高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 静岡マラソン:雨の中、無事完走!

3月2日日曜日、朝5時。静岡は雨。
あぁ、昨日よりも天気が悪化してしまった。
これは、久し振りの雨のフルマラソンになりそうだ。
どうやら今日も富士山は見ることは出来ず、憧れていた富士山を見ながらのフルマラソンはムリっぽい。
まぁ、富士山を見ながらのランニングは、昨年の11月の富士山マラソンで十分に堪能したからいいか、と諦めて、朝6時過ぎに宿泊先の清水市からスタート地点の静岡市へ電車で向かう。
ところが清水駅は、日曜日の朝6時過ぎなのにランナーばかりで大混雑。
それなのに、JRは静岡行きの電車を増便しておらず、電車は通勤ラッシュ並みの大混雑。
これはスタートする前からぐったりしそうだ。JRは融通が利かないなぁ、とため息。
静岡マラソンのような第1回大会になると、こういった交通事情まで配慮が回らないケースが多く、今回もこれが課題点としてランナーから声が上がりそうだ。

満員電車に揺られて静岡駅に到着すると、静岡駅もランナー一色だ。凄い異様な光景だ。


スタート会場の駿府城公園へ向かい、慌ただしく荷物を預けて、スタート地点に並ぶ。
雨は一向に止む気配無しで、スタート前からびしょ濡れだ。
雨対策用に富士山マラソンでもらったビニールポンチョを、首には防寒用として京都マラソンでもらったBuffを身に付ける。
あれ、そういえばこの2大会は失敗レースだったな。なんだか不吉だな。。。

ラソンは、スタートまで整列している時の待ち時間が暇で、この時期、とにかく寒い。
しかもこの雨だとなおさら辛い。
そんなこれから走るランナーが雨に濡れるのを少しでも防ごうと、彼女らしき女性がランナーの整列ゾーンの囲いの向こうから傘を指して、ランナーである彼氏と会話を楽しんでいる。
微笑ましい光景だ。
いいなぁ、自分もこんな存在が欲しいものだ。
愛しい彼氏のために、こんな寒くて足元の悪い日にわざわざここまで来て、傘を指して応援しに来ている。
この後、ゴール地点の清水まで移動して、彼氏がゴールするまでの数時間を今か今かと待っているのだろうか。
健気だなぁ。そんな自分を待っていてくれる存在がいて羨ましい。走っていて辛い時、「彼女が待っていてくれるから!」と彼女の顔を思い出して奮い立ち、タイムが上がるかも。
そうか、タイムを縮める為に今の自分に必要なのは、たくさんの練習よりも、そういう自分をゴールで待っていてくれる存在か。

先日購入したばかりのadidasspringgladeも雨の中のデビューとなってしまった。
ごめん・・・
今回、雨の中でこの靴を使用してみて、靴擦れなどもなく、履き心地は良かったのだが、雨で濡れたツルツルな地面(マンホールなど)の上を走るとほぼ100%滑る。
足裏に16枚のブレードがあるため、接着面が圧倒的に他の靴と比べて少ないからだろうか。
とにかく、雨の日は、springgladeを履くのは控えるとしよう。

さて、静岡マラソン、雨の中で1万3000人のランナーがスタートだ。


最初は、静岡市内を行ったり来たり。
静岡市内にある有名な静岡浅間神社の前を走る。


前には、なんとゲストランナーの増田明美さんと勝俣州和さんが走っていた。
この2人が並んで走っているところに出くわすとは、凄い偶然だ。
最近は、詳細な選手への事前調査から語られる選手愛溢れる解説で有名な増田明美さんは、今大会が8年振りのフルマラソンになるそうだ。
凄い小柄な方で、この身体でかつて世界と戦っていたのだ。
久し振りのフルマラソンが雨になってしまい、せっかくの富士山が見えないのだが、スタート前に富士山を見ながら走るのを楽しみにしていたランナーに対して、

心の中の富士山を見ながら走りましょう!

と心を和ませてくれた。
また、勝俣州和さんは、今回が3回目のフルマラソンになるそうで、2回目は昨年2月の淀川寛平マラソンとのことで、自分もその大会に出場していたので、大会の選びが同じで奇遇だ。また一緒に走ることが出来た。
彼もスタート前に、

雨なんかが怖くてフルマラソンが走れるかー!

と、いつもの勢いと大声で我々を勇気づけてくれた。
「確かに自然に負けていられない!」と、自分を奮い立たす事が出来て有り難かった。

再び、スタート地点の駿府城公園の外周を1週して、いよいよ太平洋に向かって走っていく。

安倍川餅で有名な安倍川に架かる安倍川橋が見えてきた。
安倍川橋からは東海道新幹線が見えた。


安倍川沿いの堤防の上を太平洋に向かって走る。

今回、コカ・コーラがスポンサーだったので、エイドステーションのスポーツドリンクが自分の好きなアクエリアスだったのが有り難かった。

さて、ここから10km以上、延々と続く国道150号線の一本道だ。
昨日、コース図を見ていても、この海岸線沿いの一本道が一番目立っており、ちょうど中盤なので、辛そうだなぁと思っていた。

天気が良ければ、このコースは富士山を眼前に見据えながら気持ち良く走る事が出来たのであろうが、今日は全く富士山が見えず。残念。

中間地点通過。

右手に雄大な太平洋を見ながら、一直線に続く平坦な道を走る。
本来は気持ち良いはずだが、この日は防風のための障害物が一切無い吹きっさらしのこの国道で、強烈な雨風を身体全体に受けて、本当に辛かった。そして、寒かった。
やっぱり自然には勝てないと思い知らせた時間だった。

しかし、そんな弱音なんか吐いていられない。
我々ランナー同様に辛いのは、こんな雨風の中で我々に元気に声を掛けて応援し、支えてくれるボランティアの方々だ。
我々は走っているので、身体は温まっているが、ボランティアの方々は動いていないので、雨風に濡れて相当に寒いハズだ。
そんな苛酷は状況下でずっと応援してくれている彼らには、本当に頭が下がる。
ボランティアに限らず、沿道では法被を着た少年達も応援。
雨の中に来てくれて、本当にありがとう!!

ここら辺は、別名・いちごロードと呼ばれており、日本平久能山で採れた石垣いちご売店や栽培のビニールシートがたくさんあることで有名なのだが、そんな雰囲気は雨のせいで全く無し。
25km地点。後ろに見えるのは、有名な日本平かな。

久能山にある久能山東照宮の道案内。ここもいつか行けるといいな。

国道の一本道を10km近く走ると、明らかに距離を刻むための行ったり来たりの3列で走る地点で30km地点。
ランナーの大渋滞で退屈かと思ったが、内側に行くほど人壁のおかげで雨風が防げて、意外と走りやすかった。



30km過ぎのエイドステーションでは、石垣いちごが振舞われた。
これは美味しそう!
普段、マラソン中は固形物は食べないようにしているのだが、こればかりはあまりにも美味しそうだったので、無心に放ばった。疲れている事もあって、かなら美味しかった。
この苺のおかげで、「残り12km、頑張るぞ!」と思う事が出来た。
これは、今日は調子が良い!いいカンジだ!

30kmを過ぎて、ペースを上げられるだけの力が残っている。
2週間前の京都マラソンでの体たらくとは大違いだ。
30kmを過ぎてからがフルマラソンの醍醐味なので、序盤で力を使い切ってペースが落ちたランナーをどんどん抜いて、いつまでも走っていられそうなランナーズハイが訪れた。この瞬間が本当に気持ち良い。イキそうになる笑
そんな状態で、雄大な太平洋を望む国道150号線と別れを告げ、清水市内を走り、37km地点に到達。

40km地点に到着。時間は3時間55分過ぎ。
あちゃー、これはサブフォーは完全に無理だ。。。

42km地点。ゴール目前。昨日も来た清水駅もあと少し!

ゴールゲートが彼方に見えてきた!

そして、無事、ゴール!!

タイムは、グロスタイム(スタートの号砲からゴールまでの時間)で4時間8分、ネットタイム(スタートゲートからゴールまでの時間)で4時間6分。
サブフォーは無理だったが、自己ベストに次ぐ好記録だ!
今回、コースが終始フラットで走りやすく、後半ペースを挙げられ、調子も大変良かったのだが、中盤の国道150号線で太平洋の強烈な風雨にやられてペースが少し落ちてしまったのが原因だと思われる。
調子が良かったのに、自己ベスト更新が出来なくて少し残念だけど、全てのコンディションが揃うなんてことはなかなか無い。
これもまたマラソンの難しいところであり、一興でもある。

ゴールした後、身体を動かすのを止めると、急に濡れた身体が冷え始める。
凍える身体をタオルで拭いて、寒空の下で慌てて着替え、温泉などは清水駅周辺にあるはずがないので、早々に帰阪することにした。
しかしながら、清水駅は自分と同じように静岡駅に戻ろうとするランナー達で大混雑。
明日は仕事である事を考慮すると、一刻も早く帰阪したかったので、ここはリッチにタクシーで静岡駅に向かう。
そして、静岡駅からは仕事での新幹線出張で貯めてあったグリーンポイントを使って、新幹線のグリーン車でリッチに快適に帰阪。こういうお疲れの時こそ利用するのがグリーン車だ。

結局、雨のせいで、静岡マラソンも、観光もイマイチなものになってしまったが、これも良い思い出になる。
そして、静岡県のマラソンを完走したことで、マラソンによる全国47都道府県制覇に向けて、24県を制覇することが出来た。つまり、半分まで達成、折り返したというだ。
着実に大目標達成に近づいている。
こうやって一歩一歩、マラソンでゴールに向かうように、大目標達成に向けて進んでいく。