高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 能登半島すずウルトラマラソン:峠越え連続の前半

10月18日日曜日、「能登半島すずウルトラマラソン」の午前5時スタートに向けて、午前1時30分という普段ではあり得ない時間に起床。
こんな時間であっても、これから大好きな事をするので、パッと目が覚める。平日の起床時とは大違い。人間とは不思議なものだ。
午前3時に旅館のロビーに集合して、真っ暗の中、珠洲市珠洲健民体育館へたくさんのウルトラランナーと共にツアーバスで移動。
真夜中にたくさんのウルトラランナーが集結しているのは異様な光景であるが、ウルトラマラソンへの出場経験が10回近くになってくると、こういうのも慣れたものだ。
10月なので、日の出は午前6時過ぎ、日の入りは午後5時過ぎと、午前5時のスタート直後は真っ暗、ゴール時も遅いランナーは真っ暗になるということで、スタート時と85km以降は蛍光ベルトが必要。大会側からの無料貸出というのは初めての経験だ。
そういえば、同日開催の四万十川ウルトラマラソンに2012年と2013年に出場した際は、スタート時はボランティアの方々がコースに設置してくれたロウソク、ゴール直前には車の荷台に積んだ大きなライトがコースを照らしてくれていた。この時期のウルトラマラソンの運営は大変だ。

大会実行委員長の方が準備してくれた、マイカップならぬ、マイ竹コップ。
エイドステーションでの紙コップ節約の一環として、ランナーにこれの使用を薦めていた。
この後、自分も記念にこれを持って走ったのだが、10km走った所で紐が切れてしまい、以降は手に持って走ることに。
携行性には確かに悪かったが、手に持っていた事で手に余計な力が入らずちょうど良かった。それにこれでエイドで水分を摂取すると、竹の匂いがしてなかなか良かった。
途中で捨ててしまっても良かったのだが、せっかくなので最後まで持って走って良い思い出になった。

朝5時、いよいよ「能登半島すずウルトラマラソン」スタート!
この大会でお馴染みのカルスト星人さんが壇上に上がって我々ランナーにエールを送った後、今回が初ウルトラマラソンになる、にしおかすみこさんがお馴染みの絶叫で登場し、我々を驚かせてくれた。
彼女は最近では芸人というよりはランナーとしてのイメージが強く、フルマラソンもサブ3.5の記録を持ち、今回もこの後、102kmを10時間8分で完走し、女子の部で2位という好記録。100kmであればサブ10というウルトラランナーの夢を初ウルトラで達成していた事になり、かなり凄いランナーだ。


約8km走ってくると、陽が昇り始めて明るくなってきた。
ここには見附島という小さな島がある。軍艦に似ているので、別名を軍艦島というそうだ。

「えんむすびーち」と書かれた鐘があり、これを鳴らすと恋が成就するらしい。
自分も試しに鳴らしてみた。果たして本当に恋が成就するのだろうか。今後に期待しよう。


早朝なので、朝靄が畑を覆っている幻想的な光景だ。

見附島で折り返した後は、一旦、珠洲市街に戻るものの、15km過ぎからは一気に田舎道へ。
普段、大阪の中心部の高層ビル群の片隅に住んでいる自分にとって、こういった日本の原風景の中を走る事が出来るだけでも幸せで楽しい。
20km地点の田舎道。今日は天気が良い上に涼しくて、まさにランニング日和。
例年、悪天候に悩まされる今大会らしいが、今日は晴れて良かった。
早朝の気持ち良い太陽の光がまぶしい。
この後、しばらく山道が続くらしいが、それを越えた後、この天気で日本海を眺めながら走るのは楽しみだ。


そして、噂に聞いていたアップダウンが激しい峠越えのコースの始まりだ。
まずは、八太郎峠。登り坂としては大した事がないものの、ダラダラと長く続く。まだ序盤なので、ここで歩いてしまってはタイムロスになるので、ペースは落ちるものの走って登る。

八太郎峠の頂上のエイドステーションでは、オロナミンCが振舞われる。
スピードが重要なフルマラソンでは腹が膨れてしまってペースに影響が出る炭酸飲料は厳禁だが、長い旅路のウルトラマラソンでは気分転換に必須。炭酸飲料の喉越しが疲れたランナーに元気をくれる。
エイドで振舞われるのはコーラが定番だが、オロナミンCを提供してくれる大会側の太っ腹に感謝!

ただ、峠道は登ったのであれば、下りがあるワケで、下りは大好き。
峠の頂上で珠洲市から輪島市に入り、そこからの素晴らしい景色を見ながら、調子に乗ってペースを上げ過ぎないように駆け下りる。
ずっとフラットな道が続くサロマみたいなコースであればタイムが狙えるので良いが、こういうアップダウンがたくさんあると飽きないので、これはこれで楽しい。



八太郎峠を終えた後の35km地点にて、「自分エイド」としてスタート前に預けておいたRED BULLを飲んで、次の舟木谷峠に挑む。

この峠は坂道は大した事はないものの、小刻みなアップダウンが続く。
その途中で40km地点に到達。フルマラソンなら終盤なのだが、ウルトラマラソンではまだ半分にも到達していない。

ふぅ、舟木谷峠が終わって、名舟町という集落に到着。到着したのは良いものの、この先で折り返して、再びこの峠を越える事になると思うと気が重い・・・

久し振りに見た日本海沿いの町中を走って、45km地点である2つ目の折り返し地点である白米(しろよね)千枚田に到着。

日本中に数ある千枚田の中でも、ここは山の中では無く、能登半島北岸を走る国道249号と日本海との僅かな崖地にあって大変珍しく、かつて小泉純一郎・進次郎親子がこの地を訪れ、絶景と評した場所として有名だ。
絶景スポットはこの先にある道の駅らしく、そこに行く手前で折り返すこの地点では千枚田の風景がイマイチで残念。

45km地点の白米千枚田を折り返した後、名舟町の集落を再び走り、また舟木谷峠を越える。
アップダウンの連続に気が滅入る。さすがにここの登り坂を走ってしまっては体力を消耗してしまい、後半に響くと判断し、登り坂は歩きを入れたり、走ってみたりして前へ進んだ。
峠の山道の途中で50km地点に到達。ようやくここで半分だ。

そして、下り坂は登りの歩きで蓄えた体力を使ってペースを上げて駆け下りる。

ようやく合計3回の峠越えを終えて、ここからしばらくは日本海を眺めながらフラットな道をランニング。
峠越えは辛かったが、まだまだ大丈夫。これからの長い道中、好不調の波を繰り返すのがウルトラマラソンの醍醐味だ!