高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 しまなみ海道100kmウルトラ遠足:感動のゴール!

80kmを越えてさすがに辛くなってきて、歩く回数も多くなり、走ってもペースが上がらなくなってきたので、自分の体力の限界を感じ始めた。
こういう辛い時こそ、望むところだ。自分の体力の限界を感じることができて、俄然テンションが上がり始めた。
こういう時、昨年の教訓から学んだコトがあった。

辛いときこそ、基本に戻る。

疲れで前屈みになってしまい、肩に無駄な力が入ってしまっていたので、肩を上げ下げして緊張をほぐし、胸を張って姿勢を正した。
心肺機能を整えるために、2回吸って2回吐く呼吸法を声に出すくらい極端にして、それに合わせていつものように足を前に出した。
たったそれだけなのに、自然と足が前に出て、ペースが上がり始めた。
4kmにも及ぶ来島海峡大橋の序盤はたくさんのランナーに抜かれたが、後半、それを抜かし返すことができた。
来島海峡大橋が終わり、愛媛県今治市に入ったところで、90kmのエイドステーション。
昨年は腹が立つくらい長いと感じた来島海峡大橋も、今回は大したことが無かった。むしろ一直線のコースで走りやすかった。
難関を難なくクリアできたことに対する自信と、昨年はここに着いた時は日が暮れて真っ暗だったのに今回はまだ明るいことに対する喜びで、「残り10km、頑張ろう!」と奮起することが出来た。

昨年は、今治市に入ってからは真っ暗で道が分からず、住民に聞きながらゴールを目指していたが、今年は明るい上にコースを覚えているので、迷うことなく、ゴールを目指すことができた。
今治市内の国道沿いを走る。交通量も多くなり、ドライバーなどから稀有な目で眺められているのが分かる。自意識過剰かな。
そんな途中で95km地点到達。最後のエイドステーションでの休憩も早々に切り上げて、ゴールを目指す。
ここまで来たら、体力云々よりも気力だけだ!

今治市の商店街までやって来た。「ゴールまで2km」の案内を発見!
昨年はここでタイムアップ(16時間経過)だったので、大変思い出深い場所だ。
今年は制限時間まで3時間近くあるし、まだまだ走れるだけの体力も残っている。

そして、今治城へ到着。昨年はこの地点で疲労困憊だったなぁと思い出す。

今治城を過ぎたところで、いよいよ「ゴールまで1km」の案内を発見!
やった!ここまで来ることができた!!

ここからの残り1kmは、1人凱旋パレードだった。
1人で感無量になって走っていると、住民の方々も「お疲れさまー」と声を掛けてくれて本当に嬉しかった。
この1年間、今日の日のために1ヶ月150km以上のランニングを継続してきた成果が出て大目標を達成することができた。
ゴールが近づくにつれ、その感動がひしひしと湧き始め、思わず涙が出そうになった。
ゴール地点のテクスポート今治に近づくと、沿道にはたくさんの人がいてくれて、こんないちランナーの自分のゴールを盛大に祝ってくれた。
そうか、制限時間内にゴールすると、こんな歓迎を受けられるのか。
昨年は制限時間をオーバーして、撤収作業中だったからなぁ、と笑えてきた。
ゴール前では、主催者の海宝道義さんが出迎えてくれた。「笑顔でゴールですよー」と声を掛けてくれた。
そして、ゴール!!!!!
100kmを制限時間内に完走!!!!

ゴールの時は、達成感と充実感でおそらく最高の笑顔をしていたことだろう。
後日、完走賞と共に送られてくる写真が楽しみだ。
ゴールタイムは、なんと13時間09分53秒
昨年よりも3時間以上も早くて、出来過ぎのタイムだ。この1年間で凄い成長だ。
そして、五体満足でゴールできて本当に嬉しい。

食欲・睡眠欲・性欲などを満たして得られる気持ち良さよりも、「目標を達成できた時の気持ち良さ」に勝るものは無い。
それを再認識しながら、ゴール会場に座り込んで、しばし目標達成の余韻に酔いしれた。
ひと休みした後、そういえば昨晩から24時間以上、ほとんど何も食べていないことに気づいた。
よく24時間以上もロクに食べていないのに、空腹を感じずに100kmも走って平気でいられるなぁ、と自分で自分の身体に感心した。
ランニング中も胃薬を飲んでおいたためか、何も食べなかったためか、昨年ひどかった胃腸障害はほとんど無かったので、だんだんと食欲が出てきた。
2,500円分の模擬店券を大会事務局からもらっていたので、模擬店でビールとカレー、肉うどん、愛媛県名物のじゃこ天を購入して、
ここぞとばかりにたらふく食べてやった。
いきなり脂っこいモノを食べたので、胃もびっくりしたんじゃないだろうか。
そして、疲れきった身体にビールがしみるなー。



食欲が満たされたので、ゴールそばで皆さんと一緒にゴールするランナー達を出迎えた。
考えてみれば、みんな100kmを走りきって凄いランナー達ばかりだ。
ここでは当たり前な光景かもしれないが、客観的に見て自分も含めて彼らは常人ではない。
なんせフルマラソンを走るだけでも凄いことなのに、フルマラソンの倍以上を走っているからだ。
100kmの中で辛かった時も多々あっただろうに、それを乗り越え、様々なドラマを繰り広げてきた皆さんの笑顔はとても素晴らしかった。
そうこうしているうちに、一緒に参加した同期も15時間を過ぎたあたりに無事ゴール。
共に「制限時間内完走」という目標を達成出来て本当に良かった。
その後も制限時間の21時まで、ゴールの前では様々なドラマが繰り広げられるのを拍手をして見守った。

お互い疲労困憊の身体で宿泊先の今治国際ホテルへ向かう。
今日は、達成感に満たされた中でよく眠ることができそうだ。
いやぁ、それにしてもよく頑張った、俺!
100kmを13時間で走ることができるなんてお前は凄い!!