高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 木曽三川ウルトラマラソン前半:30km地点の応援に感謝!!

11月22日土曜日、木曽三川ウルトラマラソン当日。
昨日は23時に桑名に到着し、朝8時のスタートに向けて、朝5時起き。
仕事の疲れが取りきれていないであろう、睡眠不足の無茶苦茶な強行スケジュールだが、今年最後のマラソンとしてもうひと頑張りだ、と思えば、全然平気。
楽しみと高揚感で、パッと目が覚めた。平日の寝起きとは大違い。
朝6時過ぎの電車で隣り駅の近鉄長島駅に向かい、そこからバスでスタート&ゴール地点の輪中ドームへ向かう。
木曽川長良川揖斐川という木曽三川の河口部は、かつて3つの川が重なる場所であるが故に、水害(洪水)が多かったのだが、その対策のひとつとして、川より低い土地を堤防で囲んで水害に備える地域のことを輪中(わじゅう)という。
中学・高校の日本地理でここら辺りの歴史を学び、特に自分は岐阜が地元なので、詳しく勉強したために今でも馴染み深いが、遠方から来られたランナーはまず輪中を「わじゅう」と読むことすらできないんだろうなぁと気付く。
この輪中と呼ばれる堤防が、今回のウルトラマラソンの舞台となる。
11月下旬ともなると朝も寒く、輪中ドームの中で風を避けながら、スタートを待つ。

この大会は、ウルトラマンで有名な円谷プロがスポンサーになっているため、大会のパンフレットに記載されていた、

みなさん、ウルトラマンになりましょう! TO BE ULTRAMAN.

という言葉が、『60kmを完走したら「ウルトラマン」の称号が与えられる』という謳い文句につられて出場を即決した自分のモチベーションを奮い立たせてくれた。


この大会に、唯一のゲストランナーとして、名古屋を拠点に活動する「OS☆U」の森咲智美という娘が参加されていて、アイドルなのに、なんと60kmに挑戦するとのこと。
スタート前に持ち歌を披露してくれて、我々を元気づけてくれた。これから60kmを我々と共に走るのに大変だ。
そして、大会後のニュースを見ると、無事、60kmを完走されたとのこと。
フルマラソン以上を走る事ができる、こんなにきれいな女性有名人ランナーは、ランスマの中村優さん以外に初めて会った。
凄い!尊敬する。これからのアイドル、そしてランナーとしてのご活躍を見守りたい。


みんなでストレッチ体操をしながら、身体をほぐして温める。

そして、スタートゲート前に並ぶ。

午前8時、いよいよ木曽三川ウルトラマラソン、スタート!
スタートゲートの下で、ウルトラマンが我々を見送ってくれた。

60kmの長い旅が始まった。スタート直後、堤防の上に走って上る。
60kmのコースはほとんどアップダウンは無く、ずーっとフラット。坂はここくらい。

あとは延々と堤防の上を走る。
三重県長島市をスタートした直後、愛知県愛西市に入る。
この大会は、三重県、愛知県、岐阜県の3県を舞台にして走る。

我が地元の岐阜市もある広い濃尾平野木曽川を眺めながら走ることができる。
ウルトラマラソンは、フルマラソンと異なり、スピードを競う必要はなく、完走できれば良いので、ゆっくりペースで走られて凄い気持ち良い。

堤防沿いを走っていると、右手に懐かしの治水タワーが見えてきた。
小学校の頃の社会科見学で来た事があるのを思い出した。

ここで、堤防の下にある東海広場と呼ばれる緑地の中を走る。明らかに距離稼ぎのようなコースだ。
堤防の上を走るランナーの列。圧巻の光景。レース序盤のこの高揚感がたまらない。

スタートでウルトラマンが見送ってくれたのに加え、5kmごとにウルトラマンが距離を教えてくれる。
今まで出場してきた大会で、こんな手の込んだ距離表示の看板は初めてだ。面白い。
この後の辛い後半、ウルトラマンが5kmごとに我々を見守ってくれていた。

東海広場と呼ばれる緑地を走った直後、ここからはずっと堤防の上を走る。
ここら辺りは、左に長良川、右に木曽川に挟まれて、一番狭くなっている場所だ。
走りやすくてとても気持ち良い。
派手なランニングウェアが多い中、全身黒でロングヘアのスタイルの良い女性ランナーが颯爽と自分を抜いていく。
序盤で体力もあるので、「なにくそ!」とでペースを上げて抜き返したくなる衝動に駆られるのだが、そこは我慢して6分/kmのペースをキープ。
60kmの長丁場なのに、こんな序盤でこれ以上ペースを上げたら、後半に地獄を見る。
このペースで最後まで行けるかな。

走りやすい堤防の道にある一本松。絵になるなぁ。
そして、右手の木曽川沿いには、ケレップ水制群という河川構造物が見える。
かつて反乱する事が多かった木曽三川の分流工事の過程で、オランダ人技術者によって我が国に導入された工法だそうだ。
全国各地にあったケレップ水制群は、河川改修工事等でほとんど撤去されてしまったが、この木曽川にはまだ残されていて、土木業界では珍しい光景だそうだ。

何の変わり映えもしない堤防の上を走っているうちに、いくつか橋の下を通過。
この橋は、愛知県稲沢市岐阜県海津市を結ぶ東海大

それ以外は、ほぼこんな光景。
堤防の上から真っ平な濃尾平野を眺めながら、ただひたすら走る。
変化のない景色だが、青空で涼しくてとても気持ち良い。

20km地点。堤防の上から一時的に下に降りて、堤防沿いの住宅前の道を走る。
堤防の上は全く沿道の応援が無かったが、住宅前なだけあって、沿道の応援がちらほら。
どうやらこの大会は第1回大会で地域の住民の間で認知度がまだ低いようだ。
しかも、「○○川マラソン」と名付けられる川沿いを走るマラソンは、わざわざ休日に時間を作って、家から川まで足を運ばなくてはいけないので、概して沿道で応援してくれる人は少ないのも相まって、更に沿道の応援が少なかった。
でも、それならそれで自分の走りに集中できるから良い面もある。
ただ、ここでは近くの子供達がハイタッチで応援してくれ、元気をもらえた。


25km地点、愛知県一宮市岐阜県羽島市を結ぶ、東海道新幹線名神高速道路が通る橋、木曽大橋に到着。
名古屋駅を出た東海道新幹線岐阜羽島駅に向かう時に通る橋だ。
今後、仕事やプライベートで新幹線を利用してこの木曽大橋を渡るのを車窓から眺める度に、「この橋の下を走ったぞ!」と今日のこの記念すべき日を思い出しそうだ。
良い思い出ができて嬉しい。

25kmを過ぎると、30km地点で折り返しをしてきた復路を走る速いランナー達とすれ違う。
やっぱりいた!ウルトラマンのコスプレランナー!!
あんな格好で速いなんて凄い。やはり走力が無いと、コスプレをして走る事なんてできない事を再認識。

さて、ここまで延々と堤防道路を一直線に走ってきたが、もうすぐ30kmの折り返し地点だ。
29kmを過ぎた辺りで、少しペースを落として、スマートフォンを取り出し、岐阜県羽島市在住の高校時代の友人に電話をしてみる。
岐阜県羽島市の尾濃大橋が折り返し地点というのを聞き、近くに住む友人が応援に来てくれると聞いていたのだが、ここまで6分/kmの良いペースで余裕を持って走ってこられ、スタートしてからちょうど3時間後の午前11時頃に到着できそうだったので、来ているかどうか心配だった。
電話で友人と話すと、既にスタンバイ済みだそうだ。
30km地点の尾濃大橋の下の折り返し地点に到着!
ここまでのコースの中で一番沿道の応援が多く、賑やかだった。


ここのエイドステーションは一番豪華。岐阜県名産の富有柿があった。
ラソン中は固形物は食べない主義だが、これは美味しく頂戴した。

そして、子供の「大木くんー、がんばれー」と聞き覚えがある大きな声。
あれは友人の息子の声だ。
岐阜県羽島市に住む高校時代の友人のオゼキが、奥さんと息子と娘を連れて応援をしに来てくれた!
しかも、来てくれるとは聞いていなかった、自分の「ランニング」と同じように、「釣り」にお金と時間、そして情熱を注いでいる、独身仲間(貴族?)のヒカリがサプライズで駆けつけてくれた。いつものように嫌々言いながら、仕事の合間に来てくれたようだ。何だかんだでいいヤツだ。
前半30km、良いペースで余裕を持って来る事ができたので、しばしここで休憩して、来てくれた方々に御礼を言いながら、記念撮影。
オゼキ一家が、わざわざこんな自分のために応援メッセージ入りのプラカードを作ってきてくれていて、本当に嬉しかった。

ラソンも結婚もあせらないで。

「やかましい!」とツッコミたくなったが、確かに図星で笑えた。
ラソンは焦らないけど、結婚は焦り始めてます。

子供の健気なメッセージに感動を覚えた。ありがとう!

高校時代の旧友3人で記念撮影。男同士では写真など撮らないので、思い出になった。

あまり応援される事に慣れていない上に、生来、リアクションが薄いつまらない人間なので、せっかく休みの日に時間を作って応援に来てくれた方々に対して、気の利いた事を言ったりして楽しませる事が出来なくて、大変申し訳なかった。
名残惜しかったけど、「応援ありがとうー」と手を振って、このマラソンで一番華やかだった折り返し地点を後にする。
また、年始に集まる時に改めて御礼を言わないといけないな。その時にあのプラカードが残っていたら、記念に回収しておこう。
そして、自分が進む先に自分を待ってくれている人がいる。
この事実がランナーにとって、疲れや辛さを忘れさせてくれる楽しみのひとつになり、先に楽しみがあるために一歩足を進める原動力になる事を実感した。
これからもマラソンを興じ続けるであろうから、そんな自分をゴールなどで待ってくれる存在、友人であれ、恋人であれ、伴侶であれができるといいなぁ、と実感した。
さて、前半の30kmが終了。良いペースでここまで来られ、まだまだ余裕だ。
いよいよ後半戦がスタートだ。