高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 「マッサン」が面白い!

9月末から始まった、NHKの朝の連ドラ「マッサン」がすごい面白い。
何が面白いかって、主人公の玉山鉄二演じる「亀山政春」(ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝がモデル、妻のスコットランド人のエリーにとって「政春さん」と呼びにくいので「マッサン」と呼ぶようになった)と、堤真一演じる「鴨居欣次郎」(サントリーの創業者、鳥井信治郎がモデル)の掛け合い・ぶつかり合いだ。
マッサンと鴨居のキャラクターは全くの正反対。
マッサンは、とにかく日本産のウイスキーを作りたいだけで、とことん「もの」(品質)にこだわる融通の利かない堅物な職人であるのに対して、鴨居は「人」を大切にする人間味溢れる人情家で、誰からも人気があり、宣伝上手、商売上手のいわばプロデューサー。
ドラマの中でも、鴨居は、

やってみなはれ。やらなわからなしまへんで。

と言って、誰もやらない無理難題にどんどん取り組む開拓者精神・ベンチャー精神を持ち、周りからは「大将、大将」と呼ばれて慕われるカリスマ性を持っている。

わてらの仕事は、世の中をあっと驚かせて、世の中の流れを生み出すことや。

と言って、イメージが落ちてしまって売上が下降している赤玉ポートワインのイメージを回復するために、中身を変えようと主張するマッサンに対して、世間の見る目を180度変えるために、半裸の女性が赤玉ポートワインを持ったあの有名な広告を打つことを提案する鴨居。目的のためには手段を選ばないスタイルが伺える。
この時代からこんな考え方をしていた人がいたのかと思えるほどのセリフの数々にいちいち共感。

会社の財産は人や。人が成長しなかったら、会社も成長できへん。

頼みに来た奴がスーツなんか着て偉そうな格好しとったら腹立つ。
誠心誠意の態度を示すのは当たり前。
その気持ちを伝えるためにも、向こうさんの立場で物考えなあかん。
大事なんは第一印象や。

話し合いは、事務方だけで騒いでもあかん。
あらゆる方向からの物差しが必要なんや。
作り手の生の声を聞かな、ええもんはできまへん。

マッサンは、スコットランドウイスキー製法を学んで帰国したものの、所属先の会社では仕込んでから4、5年も寝かせなければならないウイスキーのようなすぐに利益が見込めない商品開発に対しての風当たりは強く、退社せざるを得なくなってしまうところまで、ちょうど今のドラマで放送されている。
先日の放送で、初めて鴨居がマッサンと対峙して、一緒にウイスキーを作ろうと誘うシーンは圧巻だった(結局、誘いの受け入れは見送りとなってしまったが)。



この後のドラマの展開は、マッサンと鴨居が協力し合い、それぞれの力を発揮して、サントリーで日本初のウイスキーを誕生させることになるはずだ。
そして、その後、鴨居はたくさんの人に見てもらいたいが故に、大阪近郊の京都に近い山崎にウイスキー蒸溜所を建設するが、マッサンはスコットランドの冷涼な気候を求めて北海道の余市ウイスキー蒸溜所を建設するために、サントリーから独立して、大日本果汁株式会社(ニッカ)を設立するはずだ。
両社は、この後、切磋琢磨して日本製のウイスキーの品質を向上させていき、本場のスコッチを凌ぐほどの高い評価を世界から受けることになるのだが、2人の今後のサクセスストーリーがかなり楽しみだ。
そして、堤真一の主役を喰ってしまうほどの濃いキャラクターを演じる演技の上手さが楽しみ(兵庫県西宮市出身なだけあって、コテコテの関西弁も全く違和感なし)。
http://www.nhk.or.jp/massan/cast/index.html