高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 サロマ湖100kmウルトラマラソン:自己ベストに近いタイムで5回目の完走!

2018年6月24日日曜日、5回目になるサロマ湖100kmウルトラマラソン当日。
午前1時過ぎに起きて、北見市のビジネスホテルからツアーバスでスタート地点である湧別町の体育館へ。約1時間の道中、がっつり寝た。
緯度の高いこの辺りは午前4時過ぎにもなると明るくなり、本州のウルトラマラソンと異なり、ライトなどは不要。
午前5時、今年もサロマ湖100kmウルトラマラソンが始まった。
100kmの長い道中、今年はどんなドラマが待っているのか。


スタートからゴールまで雨で激寒だった昨年から一転、前半は曇り空且つ暑さも程々で、正にベストコンディションだった。
目標は、キロ6分、10kmを1時間で最後まで走り続けること。
勝負は後半なので、ここはとにかくキロ6分を維持するために、ペースや心拍数をGPSウォッチを使ってこまめにマネジメント。
5回目になると、コース周辺の景色に真新しいものは何ひとつ無いので、写真はほぼ無し。
42.195km地点にあるモニュメントも今年は無視。その手前では1年振りのサロマ湖を見ながらのランになるが、曇り空で今年もサロマンブルーはお預けだった。

55km地点のホテルグランティアサロマ湖前のレストポイント。
ここまでキロ6分を維持して、10kmを1時間〜1時間2分で収められて、上出来だった。

今年はレストポイントでの滞在時間を短くするため、着替えは無し。
だいぶ体力に余裕を持って順調にここに辿り着けたので、滞在時間は5分にして、ここまで使用した携行補給食のみを補充して、すぐにスタートした。
そのおかげで、50km〜60kmの間も10kmで1時間8分に収められた。

60km以降の魔女の森も順調にクリアし、斎藤商店でのおしぼりなどのおもてなしを受け、民宿サロマニアンで旗を振っての応援を今年も受けて、今年もこの辺りをペースを維持して走られ、疲れてペースが落ちてきたランナーをたくさん抜いた。


69km地点で北海道名物のリボンナポリンを今年もいただく。

70km以降の単調なコースも問題無くクリア。73.8km地点の鶴賀リゾートの後、80km地点の湿地帯コースがキツイ事を知っているので、鶴賀リゾートでしっかりエネルギーを補給して、今年も無事に80kmのワッカ原生花園に到着。

今年は、オホーツク海をバックにした美しいワッカ原生花園を走る事ができるか!?と思いきや、霧に包まれたワッカで残念。
ワッカ原生花園に入った直後はそんな霧模様だったが、急に天候が悪化して、叩きつける程の雨に。
それに加えて、オホーツク海から吹く冷たい風で手がかじかむ程の寒さになり、酷いコンディションになった。昨年のデジャブだった。
防ぐものが何もない吹きっさらしのワッカでは雨と風を全面に受ける事になり、走っていて思わず笑えて来た。

ワッカの片道約9kmの途中にある85kmのエイドに着く頃にはどしゃ降りのピークだった。
エイドの方々も応援の方々もこんな大雨の中に走っている我々を見て心配の顔。
こちらからすれば、こんな大雨にも関わらず支えてくれて有難かった。

そんな状況なので、コース沿いには低体温症になってサバイバルシートにくるまれてガタガタ震えているランナーが続出。
80kmを超えた事で疲れてしまい、歩きが入ってしまうと身体が冷えてしまってああなる。
こうなってしまうと、いくら休んだところでウェアは乾くことは無いので、身体が冷えたままで二度と動けなくなる。
自分は雨や寒い中でのランはむしろ得意だし、「こういうコンディションの時は絶対に歩いてはいけない」という鉄則を把握しているので、何があっても歩く事はせずに前へ走って進んだ。
あまりにも酷いコンディションで苦笑いしながらのラン。

この悪コンディションの中では、第1回から第33回まで連続出場を続ける、ゼッケンNo,1のレジェンドランナーの越智さんもペースダウンのようで、往路で抜かさせて頂いた。とても光栄だった。

雨風の中、順調に走って、ワッカの折り返し地点に到着。
昨年できた折り返し直前の橋の上はとにかく風が強くて、ひどい状況だった。


そんな状況でも、今年もここの名物・エゾスカシユリが例年より開花しているのが少ない気がしたが、たくましく元気に咲いていた。今年も無事見られて良かった。

復路に入って、90km地点に到着。

さて、ここまで来たら残り10km!ラストスパートだ!!・・・と思ったら、またもや最後の最後になって気持ち悪くなり、足は残っているのにゆっくりしか走られない状態になってしまった。
ワッカではランナーがたくさんいて人目があるし、国定公園を汚すのは忍びないので、吐き気を抑えながらの我慢のラン。
ようやくワッカ原生花園が終了!

ワッカ原生花園に繋がる森の中を越えて戻って来た98km地点手前の最後のエイドにて、あまりにも気持ちが悪いので、コースを外れ、指を口の中に突っ込んで、強制嘔吐。
これまでも気持ち悪くなったら何度もこの行為を行ってきたもの、ほとんどはゲップしか出なかったが、今回出てきたのは酸っぱい胃液(呑酸)だった。
疲れで胃が機能しなくなり、胃液が胃に溜まってしまった結果、この気持ち悪さに繋がっていたのであれば、至極合点がいく。
そうか、この気持ち悪さは胃液が原因か。
今後は疲れが出る後半に入る前に胃酸分泌抑制薬を飲んでみよう、と学ぶ事が出来た。
胃液を吐いた事で胃がスッキリしたので、最後の2kmは90kmからのペースダウンが嘘のように飛ばしてラストスパート。


最後のウイニングロードで沿道から「お疲れ様!」と声援を浴びながら角を曲がると、今年も彼方にゴールが見えてきた。

サロマ湖100kmウルトラマラソン、無事、5年連続のゴール!
毎年、サロマのゴール時の写真は写真立てに収めて飾るので、5回目という事もあって、左手で「5」を示してゴール。


100kmの完走タイムは10時間44分。
90kmから飛ばして走ろうと思ったのに、ここのところのウルトラでも出ている胃の気持ち悪さが出て、最後の最後でペースを上げられなかったのが誤算だった。
最後の2kmでラストスパートをかけたものの、2016年のここでの自己ベスト「10時間37分」の更新はならずだった。
でも、2週連続のウルトラの疲れがある中で、こまめなペースと心拍数、エナジーマネジメントで、100kmを通してほぼキロ6分のイーブンペースで走られ、大満足の結果だった。
左臀部痛で不甲斐ないタイム(11時間40分)であった昨年から1時間早いタイムに戻すことが出来、年齢を重ねても身体はまだまだ進化している事を示す事が出来た。

4月奥出雲おろち、5月の野辺山、えびずだいこく、6月の隠岐の島と、ハードなコースのウルトラを走ってきたので、超フラットなサロマのコースは慣れ親しんでいる事もあって、全然辛くなかった。
それに、前半は20年振りに100kmの世界記録が更新される程の適度な暑さ(6時間7分!50kmを3時間って信じられない!)、後半は雨にオホーツク海から吹き荒ぶ風で極寒のコンディションで、正に前半は夏、後半は冬と1日で夏と冬を味わったような経験が出来た。
100kmを何時間もかけて走っていると、コンディションの変化にも適応できる体力と対策が必要だ。
完走メダルも5年連続でゲット!
10万円以上かかる高額ツアー代と2泊3日かかる時間をかけて得られる完走メダルと今年もサロマの100kmを制したという達成感が掛け替えのない戦利品。その価値がある!・・・と信じている。


5回目なのに、今年もまた違ったサロマを体験させてくれて飽きさせない。
2014年から出場し続けて、これでようやく折り返し。
あと5回でサロマンブルー。また来年。