高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 暗峠で峠走、そして生駒山上へ

年末の数件の忘年会&年末に帰省した際のダラダラ生活で蓄積されるカロリーを放っておいては確実に太ってしまうので、岐阜に帰省する前に自分で納得ができるまで大阪で走り込む事にした。
しかも、早くも1月上旬にレースに参加予定なので、特に今回の年末年始は、帰省しても、極力、摂生した生活を送る事を心に決めた。
そこで、12月28日の今年最後の日曜日は、いつものように西へ向かって走って大阪港中央突堤へ行くのではなく、東に向かって大阪府奈良県の県境に聳え立つ生駒山に向かって走る。
堺筋本町の自宅を出て、松屋町から国道308号線に入り、後はここをずーっと東へ向かってひた走る。
だんだん眼前の生駒山が近くなってきて、目標が近づいているのがすぐに分かるので、走っていてなかなか楽しい。
途中で、大型のバックパックを担いで談笑しながらウォーキングを楽しんでいる一行に3回程出会った。
国道308号線は、大阪市三重県伊勢神宮を繋ぐ伊勢参宮街道の一部なので、大阪市中央区の玉造辺りからスタートして、奈良市を経由してゆっくり歩き、元旦に伊勢神宮に到着して初詣をするのが目的なのだろう。
伊勢神宮まではかなり遠い道だろうが、仲間や家族と一緒に苦楽を共にして楽しそうだ。
彼らも自分と同じ暗峠を目指しているはずなので、ひと足先に走ってそこへ向かおう。

大阪市を離れ、東大阪市に入って生駒山も眼前に迫ったところで、立ち寄りたかったところがあった。
国道308号線沿いにある、近鉄花園ラグビー場だ。
国内有数のラグビー専用球技場であり、この年末年始はちょうど全国高等学校ラグビーフットボール大会が開催されている。
ここは、高校生のラガーマンにとって聖地であり、野球でいう甲子園球場みたいなものだ。
以前来た時は閑散としていたが、今日は全国の高校から来た高校生達を中心にかなり賑やか。
高校生のラガーマンとその家族、応援団達は、年末年始なのに大変だ。年末年始くらいゆっくりしたいだろうに。

昨日から1回戦が開始されているようで、地元・岐阜でラグビーが一番強い事で昔から有名な関商工は、どうやら1回戦負けしてしまったようだ。
でも、今年で35回目の出場だそうで、かなりの名門だ。自分が高校の頃から強かったので、それだけでもすごい。


この近鉄花園ラグビー場があるため、東大阪市ラグビーの街として知られている。

国道308号線に戻ると、生駒山はすぐそこ。
徐々に道も狭くなって登り始め、ここの近鉄けいはんな線との交差地点からがいよいよ峠越え開始だ。
急峻な峠越えの前に、ここまで12kmほど走ってきたので、休憩を兼ねて、ホットはちみつレモンで水分補給と冷えた身体を温める。


ここからはハードな峠越えスタート。
こんなに急勾配で狭隘路(きょうあいろ:狭い道)なのに、これでも国道だ。そのため、全国に点在する「酷道」のひとつとして知られている。



最初のうちは住宅街なのだが、途中から完全に山の中の狭い坂道になる。
住宅街と山の境目、山でいう森林限界みたいな場所から眺める東大阪市の街並みの景色は、いつ見ても素晴らしい。坂道を走って登ってきた人へのご褒美だ。

境目までは何とか走る事が出来たのだが、それ以降の山道は更に急になる。
こんな坂道を走るのはやっぱり限界・・・
自動車の運転手も、登るのは相当大変そう。


坂道の途中には、「奥の細道」で有名な松尾芭蕉の句碑がある。
松尾芭蕉も奈良から大阪に行く際にこの峠を越えて、大阪で亡くなったそうだ。

峠越えの途中には、この酷道308号線のハイライトとも言える、S字の坂がある。
自動車で降りる際に付いたのであろう、黒いタイヤ痕がたくさん。

それを越えると、目指す暗(くらがり)峠もすぐ。
当時の風景を残す石畳の道路が現れ、暗峠に到着だ。

ここは、大阪府東大阪市奈良県生駒市の県境だ。



ここまでの暗越奈良街道は、日本の道100選にも選ばれている。

暗峠に到着した後は、これまでなら生駒山奈良県側に駆け降りて、生駒駅まで行くのだが、今日は生駒山の大阪側の生駒縦走歩道を走ってみることにした。
暗峠から少し大阪側に戻って、生駒縦走歩道に入る。
ここは初めて行く道なので、少し不安であったが、自分以外にもトレッキングを楽しむ方々に度々すれ違うし、立札などの親切な道案内が充実しているので、まず迷うことはない。

途中に集落があって、慈光寺という小さな寺があったので、立ち寄ってみる。
こんな山あいにあって、参拝客はいるのだろうか。不思議になる。

寺内で参拝した後、冬に赤い実をたくさん付ける「マンリョウ(万両)」が植えられていた。
とても冬らしい光景だ。そのため、正月の縁起物によく使われる。

これと共に、「センリョウ(千両)」も発見。

この万両と千両の違いは、万両は葉の下にたくさんの赤い実をつけるのに対して、千両は葉の上の方に赤い実をつける。そのため、千両の方が鳥に食べられやすいのだそうだ。
万両、千両があるのなら、百両、十両もあるそうだが、その違いはよく知らない。
慈光寺を出ると、府民の森・ぬかた園地内の生駒縦走歩道を走る。

生駒縦走歩道を走っていると、途中に摂河泉展望コースと交わる場所があった。
生駒山にはたくさんのコースがあるようなので、今回、どれを選択しようか、しばし迷ったが、一度も行った事がない生駒山の山上につながる摂河泉展望コースに行き、生駒山山頂を目指すことにした。

まさか、ロード用のベアフットのシューズで山登りをする事になるとは思わなかったので、滑らないように気をつけなくては。
少しだけ山道を登ると、あっという間に生駒山の山上に到着。
これが下界からいつも生駒山の山上に見えている電波塔だ。今日はその電波塔の真下にいる。何だか感慨深い。


生駒山上にある生駒山上遊園地は、現在、冬期休園中。
メリーゴーランドなどは止まっていて閑散としており、自分と同じようにトレッキングのために立ち寄っている人々がちらほらいるくらいで、かなり淋しい雰囲気。


しかし、生駒山上遊園地からの大阪平野の眺めは最高だった。
天気があまり良くなくてガスっているが、それでも十分に素晴らしい。
自分が住んでいる大阪の街並みを見下ろす景色、すごい。
これは夜景もまた綺麗なんだろうなぁ。夜も一度来てみたいものだ。


素晴らしい景色を楽しんで癒された後は、生駒山奈良県側に降りる。

途中で宝山寺の参道につながるので、久し振りに宝山寺を参拝。
2014年1月に初詣に来て以来なので、2014年も五体満足に過ごす事が出来て、今年のマラソンの目標を無事達成できた事を感謝(マラソン以外のプライベートは1年前と変わらずで、何も叶わなかったが・・・)。

参拝した後は、もうすぐ初詣で大混雑するであろう、参道を駆け下りる。


参道沿いの家の園芸には、キャベツみたいな葉牡丹がたくさん。これも冬らしい風景だ。

そして、生駒駅前でゴール。
約24km。生駒山に登ったり、ゆっくりしたりしたおかげで、4時間もかかってしまった。

でも、初めての道を走って、一体どこに着くのか、この先に何があるのかがわからずにドキドキして、普段の生活では得られない刺激とスリルを味わう事ができて、むしろ楽しかった。
東大阪市のホームページを見てみると、生駒山には他にもいろいろなルートがあるらしいので、峠走で脚力を鍛えるためにもまた来てみよう。