長崎橘湾岸スーパーマラニック2019ハイパー部門320km:眠気地獄の後半、55時間かけて320km完走!
2019年11月2日~3日、長崎橘湾岸スーパーマラニックH部門320kmの後半戦、島原半島ステージP部門103km。
2年に1回、昨年11月に走ったP部門103kmと今年G.W.に走ったE部門217kmを同時に走るというド変態部門の後半。
無事、前半の野母崎・諫早ステージ217kmを2019年11月1日9時にスタートして約32時間で走破し、2019年11月2日のの18時前に小浜温泉の南本町公民館に到着した。
その後、一斉リスタートの20時迄の約2時間、ゆっくり休んでいられるヒマは無く、速攻で公民館で出される食事を食べて後半の準備をして、約1時間仮眠。
・・・といっても、たくさんのランナーが入り乱れている公民館内では満足に寝られず。
そして、2019年11月2日の20時に、後半の島原半島・雲仙ステージ103kmがいよいよスタート(2019/11/2、20:00)!
公民館の前にはたくさんの我々H部門と合計273km走るW部門ランナーやその関係者、この後にスタートするP部門103kmの出場ランナー達が集結していて、みんな疲れているから異様なテンションで、変態ランナーのるつぼのような雰囲気だった。
自分も含めて、みんなよくやるわ、と感心。
ゾロゾロとリスタートして走ってみると、217km完走した後の重い足でありながら意外と走る事ができる自分に驚きながら、ゆっくりだけど前に進んだ。
しかし、そのうち延々と続く単調な海岸線沿いのフラットなコースを真っ暗な中にヘッデンの光を頼りに前に進んでいると、走りながらボーっとしてきた。
ゆっくり走りながら、リスタートから13.9km地点の津波見エイド230.9kmに到着(2019/11/2、22:02)。
この辺りから眠気がヤバくなってきた。
真っ暗で何にも無い平坦路なので、走っていれば意識は保てて大丈夫であるものの、かなり辛くなってきた。
走る→脚が痛い→歩く→眠くなる→走る→…の繰り返しだった。
リスタートから21.4km地点の口之津エイド238.3kmに到着した頃には眠気でペースが落ちてしまってヤバかったので、時間は十分あるし、ここで仮眠を決断(2019/11/2、23:17)。
ペースが落ちると、眠気だけではなく、汗冷えで寒くなってきたので、温かいココアで身体を温めて、エイドのスタッフの方にエマージェンシーシートをお借りして、公衆トイレの前のベンチで包まって15分程度仮眠。速攻で眠れた。
眠気が解消されて再スタート。ペースも戻って来て、真っ暗の中を先に進んで、原城址へ。
完全に単独走だったので、ひっそりと静まり返った原城址の城下町とその先の原城址のチェックポイントに行くまでのコースをド深夜に走っている時はかなり心細かった。ここは長崎県屈指の心霊スポットだそうなので、なおさらだった。
原城址のチェックポイントでパンチをして、坂道を下って原城エイド248.1kmに到着(2019/11/3、1:37)。
ここでもイマイチ眠気が解消できていなかったので、再びエマージェンシーシートをエイドの方にお借りして10分程度仮眠。
ホント世話の焼ける迷惑なランナーだが、背に腹は変えられない。
このエイドで昨年秋食べた中華粥が美味しかったので、今回も堪能して再スタート。
2回仮眠した事で再びペースを戻せたものの、次の堂崎エイド258.1kmには2時間後に到着(2019/11/3、3:43)。10km走るのに2時間かかっていた。
眠気は大丈夫だったので、エイドにおられたラン友の方々と話をしながら再スタート。誰かと話すのが眠気解消のためのひとつの策だったかも。
お話したラン友から島原城に午前7時迄に到着すれば安全圏内とのことを聞いたので、まずはそこを目指すことに決めて、再スタート。
エイドを出発した後、前を走るランナー達について走っていたものの、再び眠気が訪れてきたので、柳原のバス停で再び10分仮眠。
完全に置いて行かれてしまったが、この3回の仮眠で完全に眠気が解消されたように感じた。
そのため、ここまで眠気でペースが落ちて満足に走れなかった分を取り戻すかのようにペースアップして気持ち良く走れて、前を行くランナーに追いついた。
道の駅ふかえ本陣268.1kmのエイドを快調に越えた(2019/11/3、5:56)。
このあたりから夜が明けて明るくなり始め、バス停での仮眠で完全に目が覚めた事もあって、再び快調に走る事が出来た。
途中、春のE部門217kmの最後にお世話になったコガさんと合流して一緒に走り、次の島原城に午前7時迄に到着するために、必死に走って前へ進んだ。
そして、島原城のエイド274.6kmに滑り込みで午前7時に到着(2019/11/3、7:00)!ほっとひと安心!!
そして、いつの間にやら、みちのく津軽ジャーニーランで完走していた、人生最長距離の263kmをいつの間にやら超えていたが、感動している余裕は無かった。
「3日目の朝になって明るくなり、完全に覚醒したから、ここまで来る事が出来ればもう大丈夫だろう。」と安心したのだが、ここからが本当の地獄だった。
何が地獄か、というと、疲れでも、脚の痛みでもない、眠気地獄。
島原城へ到達するまでに、眠気に襲われ、エイドで2回、バス停で1回、仮眠したので、眠気は解消できたと思っていたのだが、大きな勘違いだった。
この後の島原半島ステージ103kmの最大の難関である平成新山と雲仙温泉に向かう長い長い登りは、本当に地獄だった。
270kmを超えて走って来ると、さすがに登り坂を走る事は出来ずに歩かざるを得ない状況になってくると、途端に眠くなってしまった。
登っているうちにフラフラになってしまって極限状態だった。
ギリギリの精神状態で、自分は一体何をしているのかが分からなくなったり、訳の分からない独り言を発したり、本当にヤバかった。
登りのスピードが激減し、どんどん後続のP部門のランナーに抜かされて、W部門のウサミさんなどにも心配される始末。
あまりの眠気でフラフラで耐えられなかったので、平成新山に向かう登り坂の途中の千本木湧水の無人エイド279.6kmで、全然喉は乾いていないのに立ち寄って、コースから外れた木陰で再び10分程度仮眠。
この仮眠により一時的に眠気が解消したので、遅れを取り戻そうと、攻めの歩きで残りの登り坂を登り切り、少し下って平成新山の展望園地のエイド282.9kmにようやく到着(2019/11/3、9:19)。
登り坂の激しい眠気でパフォーマンスがガタ落ちで、たった8km程に2時間半近く使ってしまった。本当に大変だった。
平成新山のエイドからの下りの景色を楽しむ余裕無く、走って駆け下りた。
280kmを超えて走った脚でも走って下る事が出来る自分が嬉しく、走っている間は眠気も無く、快調に走られた。
下った後、水無川大橋の無人エイドを越えて、次の深江運動場のエイド291.1kmに到着するまでは、日中になって日差しが強くなり、暑い中のランで辛かった(2019/11/3、10:32)。
エイドの方々からここまでやって来た事を労ってもらった。
さて、ここから2つ目の難関である雲仙温泉に向かう長い登り坂だ!
・・・と、勢いよくエイドを出て、いきなりの登り坂を歩いて登り始めた途端、再び眠気が襲ってきて、あっという間にフラフラになってペースダウン・・・
平成新山の登りと同じような状況になって来たので、本格的な登り坂が始まる手前でコースを外れ、民家の横で倒れ込んで再び10分程、仮眠。
仮眠して再び覚醒したので、登り坂を攻めの歩きで登り始めると、歩道が無い登り坂に入ったばかりのところで、残念ながら前半でDNFになってしまった同じH部門のマツオさんやナカスガさん、フジオカさんなどが車で応援に来て下さっていて、思わずお菓子をサワーをご馳走になった。
同じH部門のランナーのエールを得て、再び攻めの歩きで登って、登り坂の途中の俵石展望所エイド296.7kmに到着(2019/11/3、12:00)。
ここのエイドには春にもお世話になった大会スタッフとして活躍されているサカモトさんと再会できて嬉しかった。
エイドで名物のぜんざいを戴いて再出発するも、このエイドに到着する直前で再びやって来た眠気にまた襲われてしまった。
歩道が無い交通量が多い坂道でフラフラになるのは危険過ぎるので、登り坂の路肩にあったベンチに腰掛けて再び5分程仮眠。
300kmも走って来ると、眠気にやられて正常な精神状態では無くなり、こんな状態になるのか、心底驚いた。坂道で歩き始めると途端に眠くなる極限状態の自分に驚いた。
眠気で大幅なペースダウンを強いられながらも、無事、登り坂のピークの仁田峠に到着。
ここからは下り基調なので走れるし、眠気は無くなるだろうから、ほっとひと安心。
下り坂を走って下りて、やっと観光客で賑わう雲仙温泉に到着。
やっとここに着いた~、と雲仙地獄の遊歩道に向かっていると、後ろからヒラタさんとコヤマさんが走って来られた。
ここまで眠気によるペースダウンでたくさんのランナーに抜かれていたので、まだ後ろにH部門のランナーがいてくれて安心した。
ここからはほぼお二人と一緒、もしくはついていくことで先に進んだ。
300km以上走って眠気で正常な精神状態を保てなくなりつつあって余裕が無かったので、雲仙地獄に再びやって来た事への感動を感じられている余裕は無かった。
雲仙地獄の大叫喚地獄のチェックポイントを通過して、雲仙温泉のエイド304kmに到着(2019/11/3、13:51)。
しっかり腹ごしらえして、短いトレイルのコースを経て、長い長い下り坂。
ここは太ももがパンパンであるものの、しっかり走る事が出来たので、登り坂であれだけ苦しんだ眠気は皆無だった。
途中、塔の坂のエイド309kmを経由して(2019/11/3、15:02)、急な下り坂を最後の力を振り絞って最後のエイドである小浜木場エイド313kmに遂に到着(2019/11/3、15:39)。
ここに制限時間内に到着すれば完走扱いなので、この後の7kmはまさにウイニングロード!
同じペースだったヒラタさんとコヤマさんと一緒に走りながら、長い下りが終わって小浜の街に降り立った。
大会スタッフのサカモトさんが「おめでとうございます!」と出迎えてくれた。
小浜の街を走るのも3回目。長った320kmの旅もようやく終了と思うと嬉しかった。
そして、道行くランナーなどから「お疲れさま!」の声を戴きながら、ヒラタさんやコヤマさん、カワウチさんなどと共に南本町公民館320kmに戻って来て、無事、ゴール!(2019/11/3、16:50)
W部門273kmを完走していない輩が無謀な挑戦をしたものの、約55時間50分かけて、人生最長の320kmを無事走破できた。
しかし、320kmを完走出来た喜びと感動は後日込み上げてきたものの、ゴールした直後は寝不足で理性がおかしくて、早く寝たい睡眠欲しかなく、感動があまりなかった。
完走後、道中、ご一緒したラン友の方々とお互いの健闘を讃え合って、宿泊予定の雲仙荘へ。
打ち上げに出席したものの、眠気と320km走った後の胃の調子が良くなくて余裕が無かったので、早々にお暇して部屋で泥のように爆睡だった。
320kmの長い旅を振り返ってみると、前半の野母崎・諫早ステージ217kmはかなり順調に走破出来たものの、後半の島原半島ステージ103kmが思わぬ地獄だった。
200km以上走っても脚は生きていてまだまだ走れるのに、平成新山と雲仙温泉の長い登りで歩かざるを得ない状況になると、即眠くなってフラフラになってパフォーマンスガタ落ちで大幅なペースダウンをしてしまった。
後半にこの眠気をコントロールできなくてパフォーマンスがガタ落ちになるのが今後の課題だ。
何度も仮眠して寝不足で理性がおかしくなってヤバい状態になりながらも、何とかゴール出来て良かった。
それもこれも、長い道中、声を掛け合った同志の方々やスタッフの方々のお陰なので、感謝しきり。
こんな極限状態を味わえた刺激的でクレイジーで楽しい3日間だった。
この大会でお馴染みのパンチ方式のチェックシート。
320kmの全てのチェックポイントで押して、無事、コンプリート出来て嬉しかった。
よく頑張った!
速報版の完走者リスト。
54名中、完走者26名の完走率48.2%の厳しい状況の中に、11番目のド変態(良い意味で)になることができた!
結局、遅くスタートした13時・11時スタートの方がベスト3を占めて、その後に我々9時スタート組が並ぶ。上位の方々の走力が恐ろしい。
しかし、今回の320kmを完走出来た実績は、今後の自分の人生での自信になるなぁ。
後日発送して頂いた完走証。これで「ハイパー金龍」の称号を頂戴出来た。
今回が初開催なので、全国でこの称号を持っているランナーは26名だけ。
ついでに、ハイパー金龍のバッジもゲット!
これは他大会でつけていたら、アピールになるなぁ。