高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 ひとつの妄想

これはあくまでひとつの妄想の話である。
日曜日の昼下がり、家族やカップルで賑わうデパ地下。
そこにひとり、ある男がいた。
何故、人目も憚らず、男がひとりでそんな場所にいるのか?
それは、ある女性のためにGODIVAで誕生日プレゼントを買うためだ。
近々その女性を交えて飲み会があるので、その際にプレゼントを渡そうとその男は思っている。
その女性はチョコレートが毎日食べるくらい好きだというのは、友達から調査済みだ。
GODIVAのチョコレートなんて自分ではなかなか買わないので、きっと喜んでくれることだろう。

そして、その男は、チョコレートを彼女に渡した際に、あることばを添えようとしている。
彼女は彼女の誕生日とその男の誕生日が1日違いであることを知っているので、プレゼントを渡されておそらくこう言うだろう。

ありがとうございます。でも、私、あなたへのプレゼントを買ってません。すいません!

しかし、その男はこう言い返すのだ。

いえ、あなたの存在自体が僕の『プレゼント』なんで、プレゼントなんて要りません。

どうだろう。
いくら好きだからと言って彼氏がいる人に言うことばではないかもしれない。
しかし、ひとつだけ変わりない事実がある。
それは、彼女の周りにこんなことばを言ってくれる人はいないであろうということである。
これは彼女にとってきっとインパクト大であろう。
もしかしたら、その男のことを見る目が少し変わるかもしれない。
たとえ今回で結果が実らなくとも、その男にとって、こういったことを誰かに言えたという勇気が次回に生かせることだろう。
その男は来たる飲み会で、必ずこのことばを言ってやろう!と誓った。
果たしてどうなることか。
これはある妄想癖の強い男の独り言である。