高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 隠岐の島ウルトラマラソン:朝5時、いよいよスタート!前半戦(50km)

6月16日日曜日朝5時、いよいよ隠岐の島ウルトラマラソンのスタート。
この日は2時半に起きて、準備万端。
体調はかなり良し。
ウルトラマラソンではいつも悩まされていた胃腸障害対策として、昨晩の夕食の量は控えめにして、朝も食べずに空腹の状態にしておいた。
スタート地点の隠岐ポートプラザ前はうす暗いものの、400人のウルトラランナーが集結しているさまは異様だ。
100kmなんて長距離を1日かけて走ろうなんて正気の沙汰じゃない。
自分も含む変人ばかりが400人も集まっていると思うと笑える。
みんな、周りから「何でそんな辛いことを自分から進んでお金まで出してするの?」と言われ続けてここに来られているハズだ。
だが、そんな変人の皆さんが自分の中ではとてもカッコイイと思う。
周りの声なんて気にせず、自分の価値観だけを信じて取り組むのが趣味というものだ。
その趣味を実践している人達とこの場にいることが出来て、自分はとても幸せだ。
そんなウルトラランナーの中には、70歳を超えてもなお100kmに挑戦される方もいて、本当に凄いと思った。
自分も将来はあんな年の取り方をして、いつまでも元気で健康的にいたいと本気で思った。
多分、それだけ好きなことがあれば、病気にもならないだろうし、痴呆にもならないんだろうと思う。
「何もかも忘れてのめり込めるだけ好きなものを持つ」というのが、どんな医薬品や医療技術にも勝る特効薬だ。



そんなことを思って物思いに耽っているうちに、いよいよスタート!
朝5時にもかかわらず、沿道にはたくさんの島民の方々が集まってくれて我々を応援してくれる。
とても有り難い。我々も「行ってきまーす!」と応える。


走る前から自分の練習不足とは別にずっと不安だった点がひとつ。
100kmのコースを下見をされた相部屋の方やこの大会のリピーターの方々が、こぞって「隠岐の島ウルトラマラソンのコースは、他のウルトラマラソンに類をみないほど厳しい。」とおっしゃっていることだ。
とにかく坂ばかりのコースだそうだ(特に後半が)。
もしかして、制限時間が他の大会よりも30分長いのはそのためであり、ウルトラマラソンのレベルとしては他の大会と同程度もしくはそれ以上なのではないだろうか。
そんな不安がこみ上げてきて、今回ばかりは本当に完走できるのかが自信が無くなってきた。
5km過ぎ。早速、最初の坂がやって来た。結構な坂で、普通のマラソンであれば、難所と言われるであろう。ここは、ペースを落としてゆっくり走りながら最初の坂を攻略。


坂をペースを上げ過ぎないように気を付けて駆け降りて最初の集落にやって来て、10km地点。
島民の方々が盛大に応援してくれた。何だかたくさんの人がいるだけでほっとする。




最初の集落を過ぎた後は、海岸線沿いの道路で、また登り坂。
なるほど、どうやらこの大会はこれの繰り返しのようだ。




2つ目の坂を攻略して、20km近くでまた集落にやって来た。
たくさんの島民の方々がやんややんやの応援で我々のテンションを盛り上げてくれ、ここまでの疲れを忘れさせてくれた。





25km地点の中村漁港という集落に到着。これでようやく4分の1か。

しかし、ここからが本番であった。25kmを過ぎると、延々と続く急勾配の登り坂で相当に辛かった。
ここまで登り坂も走るようにしてきたが、これはムリだと判断して、早々に方針変更。
登り坂は徹底的に歩いて登って体力を温存して、頂上に着いてフラットになったら走り始め、下り坂は一気に駆け下りることにした。
今振り返ってみると、この時点で早々に方針を変更したことが最後まで好調を保てたんだと思う。

35kmを過ぎて登り坂を登りきり、登り坂で蓄えておいた体力を放出してペースを上げて一気に下り坂を駆け下りる。
ここで最初のランナーズハイがやって来て、40km地点まで気持ち良く爽快に走ることが出来た。

下り坂を下り終えた集落では、元気なお婆ちゃん達の笑顔に癒される。
お婆ちゃん、いい笑顔!

そして、またもや登り坂。
「はいはい、このパターン、分かってましたよ。」
と、溜め息をついてまた歩いて登り出す。
この時点で、42.195km地点に到着。フルマラソンならここで終わっているのに、ウルトラマラソンではまだ半分にも到達していない。苛酷な世界だと改めて思い知る。

この坂は今までの登り坂と比べて控えめ。45km地点に到着。


45km地点を過ぎると、これまでと比べて大きい集落に到着した。
中間地点となるレストステーションまでもうすぐだ。

下り坂を下ったところで、島民の方が私設エイドステーション(?)を設けてくれていた。
トビウオや牛肉を焼いてくれていて、ビールも準備していてくれた。
「ここでリタイアしたいくらいだな!」と笑いながら言うランナーも。確かに(笑)。
大変有り難かったけど、まだ半分しか来ていないので、今後のことも考えて控えておいた。



ここではたくさんの牛たちが放牧されていた。
隠岐の島では、承久の乱島流しになった後鳥羽上皇を慰めるために牛突きという行事が行われ始めたらしいが、その行事に参加する牛たちであろうか。


これまでの坂道ばかりの山道から一転、一気に開けた平地の光景がとても清々しい。凄い気持ち良かった。

平地なので、島民の方々もたくさん住まわれているようだ。
沿道の方々の応援も更に盛大になって、元気を与えてくれた。

綺麗な花々にも癒される。

そして、ようやく48km地点であるレストステーションに到着!
ここでひと休みできるので、ほっとひと安心。

11時12分ということは、ここまで約6時間10分経過したということだ。
目標としていた7分/kmの継続は、あの坂道の連続のコースでは難しかったが、8分/kmのペースにまでは落ち込んでいない。順調だ。

昨年10月の四万十川ウルトラマラソンでは、制限時間に余裕が無いのに、このレストステーションで30分近くもまったりと休んでしまうという大失態を犯してしまった結果、80km地点で制限時間オーバーになってしまったのを教訓に、今回は15分と決めて、レストステーションに届くように預けておいた荷物を解いて、慌てて着替えて、携行食を食べてエネルギー補給。
こんなところでゆっくりしている余裕は無い。
50km近く走ってきたが、どこも痛いところは無いし、体力もまだまだ余裕あり。体調も万全。
気分もリフレッシュして、後半戦がスタートだ!