じ価値観を持っている人が周りにいることが羨ましい。

序盤から小刻みなアップダウンが結構多いコースだった。

10kmを過ぎた辺りから雨は止んで風だけになって来た。そんな天候にも関わらず、沿道のいわき市民の方々が雨にも風にも負けず、笑顔で応援をしてくれて、元気をもらえた。
ランナーよりも元気があるのではないかと思えるくらい。
こんなコンディションの中で、沿道に来て、雨に濡れ、風に吹かれながらの応援なんて、自分には出来ない。

太平洋が見えてきた。が、波が高くて、大荒れ。高波がテトラポットに激しく当たって波しぶきがスゴイ。穏やかなイメージはまるで無く、日本海のようだ。


15km過ぎの折り返し地点となる江名港の港町が見えてきた。

港町らしく、沿道にはこの日のために飾って頂けた派手な大漁旗がいっぱい。



特に折り返し地点の江名港の方々の盛り上がりと風に揺れて大きくたなびく大漁旗雄大で、疲れを完全に忘れさせてくれる楽しさだった。
特にこの大会は他大会に比べて、ボランティアの方々が元気だった。ただ自分の仕事を黙々とするだけではなく、我々ランナーを盛り上げてくれていた。ランナー以上に元気元気。


折り返し点の楽しさで思わずペースが上がってしまったが、再び、海岸線沿いを走ると、向かい風で苦笑いしながら走る。中間地点で1時間53分。よし、こんなコンディションでもサブ4ペース。
このコース&コンディションでは自己ベスト更新なんてムリなので、せめて今年初のフルマラソンをサブ4で走りたいと思っていた。

野球少年達も元気に応援。

22km過ぎ。事前にコースの高低図を見ていたときに印象的だった、ほぼ直角に上って直角に下がる、この大会で最難関の場所にやって来た。
そんな坂であっても、フルマラソンで歩いてはいられないので、頑張って走って上る。


登り坂の頂上には、いわき市の観光スポットのひとつである「いわきマリンタワー」がある。
そして、頑張ったランナーのために、大会側がエイドステーションを準備していてくれて、ここでは福島県産のいちごを振る舞って頂けた。
うまい!こんなにおいしいのに、福島というだけで風評被害を受けているなんて信じられない。



上ったら、当然下り坂があるので、そこは彼方に小名浜港を望みながら、一気に駆け下りて、登り坂で落ちたペースを取り戻して、一定のペースを調整。

小名浜港に到着した後は、港の中を走る。ここもたくさんの観光客がいて、声援と拍手で迎えてくれたので、こちらとしては今日だけヒーローになれた気分になって恥ずかしかった。


ただ、25kmを過ぎて小名浜港内のコースを走り終えた後の残り17kmが、この大会の本当の闘いだった。
小名浜港臨海工業団地の殺風景な一本道をただひたすら走る退屈なコースで、そんな本来であれば人気の無い場所なだけあって応援も前半よりは少なくなり、疲れてきた事もあって、体力的にも精神的にも辛い時間だった。しかも、前半の暴風雨から一転、後半は日が差し始め、高温多湿な環境になって辛かった。

30km過ぎには最後の登り坂がやってきて、さすがに前半のペースを保てなくなってきた。
ただそんな中でも応援に駆けつけてくれた方々の応援に元気づけられ、35km過ぎで最後の折り返し。後は小名浜港に戻るだけ。


辛い後半のコースを走ってきて、ようやく40km地点に到達。
後半は折り返しコースのため、これからこの辛いコースを味わう対向車線を走るランナー達に同情しつつ、最後の力を振り絞って残り1km。


小名浜港に戻ってきて、一層人だかりが多くなって、ゴールゲートが見えてきた。

「いわきサンシャインマラソン」、無事、ゴール!

ゴール後、フラガールにレイ風の首飾りをかけてもらい、この日がバレンタインデーであったこともあって、チョコレートももらえた。普通のマラソンでは見られない完走賞でとても面白い心配りだった。

そして、完走賞。
最近、完走賞と共に、大会専用のクリアフォルダもセットで戴ける様になった。
せっかくの貴重な完走賞が汚れないし、とても有り難い大会側の心配りだ。
完走タイムは「3時間51分」。
なかなか良い完走タイムで驚いた。
この日の悪コンディション且つアップダウンが多い難コースで、後半ペースが落ちてしまったのに、サブ4達成という目的だけではなく、3時間50分台前半で完走できたのであれば上出来だ。
これは条件が揃えば、昨年11月の大田原マラソンでの自己ベスト「3時間48分」を超えられるのでは・・・と思わせる結果で嬉しかった。


走った後は、小名浜港名物のさんまのポーポーつみれ汁というさんまのつみれが入った汁、カジキのカツを食べて体力回復。


今回は、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、暴風雨ニモ負ケズ、そして自分にも負けずな修行レースを完走出来て自信がついた上に、コンディションが悪くても安定してサブ4で走られる走力がついた事が分かってとても嬉しかった。
そして、いわき市民の応援が素晴らしくて感動をもらえた。
さすが東日本大震災に負けていない方々である事もあって、暴風雨なんかに負けない元気な応援。

走ってくれてありがとう!来てくれてありがとう!

という沿道からの応援に対して、ランナーも

走らせてもらってありがとう!

と応えて、自然にいわき市民とランナーの間で「ありがとう」というエールの交換がされる光景に感動し、サングラスの奥で目頭が熱くなった。
復興を願い、ありがとう、いわき。ありがとう、福島。また、来年もこの地に来たいものだ。