高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 隠岐の島ウルトラマラソン:暑さと坂道に苦しめられた50〜90km

隠岐の島ウルトラマラソン、48km地点のレストステーションで着替えて携行食でエネルギー補給してひと休みした後、慌ただしく出発。
身体もどこも痛いところはなく、まだまだ大丈夫。
出発したのは11時30分過ぎ。
川内優輝が参加している50kmの部のスタートが11時30分であったため、50kmの部のスタート地点である水若酢神社前は既にランナー達が出発した後であった。川内優輝の雄姿が見られず、残念。
でも、ようやく半分の50km地点だ。あと半分!

「よし、残り半分も頑張るぞ!」と意気込んだものの、後半に待っていたのは真夏のような暑さとの戦いだった。
この日、隠岐の島は昼から真夏の陽気で、これまで山の中が多かったので良かったのだが、50km辺りは全く日陰が無い田んぼ道のど真ん中を走る。


この暑さによるためか、長距離を走ると必ず見舞われる、腹部膨満感としゃっくりが出る(横隔膜が痙攣する)ことによる吐き気の症状が出始めた。この症状が出始めると、途端に走ることができなくなる。
これまでであれば我慢していたのだが、今回はまだまだ距離があるので、早々に我慢するのを止めて、一旦立ち止まり、指を口の中に突っ込んで舌の奥の方を触って強制的に吐いてみた。
出たのはゲップだけ。朝から何にも食べていないので、当たり前だ。
しかし、このゲップが胃に溜まっていたであろうガスが放出され、腹部膨満感としゃっくりの症状が回復し、走り始めることができた。
「何だ。こんな簡単なことでこの忌まわしい症状は回復するのか。」と新発見。
この悩みが解決されたことで、俄然、走る気力が湧いてきた!
この後も何度も同様の症状に見舞われたが、その度に同様の方法で強制的にゲップをすることで症状が回復して走ることが出来た。この強制ゲップは、後半の自分のギアみたいな扱いになった。
さて、第2関門の57km地点までやって来た。収容時間の50分前の到着なので、あまりゆっくりはしていられない。
島民の方、愉快な格好と踊りで和ませてくれてありがとう。

58km地点は海岸線の道路だった。綺麗だなぁ。

そして、60km地点。隠岐の島から臨む日本海。素晴らしい。


しかし、ここからがこの大会の本番だった。急峻で延々と続く登り坂の連続。
「どこまで続くんだ!」と一人でツッコミたくなるくらい。
近くで歩いて登っていたランナーも、「笑うしかないね。」と苦笑い。
相部屋の方でコースの下見をされた方が「後半のアップダウンはひどい」とおっしゃっていて、前半でも十分にキツイ坂だったのだが、その意味がよーく分かった。坂のレベルで言えば、前半の比ではなかった。


「長い坂がようやく終わった!」と思って、軽快に下り坂を下っていたら、また登り坂!
思わず「また登り坂か!」と叫んでしまって、げんなり。

でも、坂道を登ると、頑張った自分達に高所からの素晴らしい眺めというご褒美を与えてくれる。
かなりキツイ登り坂だったけど、この景色を眺められれば十分だ。


下り坂を走って一気に駆け下りる。下り坂で登り坂で歩いたタイムロスを取り戻す。
下った後のエイドステーションで、あまりの暑さに冷水を頭からかけてもらっていると、ボランティアの方が「首に巻いていたタオルに氷を入れてそれを首に巻くと、熱中症対策になって気持ちいいよ。」と教えてくれた。
その通りに実践してみると、しばらくの間は氷が解けずに首の周りに残っているので、確かに気持ち良い。
氷が解けてしまうが、既に全身びしょ濡れなので、全く関係無い。
このアイデアは、日中走っている時に本当に助かった。ありがとう、65km手前のボランティアの方!
そして、予想通り、また登り坂。

この辺りになってくると、登り坂に慣れてきた。
最初は辛いと思ったが、逆に登り坂では歩くことで体力が温存できて、下り坂で一気にスピードを出せるので、楽しいと思えるようになってきた。
こうやって発想を転換できる気持ちの余裕ができると、坂道なんで全然ラクだった。
後半の2つ目の山を攻略して、70km地点の第3関門に到達。
あれ?ここの収容時間まで30分しかない。やはり、あの60km過ぎの長過ぎる登り坂で歩き過ぎたためだろう。
ゆっくりしていられない。先を急がねば。


70km地点も相変わらず登り坂だったが、登り坂は歩いて体力温存。
登りきった後のトンネルになると、フラットな道になるので、ここからランニングスタート。

下り坂を一気に下って75km地点。島民の方々はテントを張って、酒の肴に我々を観て騒いでいる。いい気なものだ(笑)。



さて、あと25km。ここからはこれまでのアップダウンの多い道から一転、ずっとフラットで単調な道。
これまでの変化に富んだ道の方が楽しかったなぁと実感。


フラットな道で歩くワケにはいかないので、辛くなってきたら立ち止まって屈伸をして足をほぐし、吐き気を催しそうになったら、指を口に突っ込んで強制的にゲップをして症状を回復させることで走り続けることができた。
85km地点の第5関門に到達。ヤバイ、収容時間まで20分しかない!最終関門に向けて急がねば!!


島民の方々の応援で元気をもらう。

この辺りもなだらかなアップダウンの繰り返しだったが、これまでの坂道に比べたら大したことない。
登り坂で歩いてしっかり体力を温存して、下り坂で一気にその体力を放出して駆け下りる。
この繰り返しが本当に楽しかった。
そんな高いテンションの中で、90km地点に到達!

島民のお婆ちゃん達が最高の笑顔で我々を迎えてくれた。
デジカメを向けて手を振ると、「美人に撮ってねー」と騒いで手を振ってくれた。
疲れている心に最高の癒しだ。

さて、100km完走まで残り10km!