高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

みちのく津軽ジャーニーラン前半(龍飛岬まで):マラソン人生最大のトラブル発生も完全復活の兆しあり!

2019年7月13日土曜日17時、いよいよ第4回みちのく津軽ジャーニーラン、スタート!

ウルトラマラソンは何本も完走してきた実績や昨年も本大会を完走している実績があるものの、さすが263kmともなると何が起こるか分からないので、ドキドキしながらたくさんの方々に見送られながら、弘前城東門を出発。

17時なので、西陽が眩しくて、少し暑さを感じた。

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スタート直後なので、集団でゾロゾロと県道3号線沿いの歩道をのんびりラン。

昨年ダントツ1位になった世界の高橋選手が自分が走っているような位置で、ゆっくりしゃべりながら走られていた。

小江戸大江戸200kでもスタート直後は後方からウォーミングアップのようにゆっくり走られており、これが彼のスタイルのようだ。この後、どんどんペースを上げていき、あっという間にトップに躍り出て、今年もダントツの1位で完走されていた。凄過ぎ。

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序盤は津軽富士・岩木山を見ながら走るのだが、ずっと頂上に雲が被っていたものの、一瞬雲が無くなった。今年も岩木山の山容を拝む事が出来た。

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市街地を離れるとダラダラと登る何にもない道路を19.4km走ったところにある岩木山の麓の嶽温泉が最初のエイド(2019/7/13、19:15過ぎ)。

暑さは気にならない程度で良かった。

ここから峠越え且つ暗くなるので、ヘッデンを頭に、腕やトレランバックチカチカライトを装着して再スタート。

ここまで来るのに、昨年同じくらいのペースだったムロヤさん、亀ヶ岡遺跡のエイドまでご一緒して、小江戸大江戸200kでも再会したムトウさん、道の駅たいらだての前後でご一緒したオオニシさんとすれ違ってご挨拶。

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真っ暗になった峠越えの山の中を走っているところで、オオハシさんに追いついたので、並走してマラソン談義をしながら峠を越えて、嶽温泉から10km走って30kmを過ぎたところで集落が見えてきたところで、DNSでボラに回られたクドウさんが私設エイドをされていた。この大会、序盤はエイドの間隔が長く、峠越えで自販機が無くて喉が渇いてきたところだったので、とても助かった。

集落のコースの途中でオオハシさんと別れ、1人になって走り続けて、ようやく日本海側の街・鰺ヶ沢が見えてきた。

嶽温泉から約27km、長かったぁ。

この先にある「七里長浜きくや商店」には、映画にもなったぶさかわ犬・わさおがいる。この大会のコースで通るのだが、夜なので会えないのが残念。

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鰺ヶ沢駅前のローソンでカラカラだった喉を炭酸飲料で潤して、もうすぐ第2エイド&チェックポイントの日本海拠点館だ!・・・と意気込んだところで、右足ふくろはぎに違和感が。

これは2週間前のサロマ湖100kmウルトラマラソン後に発症した右足ふくろはぎと全く同じ違和感だ。

「これはヤバイ!」と減速したものの、日本海拠点館に到着する直前で違和感が痛みに悪化した。

これは完全に足を攣ってしまった症状だ。右足を庇いながら歩いて、46.5kmの日本海拠点館に到着(2019/7/13、22:37)。

サロマ湖100kmウルトラマラソンの後に発症した右足ふくろはぎの違和感は、今週、仕事終わりにマッサージなどでメンテナンスして無くなっていたのに、こんな序盤で再発してしまった。

ここまで順調だったのに、最悪な気分だった。

長らく走って来た脚を攣ったのは過去1回だけだったのに、2回目が人生最長距離の263kmのレースに出場している序盤中の序盤に発症するとは・・・

エイドでしっかり時間をかけて、しゃがみ込んで右足ふくろはぎのヒラメ筋を伸ばしたものの、痛みは引かず。

どんどんエイドを再スタートするランナーを悔しい想いで見守り、自分も足を庇いながらペースを落として再出発。

・・・するものの、痛みで満足にペースを上げらず、辛うじて走っていられる状態。

これまでの数多く出場してきたレースの中でも、絶体絶命の大ピンチにまさかこの勝負レースで見舞われるとは。

日本海拠点館エイドの後からは「何てこったぁ・・・」とずっとガッカリで落ち込んでいた。

「この脚では残り217kmなんて走れるワケが無い。昨年、この大会は完走しているから思い入れが強くは無いし、この大会を完走する事が生涯の目標では無いし、もし無理して走り続けてより悪化して一生走れなくなってしまったら嫌だし、次のエイドでDNF(リタイア)しようか」と思いながら辛うじて走っていて、メンタルは最悪だった。

十三湖に向かうための一直線のコースへ左折するところにある、ほとんどのランナーがこの先にコンビニは少ないので立ち寄るローソンに何とか到着。

中におられたオオハシさんと後から追いついてこられたオオツカさんとローソンの前で休みながら、ツイていない自分の現状をお話したりして、自分はここでしっかりふくろはぎをストレッチしてから再スタートするので、先に行って頂いた。

ここまで暑くは無かったので、発汗による脚の攣りで無いのは明らかだったものの、ローソンで塩分補給のドリンクに塩飴を買ってミネラル補給をして、しっかり時間をかけてストレッチして、ローソンを再スタート。

時間をかけて休んだためか、痛みが先程よりはマシになって耐えられるくらいに治まってきたので、万全ではないものの、攣った直後よりは走られるようになってきた。

先行されていたオオハシさんやオオツカさんに追いついた中で、亀ヶ岡遺跡の第3チェックポイント64.6kmに到着(2019/7/14、1:30頃)。

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一時は、この脚の状態ではこのエイドで止めようかと思っていたものの、耐えられる程の痛みに治まり、走られるようになったので、次の4つめのエイドで1つ目のレストステーション(荷物を受け取られる場所)である鰊御殿までは頑張ろう!と思い、再スタートした。

しかし、ここから鰊御殿までの28kmがとにかく長い。果たして、この痛みを抱えた脚は耐えられるか。甚だ心配だった。

真っ暗の一本道をオオハシさんと一緒に10km走って、73kmのところにある暗闇の中に煌々と輝くファミマは、この大会に出場しているランナーにとってのオアシス。しっかり水分補給。

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ファミマからは1人で目前に迫った十三湖へ向かった。

右足ふくろはぎに痛みはあるけど、走れなくなる程では無くて、ペースも戻って来た。

十三湖の手前でも延々と続く水田地帯を走るのだが、昨年はここで夜明けを迎えて空が明るみ始め、朝靄が水田を包んでいて幻想的な風景が見られたが、今年はここでまだ暗かったので、脚を攣って遅れを取ったかに思えたが、結局、その後、挽回できて走られ、昨年よりも速くここを通過出来た。

十三湖に着いて、十三湖大橋の上を走っている時には完全に夜が明けて明るくなっていた。

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十三湖を過ぎた87kmから鰊御殿までの約5kmが殺風景なコースが延々と続いて辛いのは昨年経験済み。

走り続けて、ようやく92.5km地点の鰊御殿に昨年より20分程早く到着(2019/7/14、5:37)。

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右足ふくろはぎを攣ったのが46kmなので、その後の痛みが残る中で、約46kmに亘って走ってこれらたものだ、とほっとひと安心。

中に入ると、先行されていたムロヤさんやムトウさんが再スタートに向けて準備されていたので、「頑張りましょう!」とエールを交換したものの、「足を攣ってしまったので、多分、自分はここでDNFします」と笑いながら弱音を吐いて、自分も荷物を受け取ってとりあえずひと休みすることに。

たくさんのランナーが雑魚寝したり、着替えたりしている広間はさながら傷病兵が休んでいる野戦病院のような雰囲気。

右足のふくろはぎの痛みは発症時よりはマシになったものの、座ってストレッチするとふくろはぎはパンパンで激痛が走るので、症状としてはかなりヤバかった。

これはすぐにスタートするのは危険だと判断し、予定外ではあるが、早めにここで大休憩をして、それでも症状が引かなければ、ここで無茶して走る事で今後のランナー人生を台無しにはしたくないので、悔しいけど、DNFしようと決めて、寝転がって右足ふくろはぎのストレッチをしたりして、早くも1時間半ほど仮眠した。

そして、目が覚めて脚の症状を確認してみると、痛みは完全には治ってはいないものの、症状はだいぶマシになっていた。

再スタートするかしまいかを迷いながら、ここの名物のカレーと筋子、フルーツポンチで栄養補給して、食堂におられたコオリヤマさんと話していたら、「症状は治まったし、食欲もあるし、これはここでDNFしたら絶対後悔する。行けるところまで行ってみよう。痛みが悪化したらそこで止めよう。」と思い直し、慌てて着替えて補給食を詰め直し、右足ふくろはぎにエアーサロンパスを振り撒き、テーピングでガチガチにふくろはぎを固めて再スタートをする事を決意。

ここには5時37分に到着していたのに、再スタートした時刻は7時51分。

つまり、鰊御殿に2時間以上も滞在してしまった。

事務局の方から「9時迄に出ないとここでDNFです」と言われ始める始末で、ここまで良いペースで来ていたのに、ほぼ最後方からのスタートになってしまった。

これまでのマラソン人生の中で最大のトラブルが起きてしまったんだから已む無し。

「まだ残り170kmあるし、時間は十分にあるし、まだまだ挽回できる!」

外に出ると、天気予報では曇りだと聞いていたのに、鰊御殿の入り口から見た日本海には青空が見え、結局、例年と同じで2日目の日中は暑くなりそうだった。

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再び走り始めると、2時間以上も休んだので、体力は完全回復、右足も痛みは感じずにいつも通りに走る事が出来て嬉しかった。

「よし、ここから挽回だ!」

ということで、暑くなってきた中に、この先の眺瞰台に向かう激坂まではペースを上げて走ることにした。 

小泊の津軽の像記念館前も、昨年見ているので、早々に立ち去った(2019/7/14、8:30頃)。

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そして、その後に続く、気持ちの良い海岸線を走る竜泊ライン

ここは青い空に青い海で景色が素晴らしく、延々と続くコースであるものの、とても気持ちが良かった。

ここも淡々と走って前にいるランナーをどんどんオーバーテイク

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眼前に見えてきたのは、昨年、驚愕した龍飛岬に向かうまさに壁のような激坂。

しかも、その登り坂がかなり長いので、昨年はいつまで続くんだと呆れてしまって疲労困憊し、ダラダラ歩いて登っていた。

しかし、今年は違う。覚悟していたので、今年は冷静に攻めの歩きで弱音を吐かず、黙々と登っていると、同じように歩いて登っているランナーもどんどん追い抜く事が出来た。

頂上の眺瞰台に到着する直前で、オオツカさんと合流。

ここまでの苦しみを分かち合いながら、眺瞰台までご一緒した。

眺瞰台の展望台の到着直前には、道路沿いに親子猿に出会えて、疲れている赤にテンションが上がった。説明会でも話題になっていた猿に自分も会えた!

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長い激坂を登り切って、眺瞰台のエイドでオオツカさん達とひと休み(2019/7/14、11:15頃)。

昨年はこの辺りで雲に覆われて強風が吹いており、一時雨が降ったりと大荒れだったが、今年は快晴で景色が素晴らしかった。

この後、下って行く目的地の竜飛岬も眼下に見る事が出来た。

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さて、龍飛岬へ向かう長い下り坂。

右足のふくろはぎの痛みが心配だったが、痛み無く駆け下りられたのが、とても嬉しかった。

下り坂の終わりを告げる巨大な風力発電の風車が眼前に。

ハイペースで駆け下りて前にいるランナーをどんどん抜いた。

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昨年は坂を下りたところで道に迷ったが、今年は迷わずに龍飛岬に到着。

暑かったので、竜飛岬の公衆トイレに入って洗面台で水を汲んで被り水をしていると、昨年ご一緒して、この日も先行して走っているムロヤさんの奥様とお子様に「オオキさん、頑張って!」と声を掛けて頂いた。

1年振りなのに覚えて頂いていて、とても嬉しかった。

ムロヤさんは鰊御殿でお会いした後、自分が2時間以上も休んでしまったので、既に1時間以上前に龍飛岬を去っているとのこと。自分も追いかけないと!

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龍飛岬に向かう階段では、昨年もこの龍飛岬で写真を撮り合い、この先の道の駅・たいらだて以降でも大変なお世話になったヒラタさんと再会。

今年も自分の脚だけで龍飛岬にやって来られた。普通は観光バスや自動車、バイクで来るものなのに、自分の脚だけでこの本州の北の最果てまで来るなんて正気の沙汰ではない。

北の最果てからの素晴らしい景色。彼方には北海道も見えた。

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今年もこの地に立つ事が出来た嬉しさによる笑顔で撮影。

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龍飛岬を堪能した後は、全国的に有名な日本唯一の階段国道を今年も降りて、龍飛地区コミュニティセンターのエイドに到着(2019/7/14、12:32)。

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エイドに到着すると、十三湖の前で並走していたオオハシさんと再会。

スタート前から脚の調子が悪いと聞いていたので心配していたが、やはりここまで限界とのことで、残念ながらDNFを決めたとのこと。また、道中に話しながらご一緒したかった。残念だった。

このエイドでヒラタさんやオオツカさんとも合流して、エイドで喋りながらゆっくりした後、ほぼ同じタイミングで再スタート。

龍飛岬の下り坂を右足のふくろはぎの痛みを感じる事無く走る事が出来たので、脚は完全復活した事が証明できた!

さぁ、ここから巻き返しだ!!