高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

第4回みちのく津軽ジャーニーラン後半:45時間台で263km、2回目の完走!

第4回みちのく津軽ジャーニーラン後半戦。

・・・と言っても、龍飛岬にある龍飛地区コミュニティセンターのエイドで122.9kmなので、まだ263kmの半分にも達していないのが、この大会の過酷なところ。

「最初の目標である龍飛岬に着いたのにまだ半分にも達していないのかぁ・・・」と気持ちが萎えながら、津軽半島の海岸線沿いの道をどんどん進む。

途中でヒラタさんに追いついて、その辺りをお互いに嘆き合いながら並走し、龍飛岬を出て約12km、ようやく交通量の多い通りがある三厩(みんまや)に到着し、今年から新設された三厩体育館に到着。

この辺りにJR津軽線の終着駅である三厩駅があるハズ。「終着駅」という響き、一度、行ってみたい・・・

通りを渡ったところにファミマがあるのに、何故、ここにエイドが出来たんだろうと不思議に思った。エイドがたくさんあるのは有り難いけど。

昨年、間違えそうになってオオハシさんに教えて頂いた旧道を走って、今別町のコースへ。

昨年、閑散とした町のイメージしか無かったが、自販機でジュースを買ったら、町民の方が「ご苦労さま!ここに腰掛けて休んだら?」と声を掛けて頂いた。それで今別町が好きになった。

今別町を過ぎて、海岸線沿いの道を延々と走る。

半分の130kmを超えてくると、歩いているランナーが目立ち始めたものの、自分は前半満足に走れなかったので、ここで走って挽回。

ここからは、海岸線沿いの何もない道→集落→何も無い道→集落の繰り返しがずっと続くのは昨年の経験から覚悟していたので、新しく新設された高野崎キャンプ場のエイドを経て、順調に158.9km地点の道の駅・たいらだてに到着した(2019/7/14、18:36)。

さて、ここまでは順調に来る事が出来た。

2日目の夜に突入するここからが本当の勝負。

昨年、ここから先にたくさん歩いてしまったので、脚が固まってしまって走れなくなってしまったので、今年は走り続ける。

そして、全てのランナーがここまでの疲れと共にやってくる「眠気」という最大の敵と闘う事になる。

昨年、自分はこの先で2日目の夜になって真っ暗闇になったところで、「眠気」に負け、走りながら寝落ちするという大失態を犯し、その後は眠気のせいでグダグダの大失速となり、初めての2晩オーバーナイトの洗礼を受けた。

今年は、絶対に同じ轍は踏まないように覚悟して、ヘッデンとチカチカライトを再び装着してスタート。

延々と南下していると、あっという間に真っ暗になってきて、今年も2晩目の闘いが始まった。

昨年はご一緒していたオオウチさんとオオニシさんの道案内で、ボーっとしながらこの辺りを走っており、この先で絶対に間違っていけない右折する交差点の位置の記憶がほとんど無かったので、ここは暗闇の中で絶対に1人にはならないように、自分の少し前に先行しているランナーのチカチカライトを頼りに置いて行かれないように、そして追い抜かないようにコントロールしながら、前のランナーについて行く事にした。

なかなか右折する曲がり角が見えてこない事にイライラするものの、昨年のような眠気は全く無し。

昨年、寝落ちしたであろう曲がり角直前の辺りも今年は覚醒した状態で、無事、通過。

その先にある右折する交差点も冷静に確認する事が出来た。

結局、ずっとついて行ったランナーは、その交差点を通り過ぎてしまい、後ろから「ここを右折ですよー」と自分が声を掛けてあげる始末。

先行していたランナーもコースをよく知らなかったようだ笑

右折してからは、第2レストステーションである、ふるさと体験館まで道なりだし、ここで仮眠してゆっくりするつもりだったので、ペースを上げて真っ暗闇の中をひとりでペースを上げて疾走した。

そして、今年は眠気でボロボロになる事なく、無事、余裕を持ってふるさと体験館に到着(2019/7/14、22:21)。

昨年と異なり、眠気に打ち克つ事が出来て嬉しかった。

これも鰊御殿で1時間半も仮眠しておいたお陰だ。

 

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ここではドロップバックを受け取って、食堂で再びカレーを食べて腹ごしらえをし、眠気は無かったものの、この後の闘いのために仮眠を1時間程度して、午前0時前に再スタート。
夕方辺りの海岸線コースで天候が怪しくなって強風が吹き始め、ふるさと体験館に着く前には霧雨が降り始めたので、雨避けと寒さ対策のためにウィンドブレーカーを着用し、霧雨の中の再スタートだった。

真夜中&霧雨、という通常であれば、テンションが下がって気分が萎えるコンディションなのだが、ふるさと体験館で仮眠して十分に休んだ事で脚と体力が完全回復。

昨年はこの先の内陸部に向かうやまなみラインで、真っ暗の中で延々と続く1本道を再び眠気に襲われてフラフラになりながら、前のランナーに何とかついて走っており、眠気でボーっとしていてワケの分からない事を口走っており、途中にあるトンネルを出たところのベンチで再び眠ってしまった苦い思い出があった。

しかし、今年はしっかり覚醒しており、延々と続くやまなみラインの緩やかな登り坂をペースを上げて走り、前を行くランナーをどんどん抜いて走る事が出来た。

何だろう、この好調さは。

このペースアップもふるさと体験館でしっかり休んだおかげだ。

鰊御殿に続き、休憩する事での回復度を体験し、休憩の大切さを学ばされた。

ふるさと体験館を出て約10km、緩やかな登り坂を登り切ってトンネルを抜けたところで、下り坂へ。

昨年、眠気で大変だった場所も、今年は覚醒した状態で駆け抜け、真っ暗闇&霧雨&風景が全く変わらない山道を延々と8km走って、途中、「いつまでこの全く変わらない風景が続くんだ!」と誰もいない暗闇で叫んで駆け下りて、ようやく177kmの部のコースとの合流地点に到着。

ここから次のエイドの中泊町総合文化センター「パルナス」までの約8kmがとにかく長く感じるのは、昨年経験済み。

ここから先は177kmの部のランナーも同じコースを走っているので、177kmの部のランナーが歩いているのに、自分はそれを走って追い越す事が出来るのがとても嬉しかった。

このパルナスに向かうコースも、昨年は眠気にやられて記憶が無かったので、前を走るランナーに置いて行かれないように、前のランナーの背中のチカチカライトを追いかけながらついて行った。

そして、ようやく見覚えがのある204km地点、中泊町総合文化センター「パルナス」に到着(2019/7/15、3時55分)。長かったぁ。

昨年は夜が明けて明るかったが、今年はまだ薄暗い。

よし!昨年よりも速くて良いペースだ!!

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中に入ると、たくさんのランナーがブルーシートの上で仮眠していて、ここもさながら野戦病院のような風景だった。

昨年は自分もここであまりの眠気に1時間くらい寝てしまった。

今年は200kmも走ってきているのに、途中で十分に休憩した事もあってか、眠気は無くて絶好調なので、どうしようか迷ったものの、この先の事を考えて15分程度仮眠する事にした。

仮眠して再スタートしようとしたら、ちょうど先行していると思っていたムロヤさんが奥さんと共に入って来た。

ふるさと体験館で3時間程度も仮眠されていたとのことで、いつの間にか抜いてしまっていたらしい。

ムロヤさんと、残り60kmのお互いの健闘を誓い合って、奥さんにも龍飛岬での応援を御礼して、先にスタートさせて頂いた。

ここから先は内陸部の交通量の多い幹線道路沿いを弘前市に向かって、どんどん南下、幹線道路の一本道をただただ走る。

相変わらず、この大会らしい延々と続くコースが多くて、普通なら気分も萎えるところだが、こういう延々と続くコースは数多くのウルトラマラソンで味わってきているので、自分は大得意。

夜が明けた事で岩木山が彼方に見えるし、如何にも夏らしい青い空に青々とした水田があって、そんな非日常がとても楽しかった。

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後半になると、エイドの間隔が前半よりも短くなるのが有り難い。

パルナスから8km程しか離れていない、212kmの太宰治の斜陽館の前にある金木町観光物産館のエイドを過ぎ、再び水田の中を走る幹線道路を通って、五所川原市の市街地に入った。

この辺りになって来ると、陽も高く昇り始めて徐々に暑くなり始め、この大会らしくなってきた。

自分なりの暑さ&眠気対策のひとつとして、空のペットボトルに常にトイレなどの水道で汲んだ水を入れていて、度々、顔を洗ったり、被り水をしたりしていたが、五所川原市内で顔を上げて目をつぶって被り水をしていたら、ふらっとしてしまって歩道の溝にドボンしてしまった。

右足だけヘドロだらけになってしまったので、近くの自販に駆け寄って水を購入し、洗浄したものの全てはヘドロを除けず。

この後、ゴールまでヘドロの臭い匂いとお付き合いする事になってしまった。

踏み外した時の外傷は軽度で走れなくなる程では無くて良かったが、ここまでの好調さに調子に乗っていた自分を反省。

そして、眠気は大丈夫と思っていたものの、夜明け後の暖かくなってきた頃が一番危険である事を思い出し、ここで気を引き締めた。

五所川原市内を過ぎると、最後の難関、延々と続くバイパス沿いのコース。

多くのランナーが最終日の日中にここを走るのだが、陽を遮るものが何も無いので、昨年はここの灼熱地獄に大いに苦しめられた。

今年はここまで好調なので、少しでも陽に当たる時間を短くするために歩かず、走っていく事にした。

多くの歩いているランナーを抜いて、バイパスの途中にある231km地点の道の駅「つるた」のエイドに到着。

ここを過ぎた後もしばらくバイパス沿いの一直線コースが続くので、引き続き、ペースは遅いながらも走って先に進み、242km地点のスポーツプラザ藤崎に到着(2019/7/15、10:49)。

ここのりんごジュースは本当に美味しかった!

猛暑の中に延々と続くバイパスコースという難関を超えて、残り20kmでゴール!

・・・と意気揚々とスタートしたところ、突然、経験した事が無いような左胸の左季骨部(肋骨)痛が現れた。

今まで経験した事がある胃の痛みのような内臓の痛みではなく、明らかな左胸の肋骨付近の痛み。

走っていても痛いので、胸を押さえながら走るものの、一向に良くならず、残り20kmで一気にペースダウンを強いられてしまった。

序盤に脚は攣るわ、さっきはドブに落ちるわ、最後の最後で肋骨を痛めるわ、とトラブル続きに思ったが、「そりゃ200km以上も走れば、どこかを痛めるのは已む無しだ」と苦笑いしながら、「残り20kmならガマンできる!」と走り続けた。

今年は黒石市のエイドの場所が昨年から変わったので、途中で追いついたワカバヤシさんに声を掛けて一緒に走らせて頂いた。

さすが、自分よりも経験豊富なワカバヤシさんは、走行距離は250kmを超えているのに良いペースで走っておられて、自分は肋骨痛もあってついていくのがやっとだった。感心。

そして、242km地点の黒石駅前多目的広場のエイドに到着。

黒石駅は寂れた駅だなぁ」と思ったら、これは裏口だった。

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エイドでは、黒石市名物のつゆ焼きそばに、りんごアイスを食べさせていただいた。

昨年は制限時間が気になって、味を楽しんでいる余裕は無かったものの、今年はかなり時間的に余裕があるので、気持ちにも余裕があって本当に美味しかった。

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観光地でもある黒石市の古い街並みを歩きながら見て、ゴールに向けて最後のラン。

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 左胸の痛みを堪えながら、ワカバヤシさんについて行き、ゴールを目指す。

最後の最後になって交通量の多いのに、歩道が無くて白線のみというコースが多くなるので、本当に危ない。

我々は疲れていてもその辺りの判断力などはあるので大丈夫だが、ランナーによっては眠気と疲れでフラフラになっている方もおられるので、事故が起きないか、心配なコースだった。

炎天下の中、かなりゆっくりなペースで走って5.5km先の257.5kmの田舎館役場前の最後のエイドに到着。

「やっとここまで着いた!」とホッとひと息。

ここに来たら楽しみにしていたのが、田舎館村名物の田んぼアート

5年前の2014年10月に同じ弘前市で開催された「弘前・白神アップルマラソン」で来た時に、レンタカーを借りてここに見に来たのが懐かしい。

昨年は、制限時間ギリギリ且つ全く余裕が無かったので見られなかったが、今年は余裕があるので、レースを離れて田んぼアートを観光客に紛れてワカバヤシさんと見に行った。

300円払って展望台へ上がると、そこにはおしんの田んアートが。
今の朝ドラ「なつぞら」にも出演している小林綾子さんが主人公の「おしん」。

奉公に出るためにいかだで最上川を下る「おしん」と泉ピン子伊東四朗の両親との涙の別れの名シーンだ。

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残り6km。

何とか走る事が出来るものの、左胸が痛過ぎてペースはガタ落ちだった。

なので、残す数キロになったところで、ワカバヤシさんには先に行って頂いて、最後のゴールまでのウイニングロードはひとりでゆっくり走って堪能する事にした。

弘前市街地に入って賑やかになってきて、ゴールのさくら野百貨店が見えてきた。

そして、百貨店前でたくさんのスタッフの方々に迎えられて、2回目の263km、無事ゴール(2019/7/15、14:51)!

龍飛崎でDNFされたオオハシさんがハイタッチで迎えてくれ、スタッフとしてクドウさんがゴールテープを持って迎えてくれて、本当に嬉しかった。

完走タイムは、なんと45時間51分59秒

何と、昨年の50時間23分から約4時間30分の更新という望外な結果!!!!

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48時間内完走を目指してた中でのこの結果に自分でも驚き。

序盤の40kmで右足を吊るというトラブルで満足に走れなくなってしまい、痛みを庇って到着した92kmの鰊御殿でDNFを決意していたものの、ストレッチしたり寝たりして約2時間も休んだら痛みが引いて、そこからは右足ふくろはぎに痛みが無くなって、残り170kmを絶好調に走り続ける事が出来、序盤走れなかった分を取り戻して挽回する事が出来た。
一番、心配していた「眠気」も、178kmのふるさと体験館で1時間寝たら、残りの85kmも全く眠気無く走れ、昨年あれだけ苦しんだ眠気はどこへやらだった。

これまでのマラソン人生の中での最大のトラブルが発生して、一時はDNFを考えたのに、諦めないで本当に良かった。

そこからの復活劇も超ウルトラマラソンという長旅ならではのドラマ。

天気予報が外れて晴天になったものの、暑さは程々で走りやすく、津軽半島の海岸線、眺瞰台、龍飛崎、内陸部の岩木山に青々とした水田など初夏のみちのくの絶景を見ながらの大人の遠足は本当に楽しかった。

道中、一緒に楽しく走らせて頂いた皆さんやお世話になった大会スタッフの方々にも感謝!
この大会は同じ風景の道を延々と走らせるコースがとにかく多くてメンタルが鍛えられ、道中、右足を攣って、ドブにはまって、左胸の肋骨を痛めて、2日間、炎天下にいて日焼けがヒドイく、完走後は全身ボロボロになって、道中、「来年は勘弁!3回目は無い!!」と思っていたのに、今では来年も走りたくなるのは何故だろう…

そして、左胸の肋骨の痛みさえ無ければ、まだまだ走れたから、秋の橘湾岸スーパーマラニック320kmに向けて大きな自信も出来た。

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※その後、左胸の肋骨の痛みが完走後も続くので、会社終わりに整形外科を受診した結果、長時間腕を振り過ぎ&道中、炭酸飲料を飲んだ後に行う、口に指を突っ込んでの強制ゲップの繰り返しによる疲労骨折ではないか、とのこと。

レントゲンに明確に骨折が映っているワケではないので、軽度ではあるものの、しばらくランは程々にして安静にすることにした。

やはり、263km走った代償は大きかった。

しかし、その後、整体などで診てもらった結果、肋骨間の軟骨を痛めた筋肉痛だったようで、1週間もしたら症状が軽くなって、ランニングを再開できた。

大事になってランニングできなくならなくて、本当に良かった。

次のレースは8月末で、1カ月以上先なので、ランは程々に回復しよう。

 

※超ウルトラマラソン攻略のためには以下が重要である事を再認識した。

1、ダラダラ歩き続けるのは厳禁!

歩くと、足底の接地面が大きくて逆に疲れるし、脚が固まってしまって二度と走れなくなる。

後半、歩きが入るのは仕方が無いが、歩くのなら時間は決めて、ペースが遅くても走り続ける事が大切。

2、先を急ぎたい気持ちは分かるが、長丁場の闘いなので、休む時はしっかり休む。

今回、しっかり休息して仮眠を取った事で脚の吊りも治ったし、脚の疲れも消えて気分一新、走り始める事が出来た。

休憩と仮眠は大切。

長いレースなので、少しくらいの休憩はすぐに後から挽回できる!

3、序盤は後方でどれだけ他のランナーが先に行ってもそれを見過ごしてペースを落としてゆっくり走り、終盤、先に行ったランナーが疲れてダラダラ歩いているところをどんどん抜いていくのは最高の気分で、それが好調の波に繋がる。

今回も92kmの鰊御殿を再スタートした際は、かなり後方に位置していたが、そこから残りの170kmを走り続けて先行していたランナーをどんどん抜いて、それがモチベーションに繋がった。

ウルトラマラソンでは、ペースが速いランナーではなく、スタートからゴールまでずっと走り続けられるランナーが最後に勝つ!