高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 呉とびしまマラソン:雨の中、瀬戸内海の多島美を楽しみながら完走!

2月22日日曜日、呉とびしまマラソン当日。
案の定、広島は朝から雨。
土曜日の夕方から降り出した雨は、結局止む事はなく、久し振りの雨のフルマラソンになりそうだ。
ここのところ、天気が良い絶好のマラソン日和の中での大会が多かったが、たまには雨の中のランも良い。
どしゃ降りではないので、もうすぐ止みそうだし、走りやすそうだ。
ただ、今日は瀬戸内海の多島美を見ながらのランが楽しみだったので、晴れていて欲しかった・・・
広島駅前を朝6時に出る専用バスで、昨日ドライブした安芸灘とびしま街道が通る島のひとつである上蒲刈島の県民の浜へ。
そこまで行くためには、安芸灘とびしま街道が唯一の道である上に、安芸灘大橋にETCが導入されていないために、ランナーやその関係者達の車で大渋滞で、結局、スタート地点に着いたの8時30分頃で、2時間以上もかかってしまった。
この大会、コースは魅力的だけど、その分、交通の便が悪いのがたまにキズだ。
雨が止んだり降ったりする微妙な天気の中、開会式。
エディオンの実業団ランナーの渡邉裕子選手がゲストランナー。1月25日の大阪国際女子マラソンで4位入賞された凄いランナーだ。こんな天気の悪い日にここまで来るなんて大変だ。

スタート時間の9時前になり、スタート直前から降り始めた雨の中、凍えながらじっとスタートを待つ。
しかし、9時になっても、待てども待てどもスタートしない。
周りのランナーもざわつき始めた頃、どうやら大渋滞で遅刻したランナーが多かった事を大会側が配慮して、スタートを20分遅れにしたそうだ。
数多くマラソンに出場してきたが、スタート時間が遅れるなんて初めてだ。
とにかく雨に濡れて寒いので、早く走り始めて身体を温めたい!

凍えながら待つこと15分、ようやく恋ヶ浜海水浴場を右手にしたスタートゲートの直前まで移動。
瀬戸内海を見ながらのスタート、なかなか素晴らしい。

9時20分、呉とびしまマラソン、20分遅れのスタート!
2,000人規模の大会なので、自分くらいの遅いランナーでも、スタートの号砲から1分もしないうちにスタートゲートをくぐる事が出来た。
同日開催の東京マラソンはえらい違いだ。あちらは、3万人を超える規模なので、9時にスタートしても、後ろの方にいたら、なかなかスタートゲートをくぐる事は出来ない。

最初は、明らかに距離調整と思われる短い登り坂を登って、すぐに折り返し。

折り返した後は、恋ヶ浜海水浴場を眺めながら下る。

その後は、大浦トンネル内を走って、最初の島「上蒲刈島」を一時お別れ。次にこの島に戻ってくる時は、ゴール直前だ。トンネル内を走るなんて、こういう機会が無いとまずできない。レア経験だ。トンネル内では、GPSウォッチのGPSがロストしてしまってペースが分からなくなってしまうのがイヤだけど。


大浦トンネルを抜けると、最初の橋「豊島大橋」だ。


さて、楽しみにしていた、橋の上からの瀬戸内海の眺めは・・・!
うーん、残念。雨がぱらつく天気でガスっていて、せっかくの景色が台無しだ。
今日は、せっかく瀬戸内海の多島美を楽しみながら走る事が出来ると思ったのだが、今日はそれが難しそうだ。
昨日はもうちょっと良い景色を見渡す事が出来たので、本当に昨日来ておいて良かった。

豊島大橋を渡って2つ目の島「豊島」に来た後、橋から下り坂を下って、今度は豊島の海岸線道路を走って、豊島大橋をくぐる。


豊島の海岸線道路を瀬戸内海を右手に見ながら走る。海を見ながら走る事ができるなんて素晴らしいコースだ。

そして、2つめの橋「豊浜大橋」を渡って、3つめの島「大崎下島」へ。

大崎下島内の豊町の集落に住まれている方々が、こんな雨の中にも関わらず、我々ランナーを笑顔で応援。
笑顔を見ると、どれだけ疲れて辛くても笑顔になる事ができ、一瞬だけでも疲れ・辛さを忘れさせてくれる。

大崎下島から隣りの島「平羅島」「中ノ島」「岡村島」に行くための平羅大橋が見えてきた。
この大会のコースは、平羅大橋は渡らずスルー。

昨日も来た大崎下島の端っこにある御手洗の町に近づいてきた。
エンドステーションには、大崎下島の豊町特産の大長(おおちょう)レモンが。
エイドでは何も食べないようにしているのだが、中間地点に来て刺激が欲しかったので、レモンの酸っぱさで目を覚ます。酸っぱくて美味しい!元気が出た!


昨日も来た御手洗の街は、この大会のコースの中間地点。
昨日、散策したレトロな町並みと港の灯篭が見えた。
写真を撮り忘れてしまったが、中間地点のタイムを見ると、何と1時間55分台!
昨年2月9日開催の北九州マラソンで出したサブ4を、もう一度、1年振りに出すために、序盤から5分30秒/kmのペースを維持して走ってきたので、かなり良いタイム。
後半もこのペースを維持できれば、3時間50分での完走も夢ではない。ただそんなに上手くいくかな・・・


御手洗の町は、コースの中で一番応援が盛大だった。
見知らぬ県外の人間に対して、こうして目を見て応援をしてくれる。
同日開催の東京マラソンは、全コースの沿道にたくさんの人がいて応援も盛大であり、それはそれでとても嬉しいのだが、それは自分だけではなくそこにいるランナー全員に対しての応援だ。
ここの応援はたまにしかなくて盛大とはお世辞にも言えないけれど、沿道のおじいちゃんおばあちゃんが我々ランナーひとりひとりの目を見て、自分だけに応援してくれる。こっちの応援はこっちで素晴らしい。



中間地点を越えて、後はスタート地点に戻るだけ。
変わり映えのない瀬戸内海の景色を見ながら、延々と続く大崎下島の海岸線の道路を走る。
30kmを越えたところで隣りの豊島に行くための豊浜大橋が彼方に見えてきた。


ここら辺で出会ったインパクトがあるコスプレランナー、「しまなみ海道100kmウルトラ遠足」に出た時にも見掛けた覚えがあるなぁ。

そして、再び豊浜大橋を渡る。

豊浜大橋を渡り終えた後、豊島の集落の中を走る。
ここでもまた、島のおじいちゃんおばあちゃんが元気に応援してくれた。
ただ、30kmを越えて、この島に戻ってきた途端、足が痛いワケではないのだが、疲れから下半身にだるさがやって来た。
それにより、下半身に力が入らなくて、徐々に5分30秒/kmのペースが維持できなくなってしまって、前半のように応援に元気に応える事ができない。
「やはり、まだ自分には、30km以降もこのペースを続けるだけの走力は無いんだなぁ」と思い知らされ、ちょっとがっかり。
でも、サブ4で完走するのであれば、前半の貯金がまだあるので、ちょっとくらいペースが落ちても大丈夫。
ちょっとだけ立ち止まって、屈伸などをしながら両脚の張りをほぐして、先へ進む。諦めちゃダメだ、走り続けなくては。


そして、37km手前に最大の難関が待っていた。
豊島と上蒲刈島を結ぶ豊島大橋を渡るための長い長いドS坂。
「終盤に来てこの坂かぁ・・・」と笑えてきた。
登り坂なので歩きたい気持ちを抑えて、ゆっくりでもいいから走って登る。フルマラソンで歩いてなんかいられない。
呉とびしまマラソンのコースは、島内の海岸線道路はフラットでかなり走りやすいが、島を繋ぐ橋を渡る際の登り坂が相当大変だ。その中でも、この豊島大橋の登り坂の長さはダラダラと長くてかなり辛かった。


坂道を苦しい顔をして走って登っている時、島のレモン農家の方が大長レモンを丸々1個、自分に渡してくれた。
切れてもいないのに、走りながらどうやって食べるの?と思ったが、頑張っているランナーを何かの形で応援したいという心配りだけで十分。この後、ゴールまでこのレモンを握り締めて走った。

よし、歩かずに走って登り坂を登り切った!あぁ辛かった・・・

あとは、フラットな豊島大橋の上を走って、下り基調のコースを走ってゴールだ。
登り坂でかなりペースが落ちてしまって、前半の貯金をかなり使ってしまったので、これは急がないとサブ4が危ない!

大浦トンネルの中も下りなので走りやすい。

トンネルを超えると、下り坂の途中で残り2km。
サブ4がかかっているので、猛ダッシュで下り坂を駆け下りる。

スタート地点であった恋ヶ浜海水浴場の前で残り1km。

良かったぁ。ゴール地点の県民の浜に戻ってくる事が出来た!


そして、タイムはギリギリ4時間以内の3時間58分33秒。目標にしていた2回目のサブ4達成だ!!
昨年2月の北九州マラソンでの自己ベスト「3時間57分」には少しだけ及ばず、自己ベスト更新には至らなかったが、1年振りにサブ4を達成できて嬉しかった。

雨が降ったのは前半だけだったので、寒さは感じなかったが、走り終わった途端、寒さを感じ始めたので、大会側が用意してくれた潮汁を戴く。温かくて美味しい。

そして、呉とびしまマラソンの参加賞は、他の大会のように、Tシャツもタオルも完走メダルもなく地元特産品だけだったので、物足りなさを感じていたが、フェイスタオルを手に取った時、その肌触りで分かった。
これは、愛媛県今治市今治タオルだ!
安芸灘とびしま海道の終盤は愛媛県今治市でもあるので、用意してくれたようだ。
ただのタオルと違って肌触りが違うので、すぐに分かる。


完走後、ひと休みした後はまたバスで広島駅まで帰る。
ただ、送迎バスが時間通りに来ず、来た後も大渋滞で広島駅に着いたのは17時頃。やはり、交通が不便だなぁ。
結局、広島に来て食べた名物はお好み焼きくらいだったので、駅弁の牡蠣メシを買って新幹線で帰阪。いつか宮島で牡蠣を食べまくりたいものだ。

今回は、滅多に行けない「安芸灘とびしま海道」を、昨日は車で、そして今日は自分の足で堪能する事が出来て良かった。天気が良ければもっと良かったのだが・・・
それに、コンディションが悪い中、アップダウンがあるコースでサブ4が達成できたので、フラットなコースならもっと速くゴールできそうだ。
来月3月15日の横浜マラソンでは、3回目のサブ4且つ自己ベスト更新を目指すとしよう。