『太陽の塔』読了。
「夜は短し歩けよ乙女」が面白かったので、森見登美彦のデビュー作「太陽の塔」を読んだ。
この作品も失恋男が主人公で、この男も趣味・妄想というに等しく、妄想が激しい。
やっぱりモテなくて恋愛に対して不器用な男が主人公の話は、共感できるものがあってかなり楽しい。
自分を振った水尾さんという女性のことを忘れられず、大学の研究そっちのけで「水尾さん研究」をする主人公。
誇りさえ確保していれば、どんな無意味な行為も崇高なものとなる、と言い張り、彼女研究をし続ける主人公。
街をクリスマスという怪物が闊歩している、とクリスマスのイルミネーションを敬遠し、クリスマスファシズムといってクリスマスを忌み嫌う主人公。
かなりストイックで卑屈な考え方を持っている主人公の不器用な生き様をみられる面白いお話でした。
話の内容は然ることながら、この著者は豊富な語彙力を遺憾無く発揮して、かっこいい日本語を使う。
日常会話でも使ってみたいことばがたくさんあるので、かなり勉強にもなります。
読んでいる時に電子辞書が欠かせません。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 74人 クリック: 444回
- この商品を含むブログ (731件) を見る