高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 四万十川ウルトラマラソン:後半、そして無念・・・

50km地点を越えて、いよいよ後半戦。
ここでこの大会のハイライト、四万十川に架かる沈下橋のひとつ、半家沈下橋にやって来た。
四万十川はダムが無いことでも有名で、それ故に川を人間の力で制御することが出来ない為、川が氾濫することも多い。
本来であればそういった洪水などに備えた橋を建設するべきであるが、高知の人々は自然に「対抗する」のではなく、自然と「共生する」ことを選んだ。
その集大成がこの川が増水すれば沈んでしまう橋、沈下橋だ。
確かに氾濫する度に橋が流されて再建設する繰り返しをすることはナンセンスだ。
高知の人々の叡智を感じ、沈下橋を渡る。これがしたかったので、大満足。




54km過ぎ。ここにもちょっとした峠道で登り坂。スローペースであるが、なんとか走り続ける。

峠道で良いのが、辛い登りが終わった後はそのご褒美として、頂上からの素晴らしい眺めがあることだ。ここの峠からは美しい四万十川が臨めた。


第2関門に到着。なんとか関門の制限時間の1時間前到着は守っている。この調子だ。


地元の野球少年達も応援してくれた。

ようやく60km地点に到着。

ここを過ぎると、レストステーションというコース中で1番規模が大きいエイドがある。



とりあえず、ひと段落だ。
と安心してしまって、ここで約30分間もまったりしてしまった。
この大会が初めてであったこともあって、関門の制限時間の厳しさを知らず、自分のペースが遅い、ということをまったく認識していなかった。
ここに到着した時点では制限時間の1時間前到着のペースを守っていたのだが、ここで焦りもせずにゆっくりしてしまったことが後々響いてくる。
さて、残り38km。スタート地点でここに届くようの荷物を預けておいたので、汗で濡れたウェアを着替えて心機一転再スタート!


制服を来た地元の中学生も盛大に応援してくれた。
しかし、60kmを越えると、足の張りもピークになってきて、歩きはしていないものの、相当走るペースが遅い。それもあって、元気に応援に応えられないのが辛い。

遅いペースながらなんとか2つ目の沈下橋岩間沈下橋に到着。
本当なら感動する場面なのだが、ここの時点で疲労困憊の為、そんな余裕は無かったのが残念。




沈下橋を越えて70km地点に到達。
芽生大橋という大きな橋を渡ったところで第4関門だったのだが、ここで驚いたことに制限時間から10分を切っていた!
「マジで!?」とかなり驚いた。第3関門では約1時間の余裕があったのに・・・
ここでさっきのレストステーションでゆっくりし過ぎたことに気づいた。
ただそれだけではなく、既に足が限界で相当遅くなったペースも原因のひとつだ。


ここで完全に心が折れてしまった。
時間さえあれば、なんとか100kmを完走する自信はあったのだが、ペースを上げる自信はなく、次の第5関門に至るまでには更にペースが落ちるであろうことは目に見えていた。
「第5関門でタイムアウトだろうなぁ」と思いながらも僅かな希望を目指して、諦めずに走り続けて80km地点の第5関門へ向かったのだが、案の定、第5関門に到着した時には、制限時間から2分程オーバーしてしまってリタイアとなってしまった。
無念だ・・・
「あと2分早ければ!」という気持ちも少しあったのだが、この足の状態では次の第6関門で確実にリタイアになることは容易に予想できたので、全然惜しくない。

関門でタイムオーバーになって途中リタイアというのは、これまでのマラソン経験の中で初めてであったので、半ば放心状態の中でリタイア選手専用の収容バスに乗ってゴール地点の中村高校・中学校へ向かう。
ゴール地点は完走者を迎えるために盛大に盛り上がっていた。

完走メダルを首にかけた完走者達を放心状態で眺めていると、完走できなかった悔しい思いが沸々と湧いてきた。
自分が今日走ってきた80kmが全否定されてしまったようで悔しかった。自分もああやって盛大に迎えられたかった。そして、あの完走メダルを手に入れて、今後の人生の自信にしたかった。
長居するとどんどんこんな想いが湧いてくるので、早々に退散してホテルに戻った。
相部屋の方も70km地点でタイムオーバーであったそうで、お互いで四万十川ウルトラマラソンの厳しさを語り合った。
そして、昨日からほとんど固形物を食べていなかったので、ホテルの夕食をたらふく食べてやった。胃もびっくりしたことであろう。
そうして腹いっぱいになると、凄い眠気が襲ってきた。
朝3時に起きて、これだけ身体を酷使したんだから当たり前だ。
ということで、昨日と同じくらい早く就寝してしまった。
今日は完走できずに大変残念な結果だったけど、とりあえず80kmもよく走った、俺!
頑張った自分にそれだけは褒めてあげようと思う。