高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 宮古島100kmワイドーマラソン:無事、100km完走!

1月11日日曜日の宮古島100kmワイドーマラソンの後半戦。
50km地点のレストステーションで休憩して着替えた後、宮古島の北部からどんどん南下。
前半のコースと打って変わって、後半はサトウキビ畑しかない単調な田舎道。しかもアップダウンが多い。

前半の好調さから調子に乗って登り坂も走って登ろうと思ってしまった事もあって、体力を使ってしまい、今思い返せば60kmまでが一番辛かった。

ただ、ここで補給食として持ってきていた、トレイルランニングや登山用の携行補給食のひとつ、「ハニースティンガー」を注入。
天然はちみつをベースにしたこのエナジージェルが自分に合っていたようで、思わず「甘っ!」と口に出してしまう程の強烈な甘さに完全に目が覚めて、とても美味しかった。
朝から何も食べていない事もあって、ガス欠が回復し、糖分により頭も冴えて、気力も体力も回復。
前半は50kmで2回しかエネルギーを補給しなかったが、ここからは10km毎にエナジージェルを補給する事に決める。
そして、今後のエナジージェルはこのハニースティンガーにお世話になろうと心に決める。

CLASSIC ENERGY GELS GOLD

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エイドステーションでは、沖縄特産の黒糖やサーターアンダギーなども。
いずれも大好きななのだが、ランニング中は疲れで機能しなくなった胃に物が溜まらないようにするために、エイドステーションの固形物を食べないようにしているし、体力も回復してきたので、有難いけど、ガマンしてここはスルー。

60kmから70kmの間、単調なサトウキビ畑の中の田舎道から視界が開けて、海岸線の絶壁を望める場所に。
うわー、素晴らしい眺め!そして、海の色が綺麗だ。


70km地点に到達。
この辺りは下り坂が多くて、体力と共に調子が戻ってきた。
100kmも走っていると、好不調の波があって、とても面白い。
不調だからといって、そこで走るのを止めてしまってはいけない。
そこを我慢して乗り切れば、また好調の波がやってくる。
如何なる状況も乗り越えらえるメンタルが必要だ。
6時間13分33秒という驚異的でいまだに破られていない、ウルトラマラソンの世界記録保持者の砂田貴裕選手が、NHKのランスマでこんな金言を言っていたのを思い出す。まさにその通りだ。

ウルトラマラソンは、実力3割、メンタル7割。

100km走っている間には、数々のドラマがある。これがウルトラの醍醐味のひとつだ。

70kmを過ぎたところで、これまでのコースと違う、左右に海を見ながら走る事ができる、海岸に突き出たコースを走る。ここを走った先にあるのが、宮古島の東端にある東平安名崎だ。

75km地点にある東平安名崎の灯台に到着。
ここに着いたら、残り25kmでゴールに向かうだけだ。


80km地点の海宝館という宮古島で有名な観光スポットの前に到着。

ここで、「ワイドー(頑張れ)
」と書かれた看板を掲げて我々ランナーを応援してくれる青年に、本日、3回目の遭遇。
思わず写真を撮らせてもらうと共に、その青年に「今日、3回目ですよね。ありがとうございます。」と声を掛けると、「あと2回、応援する予定です。頑張って下さい!」と応援してくれた。
どうやら原付バイクでコースのところどころに先回りして、我々を応援してくれているようで、この後も90km地点と95km地点で出会い、元気と笑顔をもらえた。
彼もせっかくの休みであろうに、貴重な時間を使って何の見返りも無く、我々を応援してくれるなんて、なかなか出来ることじゃない。とてもありがたかった。感謝!

ここのエイドステーションでぜんざいがあったので、その魅力につられて食べさせてもらう。これであと20km頑張れそうだ。

しかし、80km以降がなかなかタフなコース。
海岸線のアップダウンがかなり激しくて、その斜度もこれまでにないほどに急峻で、とてもじゃないけど走る事は無理。80kmを越えてこのコースを設定するとは大会側も意地が悪い。
宮古島って山が無いからアップダウンは少ないと思っていたが、それは大間違い。しまった、事前に全体のコースマップの特徴をもっと見ておくべきだった、とちょっと後悔。


そこで、こちらも「登り坂は歩いて体力を温存し、下り坂とフラットな道は走る」というウルトラマラソン用の作戦に変更。
そのため、ここまでかろうじてキープし続けてきた7分/kmのペースは遅くなって、完走タイムは遅くなってしまうのは確実になってしまったが、自分にとってウルトラマラソンは完走できれば御の字のため、ここは無理は禁物。
ただ、この作戦に切り替えた事が功を奏して、本来であればキツイであろうアップダウンの激しいこのコースが何だか楽しくなってきて、全然辛くなかった。楽しく走る事が出来ればそれでいい。
85km地点に到達。
まだまだこの先もアップダウンが続きそうな雰囲気だが、ふと後ろを振り返ると、彼方に東平安名崎の灯台が見えた。
さっきはあそこにいて、ここまで10km走ってきたのか。
そんな走力が身に付いた事が実感できて、何だか感慨深いものがある。


90km地点の手前でようやくアップダウンが多い海岸線沿いのコースが終わって、90km地点は一転して住宅街のコースに。

今回、コカ・コーラがこの大会のスポンサーの1社であった事もあって、5km毎のエイドステーションにはアクエリアスと共にコーラがあって、大変助かった。
長い距離を走っていると、どうしても大好きな炭酸飲料の喉越しが恋しくなって、自動販売機で購入したりするのだが、今回はその必要はなかった。一応、お金を持って走っていたのだが、要らなかったな。

95km地点手前、下り坂を走って下りてくると、左手に宿泊先である「ブリーズベイマリーナ宮古島」と隣接する「うえのドイツ文化村」の中にある城が見えてきた。つまり、ゴールまであと少しということだ!

95km地点に到達!
距離表示の看板も、残りの走行距離を示す「あと5km」に変わって、いよいよゴールに向けてのカウントダウン!
ここからしばらくは、海岸沿いの車道よりも広いフラットな歩道が続く。
後半になってずっとアップダウンのあるコースだったので、こういう広くてフラットなコースを待っていた。
しかも、80km以降は登り坂は歩くようにして体力を温存しておいたので、終わりが見えてきた今、その体力を発揮してラストスパートをする時が来た!

ここぞとばかりにダッシュ
95kmを過ぎて、まだこれだけ走られる走力がある事がとても嬉しい。

あと4km。
前を走るランナーをダッシュで追い抜く。
50km以降、同じコースを走っている50km部門のピンクのゼッケンを付けたランナーが、50kmも余分に走っている100km部門のランナーに抜かれる時の心中は察するものがあるが、ここは遠慮などしてられない。

時刻は17時を過ぎた。早朝5時にスタートして12時間経過。
何とか日が落ちる前の12時間台でゴール出来そうだ。

あと3km。
まだまだ大丈夫。ペースを上げて走り続ける。

あと2km。
ここに来て、最後の急坂がやって来る。ここは有り余っている力を出して、一気に駆け上がる。


あと1km。
ここまで来ると、1kmなんてあっという間。

先にゴールゲートが見えてきた。栄光のゴールだ!


宮古島100kmワイドーマラソン、無事完走!
タイムは12時間22分で、100kmの自己ベスト更新!!

2013年10月の四万十川ウルトラマラソンにおける自己ベストが12時間51分だったので、約30分も更新できた。
100kmを通して、終始、好調だったので、「もしかしたら、12時間を切れるかも!」と淡い期待を抱いたものの、80km以降の急な登り坂の連続によるペースダウンが予想外だった。
それがあっても、自己ベストを更新できたのは、後半の登り坂以外はずっと走り続ける事ができたが故だ。
一度も辛くてしかめっ面になるようなことは無く、体力に余裕を残して100kmを完走する事ができたし、100km走っているのにどこも痛みがなくてまだまだ走る事ができそうで、自分の走力や強靭な身体に自信がついた。
この大会はタイムを狙えるようなコースではないので、もっとフラットなコースであれば、12時間を切れそうだ。
3月29日に大阪で第1回大会が開催される事になった「OSAKA淀川ウルトラマラソン」にて、それを目指そう。またひとつ新たな目標ができて嬉しい。
完走後、まだまだ走る事ができそうなくらい体力に余裕があったので、しばらく休んだ後に、後夜祭に参加。
本土での開催であれば、その日のうちに帰宅してしまうランナーが多いために前夜祭が多いが、離島の場合はその日のうちに島を離れるランナーはほとんどいないので、後夜祭が開催されることが多い。
朝から何も食べていなかったので、宮古島の伝統民謡を見ながら、ここぞとばかりにたらふく腹ごしらえ。胃もびっくりしているハズだ。


表彰式も同時開催。
女性の優勝者は、12連覇の快挙達成とのこと。12年連続で100kmで優勝し続けるって考えられない・・・。一体、どんな練習をしているのかが不思議になる。凄い!

そして、1番驚いたのは年代別の表彰式で、70歳代の方が10時間台で完走されていたこと。
70歳を過ぎて100kmを走る事ができ、今の自分でも考えられない10時間台で完走されるとは凄過ぎる!
こんな風にいつまでも楽しく走っていられるような健康的な歳のとり方をしたいものだ。
そもそも、自分も含めたここにいる多くのウルトラランナーにとっての目的は100kmを完走して自分に克つことであり、タイムや順位など気にしていないハズなので、表彰式など興味も無かったのだが、良い刺激をもらえた。

結局、遠路はるばる高額のツアー代を支払って宮古島まで来たものの、観光は全くできなかったのだが、宮古島を走って1周して、この島を巡る事ができただけで十分だ。宮古島を十二分に堪能できた。
日本全国で年明け1番最初に開催されるウルトラマラソンを完走し、2015年で1番最初に公式の大会で100kmを走ったランナーの1人になる事ができて、とても嬉しい。
半年振りの100kmを走ることになり、スタート前は不安があったが、これなら6月のサロマ湖100kmウルトラマラソンもいけそうだ。
今度につながる良い実績を残すことができて、良かった、良かった。