高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 世界遺産・熊野古道を駆ける!2日目後半・やってきたクライマーズ・ハイ!

9月16日日曜日、十津川村の国道425号沿いの舗装道路をしばらく走ってきて、いよいよ最後の難関となる果無(はてなし)峠越え。
「果てが無い」を連想される憎たらしい名前のこの峠に、登る前からビビリまくり。

まずは、国道から外れて、柳本橋という吊り橋を渡る。
立て看板には、「危険 一度に5人以上、渡橋しないで下さい」の文字。
前と後ろにランナーがいないことを確認して渡ると、確かに凄い揺れて楽しかった。
5人以上渡るとどうなるのかなぁとちと疑問。こういった体験も刺激的で面白い。



吊り橋を越えると、いよいよ果無峠の登山口だ。
これまでの峠の登り道のことを思うと先が思いやられるなぁ。
この写真の黄色のTシャツのおじさん、この大会の参加者ではなくて観光目的なのだが、登山が趣味とのことで、一緒のタイミングで登り始めたものの、あっという間に置いていかれた。
さすがにその道の人には負ける。この体格ながら凄いのひと言。

最初からかなり急峻な石畳道で疲弊しながら登る。
途中、視界が開けて十津川村が一望できた。
こういう素晴らしい絶景は心が癒され、ほっとひと息できる。


ここから少し登ると、にほんの里100選にも選ばれている果無集落に到着した。
よくまぁこんな山の上に住むなぁと感心。
民家の中を通って、おばあちゃんに挨拶をして貴重な飲み水をいただいて先を急ぐ。





そして、この大会のコース写真で何度か見ていた、世界遺産登録を記念して建てられた石碑が見えてきた。
世界遺産 熊野参詣道小辺路」の文字。
「自分は昨日から世界遺産の道を走っているんだ!」と実感。本当に幸せなことだ。


果無集落を越えたところが第2チェックポイントだった。
この頃はちょうど12時頃で既に朝7時のスタートから5時間も経過している。
さて、いよいよ本格的な峠越えだ。あとちょっと頑張るとするか。
ここから果無峠を登り終える迄、三十三観音像というお地蔵様が山道沿いで見守ってくれる。
コース上、最初に遭遇したのは30番目のお地蔵様。これが1番目のお地蔵様になる頃がこの峠の終わりだ。ゴールが分かりやすくて素晴らしい。

ここからは完全なひとり旅になった。前にも後ろにも誰もいない山道をひとりで進む。
ここで大嫌いな登りと思いきや、以下を実践してみたら、いつまででも登っていられると思えるような気持ちの良いハイテンションな状態に陥った。俗に言うクライマーズ・ハイだ。

  • 自分のペースで登ることができた。呼吸方法を安定させて、心拍数も上げない程度のスピードで。これまでは集団で登っていたので、どうしても他者のペースに合わせてしまって、ペースを乱されてしまっていたから辛かった。
  • ペットボトルを片手に登ることで、ちょっとずつ水分を補給しながら登ることができた。やっぱり十分な水分は重要。ハイドレーションを買おうかな。
  • 山道にある石や木の出っ張りを足の裏の土踏まずに当てて体重をかけることで、足のマッサージになって気持ち良い。
  • 下りは安心して木を掴むことができるグローブ必須。下りは足に大きな負担がかかるので、木を掴みながら足を使わないで下りのスピードを調整しながら降りていく。

このクライマーズ・ハイのおかげで、今までの登り道での有り様が嘘のように、一度も立ち止まることなく、一定のペースでどんどん登ることができ、平坦な道では走ることもできた。
そして、ここでかつての自分のように登り道で苦しんでいる他参加者を抜くこともできた。
それにより、自分は別に登りが苦手ってワケじゃないことを知ることができて、更にテンションが上がって登りのペースを勢いづけた。
山道沿いにあるお地蔵様に挨拶をしたり、頭を撫でたりしながら通り過ぎ、25番目と20番目のお地蔵様も難なく通過。


かなり急峻な登り階段もあったが、今の自分には全く気にならない。
だいぶ上までやって来た。見事な眺望を見て「ふぅ」とひと息だけついて、すぐに頂上を目指して歩き出す。

山道のど真ん中にいる大きなカエル(ウシガエル?)に2回も遭遇した。
朝の雨で目覚めたカエルもどうやら応援してくれているようだ。
凄い可愛かったので、頭を撫でてやった。お兄さん、頑張るよ!

そうしているうちに、カエルの応援もあってか、あっという間に難なく果無峠の頂上1114mに到着。
クライマーズ・ハイもあってか、今までの峠の中で一番ラクだった。昨日の登りの辛さがウソみたい。俺、登りも大丈夫なんだなぁと思うと、凄い嬉しかった。

さて、ここから得意の下りだ。急な下り坂をこれまでに無いペースで一気に駆け下りる。
聴いていた音楽を鼻歌混じりに唄いながら、とても楽しい下りだった。
いやぁ、ひとり旅はかなり楽しい。

10番目のお地蔵様。あと、9体でこの山も終わり!

徐々にだけど、下界が近づいてきた。あとちょっと。

ここからはいよいよ下界までのカウントダウン!




5、4、3、2で最後の1体は登山口にあって、果無峠越え完遂!
いやぁ、楽しい登山だった!!

登山口には、最後の第3チェックポイントがあった。

あとはここから舗装道路を約4.6km走って、いよいよゴールの熊野本宮大社だ!
これまであれだけ大変なオフロードを走ってきたんだから、舗装道路を走ることなんて余裕余裕。