高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 EURO2016:12年前の屈辱を同じ形で晴らしたポルトガル

6月10日に開幕したサッカーのEURO2016。
4年前のEURO2012をWOWOWで観戦してとても面白かったのを今でも覚えているので、今回も楽しみにしていたのだが、予想を超えて楽しかった。
グループリーグでは強豪国がほぼ順当に決勝トーナメントに勝ち上がったものの、大好きなズラタン・イブラヒモヴィッチがエースのスウェーデンが敗退し、代表引退を表明しているズラタンが代表では見られない事を思うと寂しい限り。こんなエースらしいエースはいない。


また、応援していて優勝予想をしていたポルトガルがまさかのグループリーグで大苦戦。
3戦全てで引き分けの勝ち点3で、ギリギリの3位通過。
試合前からクリスティアーノ・ロナウド(CR7)だけのワンマンチームと言われていて、それも一理あったので、やっぱりダメなのかなと思っていた。

そして、何よりも驚いたのは、グループリーグから好調であった、ウェールズアイスランドという小国の大活躍。
ウェールズは、大好きなギャレス・ベイルが大活躍して、グループリーグをトップ通過、決勝トーナメントでも優勝候補のベルギーを倒してベスト4進出!
この野性的な顔とピッチ上での突進力とスピード。かっこいい。



そして、アイスランドは、国内リーグで活躍する無名な選手ばかりのチームなのに、決勝トーナメントで強豪のイングランドを倒してベスト8に進出するというアップセット、ジャイアントキリングを成し遂げた。
試合に勝利した後に、選手達がサポーターと一体感を感じるために、頭上で一緒に拍手する「バイキング・クラップ」もこの大会の名物になった。
この活躍振りが印象的に過ぎて、忘れないようにするためにも、大会終了後、アイスランド・ブルーのユニフォームを購入するくらい好きになった。


ベスト4の国は、だれも予想しなかったであろう、この4ヵ国。

ポルトガルも決勝トーナメントに入ってようやく目覚めたようで、クロアチアポーランドに辛勝。ポルトガルの方々は、こんな薄氷な勝利ばかりで心中察するものがあった。
そして、準決勝という最高の舞台で、CR7のポルトガルとベイルのウェールズというレアル・マドリードのエース対決が実現!
結局、ベイルと共に活躍していたラムジーイエローカード累積による出場停止で、本来の強さを示す事が出来なかったウェールズが破れてしまい、両国、万全の状態で闘えなかったのが残念だった。
試合終了後、CR7とベイルがお互いの健闘を讃え合うシーンが印象的だった。

片や、開催国のフランスとドイツの強豪国対決は、フランスのエースとなったアントーワヌ・グリーズマンの活躍で勝利。アトレティコ・マドリードでの活躍をそのままにさすが。ゴールした後の仕草が印象的。


勝利した後、この大会で話題になったアイスランドの「バイキング・クラップ」を真似してサポーターと一体になるなんて、何でもありだ。

そして、決勝はフランスvsポルトガル
この一戦を楽しみにしていたのに、試合序盤でCR7が負傷退場という残念な展開。
フランスは開催国でポルトガルは完全アウェーな上に、CR7がいないとなっては完全不利かと思いきや、フランスが点を取れないまま、延長戦へ。
その延長戦で、ポルトガルの期待の若手のレナト・サンチェスがまさかの先制ゴール!
延長戦終了直前には、負傷退場したCR7が足を引きずりながら、ピッチ際で監督と共に選手に死に物狂いで指示を出す、「ロナウド監督」振りが印象的だった。


値千金のこの1点を最後まで守りきり、まさかのポルトガルが優勝!
開催国のフランスはこのまさかの結果に落胆。フランス国民に歓喜を与えられなかった不甲斐なさを考えれば、この姿は頷ける。

この空気の読まなさ、12年前のEURO2004で開催国のポルトガルが決勝でギリシアに負けた歴史を思い出した。
ポルトガルは、12年前に地元で経験したあの屈辱を12年後になって、フランスの地でリベンジした、というこの巡り合わせ。
12年前にその屈辱を味わってピッチ上で泣き、「crying boy」と言われた若かりし頃のCR7が、12年後に成長して歓喜の瞬間を味わるこの展開には震える程、感動。今回も面白かったEURO2016だった。