高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 おかやまマラソン:沿道の応援にもんげー感動&4週連続のマラソン無事完走

11月8日日曜日、記念すべき第1回大会となる「おかやまマラソン」当日。
目覚めてホテルグランディア岡山の部屋の窓から岡山駅前の町並みを見下ろすと、雨がパラついており、前日の予報通り、今日は久し振りの雨のレースになる事を覚悟した。

朝7時30分に岡山駅前で、会社の同期と待ち合わせ、傘をさしてスタート地点の岡山県総合グラウンド体育館へ向かった。
体育館に到着すると、そこは荷物を預けようとするランナーで大混雑。
明らかにこの体育館では1万4,000人近くのランナーを処理できていない。
整列時間まで時間がないのに待たされて少しストレス。これも第1回大会だから已む無しだ。

同期と共に慌てて着替えて荷物を預けてスタートのBブロックに向かうと、整列締切時間間際に今年6月のサロマ湖100kmウルトラマラソンにて相部屋だった、岡山が地元のNさんと再会。
この大混雑では再会は難しいと諦めていたので、お会いできたのは奇跡に近い。整列締切時間が近づいていたので、ゆっくり喋ることはできなかったが、ひと目お会いして、お互いの健闘を誓い合えたのは大変嬉しかった。
Bブロックのスタート地点に並ぶと、朝からの雨は止んでおり、どんよりとした曇り空。
さすが「晴れの国 岡山」!
この後もゴールに至るまで雨はほとんど降らず、岡山がその名前で呼ばれている所以を垣間見る事ができた。

8時45分、雨が止んだ曇天の中、「おかやまマラソン」スタート!

まずは岡山市内。岡山駅前のメインストリートである桃太郎通りを走る。
先週の富山市に続いて、ここ岡山市岡山電気軌道路面電車が走っている。


岡山駅前を左折。駅前には宿泊したホテルグランヴィア岡山の大きな建物がある。


10km手前でゲストランナーのオリンピックメダリストの有森裕子さんとすれ違う。2007年の第1回東京マラソンで走って以来、約8年振りのフルマラソンとのこと。
大きな声を上げて、走っているランナーを鼓舞したり、沿道の方々にハイタッチで応えたりと、みんなを楽しませてくれていた。
これを42.195km続けていたら相当疲れるだろうが、そこはさすがにメダリストで余裕で完走されていた。

岡山市内を出た後は、コース沿いにランドマーク的な見所が無く、走っている方としては少々退屈な郊外の街や田園地帯を走る。
しかも、おかやまマラソンのコースは橋が多くて、そのアップダウンがある。そうなってくると、走っているランナーとしては気が滅入り、疲れた気分が増す。
しかもこの日は雨が止んだばかりで湿度が高い上に、時折陽が差して気温が上昇して、発汗量が凄かった。
自分に限らず、この高温多湿のコンディションに多くのランナーが苦しんだようで、一緒に出場した会社の同期も「今日は発汗量が異常だった」と言っていたし、RUNNETの出場ランナーの完走レポなどを見ていると、みんな一様に「今日はダメレースだった」と言っていた。


前半からペースが全く上がらない中、25km地点に到達。
岡山と言えばきびだんごということで、ここはきびだんごエイドだ。
きびだんごといえば、可愛らしい絵が特徴の廣榮堂(こうえいどう)。一番人気のメーカーだそうだ。
あの絵を見ると、子供の頃に見た絵本を思い出す。


きびだんごエイドを過ぎると、前方のピッコロ大魔王をスルー。
沿道の方々から大人気。相当辛そうだったが、ピッコロのお面を持って、時々顔に当てながら応援に応え、元気に走られていた。
仮装をして走る事の楽しさを知っている自分にとって、大阪マラソンでの事を思い出しながら、沿道から声援をもらっていいなぁと羨む。

30km地点に到達。
おかやまマラソンでは、1kmごとの距離表示の度に、出場ランナーから集めたマラソン川柳が飾ってあり、走っていると「次の川柳は何だろうなぁ」と気になり、1km先の川柳を見るのが楽しみになってくる。
コースが退屈で楽しみが少ない事を大会側も自覚しての試みだろうか。
これを見ると一瞬でも疲れを忘れさせてくれるので、この試みはとても面白かった。
42個くらいあった川柳の中で、自分が一番お気に入りで、今でも覚えているマラソン川柳は以下。

とりあえず 次の目標 次の角

然り。ひとつずつ小さなマイルストーンをクリアしていった先に栄光のゴールがある。

30kmを過ぎると、前日のコース下見で一番の難関と聞いていた岡南大橋にやって来た。
ただ今まで経験してきた坂からしたら大した事はない。
それに、ここに来て、沿道の応援が更に盛大に。
「この途切れない応援の中で歩いてなどいられない」と奮起する。



岡南大橋を渡り終えると、橋の下のコース沿いに昨日食べた小豆島ラーメンのエイドを発見。
コースから外れた場所にある上に、自分は走っている時は固形物を食べないのでスルーしたが、あのラーメンを走りながら食べられるなんて、大会側も太っ腹。

さて、ここから約10kmは旭川沿いの堤防を延々と岡山市街に向けて走り続ける。
昨日のコース下見で、後半の30km以降の一番辛い時に、この単調なコースとあってはかなり辛い。
ランナーの歩きたくなるメンタル面を試されるコースになる事は覚悟していたので、「一番辛いここでは、絶対、歩かない!」と今までの低調なペースを挽回する為にペースを上げて走る事にした。

辛い堤防のコースと思われたが、堤防の両側からの岡山市民の盛大な応援が凄かった。
この大会の開催を聞きつけ、わざわざ日曜日に堤防沿いまで駆けつけてくれて、一番辛い時に大変勇気づけられた。
ペースを上げて走っていて辛い時に、目の保養と笑顔をありがとう。美しい。

39km地点に到達。この辺りは大変辛くてうまく写真が撮れていないのだが、左手に昨日観光した岡山後楽園とその奥にある岡山城が見えてきた。あとちょっと!


旭川沿いの堤防のコースが終わり、40km地点を越えた岡山市内のコースで奇跡が起きた。
眼前の山陽本線の線路を、昨日乗ったヱヴァンゲリヲン新幹線「500 TYPE EVA」の紫の車体がちょうど通って行った!
あれは新大阪発、博多行のこだま741号が岡山駅を12時40分に出発した便だ!
昨日、あれに乗ってここ岡山にやって来た!!
おかやまマラソンのコース上からヱヴァンゲリヲン新幹線を見られるなんて奇跡だ。
平成29年3月までの運行なので、このチャンスは今日と来年の2回しかない。
昨日、相生駅ヱヴァンゲリヲン新幹線に乗って停車している時にドクターイエローが偶然にも通過したので、相生駅に待機していたカメラマンはその共演を撮影できて羨ましいと思っていたが、こっちの方が何気にスゴイ。
疲れているのに思わずテンションが上がったものの、8時45分にスタートして、41km手前で12時40分を過ぎているということはサブ4での完走は難しい事を悟ってガッカリ。


そして、ゴール地点がある岡山県総合グラウンド内にあるシティライトスタジアムにやって来た。

立派なスタジアムだ。こうやって観覧席があるスタジアム内でゴールというのは珍しいのだが、その貴重さを忘れる程に余裕が無かった。


無事ゴール!
タイムは、4時間2分38秒で、後半ペースを上げて前半の低調なペースを挽回できたものの、2週連続のサブ4達成はムリだった。

ゴール直後、1時間前にゴールされていた岡山にご自宅がある、2013年に完走した隠岐島ウルトラマラソンで相部屋だったSさんに声を掛けて頂き、お互いの健闘を讃え合った。
萩往還などの100km以上の超ウルトラや長距離のトレイルにも出場されて活躍されており、来年のUTMF出場を目指されているとのことで、自分も見習いたいものだ。
おかやまマラソンの完走メダルは、備前焼。この独特の模様はランナーそれぞれで違うそうだ。
紐は、瀬戸大橋があってジーンズで有名な繊維の街・児島で作成された真田紐だそうだ。


何故か、FINISHERの文字よりも、スポンサー企業のロゴの方が大きい完走タオル。
これでは完走後にこれと一緒に写真を撮っても、何の事だか分からない。ちょっと不満。

完走した後は、ジップアリーナに戻って、その中の観覧席で着替えて、完走の達成感と気持ち良さに浸りながら、同期が完走して帰ってくるのをのんびりと待った。
同期と大阪マラソンでもご一緒したNさんと合流して、3人共、大変だった今日のレースを振り返りながら、岡山のB級グルメのひとつ「津山ホルモンうどん」を食べた。

そして、帰りの岡山駅で、これも岡山のB級グルメらしい「えびめし」を食べた。

完走後に大会側からもらった、キムラヤの「バナナクリームロール」も名物らしい。うまい!

そして、岡山に来たら、絶対、買って帰阪しようと決めていたのが、この「ままかり」だ。
まんま(御飯)を借りに行きたくなる程に食べたくなるから「ままかり」。
セブンイレブンにも売っているので、たまに買って食べるのだが、かなりご飯に合って美味しいから大好きだ。

こうして見ると、岡山はお土産も名物もいっぱいだ。自分で食べたかったので、きびだんご、岡山銘菓の調布、倉敷名物のむらすずめのバラ売りを買って帰阪した。

おかやまマラソンは、コースとしては辛かったものの、沿道の応援が素晴らしく大変感動した。
そして、無事完走できたことで、「4週連続のマラソン出場」などという蛮行を全て完走という形で終えられ、本来であれば達成感を感じているハズが、今回4時間以内で走られなかったことで、「2週間後の制限時間4時間の大田原マラソンを完走できるのか。自分の走力では時期尚早なんじゃないか・・・」という不安しかなく、後味がちょっと悪かった。
何にせよ、47都道府県のマラソン制覇に向けて、37県目達成だ。残り10県!