高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 甲子園球場まで行くも・・・

2005年に大阪に住み始めて以来、甲子園球場に一度も行った事が無い。
野球観戦に行く程、野球が好きではないし、自分の周りにも熱狂的な阪神ファンがいるワケではないので、これまで一度も誘われて行く機会が無いままだった。
せっかく大阪に住んでいるのにこれでは勿体無い。
ただ、人気のある阪神戦はまず思いつきでの観戦は難しいだろうと思い、今年も大いに盛り上がっている高校野球を観に行こうと思い立った。
それも自宅から走って。
早速、ルートラボで自宅のある堺筋本町から甲子園をつないでみると、下道で約18km。
なんだ、甲子園ってもっと遠い場所にあるのかと思っていたが、18kmなら走っていけそうだ。
そこで、準決勝が開催される8月24日の日曜日に敢行する事にした。
平日、仕事をしている間も、新しい目的地を目指し、見知らぬ街を見ながら新しいコースを走られると思うとうずうずして週末が待ち遠しく、この日が来るのを待ちに待っていた。
まずは、堺筋本町から中央大通沿いを東へ走る。毎週日曜日朝に走っているお馴染みのコースだ。
そして、弁天町に至ったところで、右折して大阪湾岸の交通量が多い国道48号線に入る。
あとは、この道をずっと北上すれば、目的地の甲子園に到着するハズだ。
大阪湾に注ぐ安治川、淀川、神崎川、左門殿川に架る橋を渡る。東には梅田の高層ビル群が見える。

大阪府大阪市西淀川区からいよいよ兵庫県尼崎市に到着。
西淀川区にはランニングで来た事があるが、それを越えて尼崎まで来るのは初めてだ。そして、兵庫県に来るのも。
初めて走る道、本当にこの先に目的地である甲子園はあるのか。
事前に地図を見ているので、あるに違いないのだが、とてもドキドキしながら走る。

国道48号線沿いをどんどん走って行くと、有名な武庫川が見えてきた。
大阪湾に注ぎこむ大きくて穏やかできれいな川だ。
この川沿いはランニングコースとしても有名で、昨年末に開催された宝塚ハーフマラソンで、宝塚市から武庫川沿いを下って、河口のこの辺りまで走って来た事を思い出す。
確か阪神武庫川駅武庫川に架る橋の上にあって、その橋の下がハーフマラソンの折り返し地点だったっけ。



そして、武庫川を越えたら、甲子園球場ももうすぐだ。
こっちで「ムコジョ」と呼ばれて有名な武庫川女子大学の横を走る。
ここの大学の薬学部の卒業生がうちの会社でも多数働いている。

そしたら、目的地の甲子園球場が見えてきた。
ゴール!



初めて甲子園球場にやって来た。
が、球場の周りは凄い人だかり。

「えっ、これ球場入れるの?」と心配になったら、案の定、バックネット裏の中央特別内野席は完売売り切れで、自由席で無料の外野席でさえ入場不可。


何てこった、せっかくここまで走って来たのに・・・
かつて甲子園球場に来たことがある両親に話を聞いたら、観客席はガラガラだったと聞いていたので、てっきり今日も、と思っていたのだが、どうやらそれは春のセンバツの緒戦であったようだ。
そうか、夏の高校野球の準決勝且つ日曜日、しかも近くの大阪桐蔭がここまで残っているとあれば、甲子園球場も満席になるのは当たり前だ。

完全に考えが甘過ぎた。
満席と書いてあるのに、何を待っているのか、球場の周りは凄い列ができていて、これはいくら待っても入れそうにないので、入場は早々に諦める事にした。
地元の岐阜と同じ東海三県で快進撃をしている三重県の三重高の応援をしたり、大阪桐蔭敦賀気比の打ち合いを観たかったのだが、已む無し。
ただこれで帰宅するのは癪なので、甲子園球場の周りをひと回り。
周りにはここ最近の夏の高校野球の大会成績・トーナメント表が掲示されていた。
2006年の第88回大会といえば、早稲田実業の斎藤と駒大苫小牧の田中が投げ合った、伝説の決勝延長15回引き分け再試合が有名だ。

2007年の第89回大会は、佐賀県の公立高校の佐賀北高校が、がばい旋風の勢いそのままに、決勝で広島県広陵から劇的な逆転満塁ホームランを打って優勝した衝撃が記憶に新しい。

2009年の第91回大会は、地元・岐阜の我が母校の隣にある県立岐阜商業高校がベスト4まで勝ち進んだ大会だ。
岐阜県勢はしばらく前迄は1回戦負けばかりだったが、県立岐阜商業高校の他、今年の大会の代表校である大垣日大などが最近強くなってきたので、同じ岐阜県民としてとても応援している。
その県立岐阜商業高校を破った、今年も準決勝まで進んでいる新潟県日本文理が、優勝した愛知県の中京大中京を9回表ツーアウトから5点取って猛反撃したのが有名だ。
何とか日本文理の猛反撃を抑えて優勝した中京大中京のエースが、優勝したのに泣きながらインタビューに答えていたのが感動的だったのを思い出す。

そして、球場の中にある甲子園歴史館にも立ち寄ってみる。


阪神タイガースのコーナーもあるが、ここは高校野球のコーナーへ。

入り口には、これまでに甲子園に来た高校の名前がボールに刻まれている。

館内には過去の名勝負ギャラリーがあって、映像付きで過去の名勝負が観られる。
高校野球ファン達がテレビの前で思い出を語り合いながら集まっていた。
高校野球は、1回負けたらそこで終わりなので、みんな必死であるが故に、いろいろなドラマが生まれる。高校野球のファンが多い理由がよく分かる。



ひと通り堪能した後は、盛り上がっている甲子園球場を泣く泣く離れ、最寄りの阪神電車甲子園駅から電車で帰宅して、家で高校野球準決勝を観戦する事にした。

結局、高校野球甲子園球場で観ることは叶わなかったが、もうひとつの目的である甲子園まで走ってやって来ることは果たしたから、まぁ良しとしよう。
やはり、新しいコースと目的地を走ると、刺激的で楽しいなぁ。