高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

秘境奥島根やさかウルトラマラニック:地元の方々&曼殊沙華の歓迎の中に無事完走!

2019年9月29日日曜日、「秘境奥島根やさかウルトラマラニック」当日。

午前3時に浜田駅前に集合して、舞台となる島根県浜田市弥栄へバスで移動。

こういう機会でも無ければ、まず観光などで行く事はないであろう、島根県西部の山の中でまさに秘境だった。

昨年は台風で中止になったので、2年越しで出場が叶ってこの地に来る事が出来て嬉しかった。

弥栄支所の中で準備。自分は、100kmのウルトラマラソンではトレランバッグを担いでのランはせず、腰にFlipBeltを装着して携行補給食を持って走るくらいなのだが、この大会は、スタート前にヘッデン(ヘッドライト)やエマージェンシーシートが必携で、スタッフのチェックが入るのを事前に把握しておらず、スタート会場の売店で慌ててトレランバッグを急遽購入。そこに荷物を入れて、事なきを得た。しまった、推奨、と勘違いしていて、反省。

午前5時の真っ暗の中にスタート。

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最初、ゾロゾロと進んで、いきなり下り始めて大長見ダムへ。

アップダウンが多いコースと事前に聞いていて覚悟して臨んでいたが、まだ元気な序盤に下るのは飛ばして良いのか、セーブするべきかを迷うので、ちょっと嫌だった。

10km走って、大長見ダムへ到着。

街中だと川沿いを、山奥だとダム沿いの殺風景なコースを走らされるのが、ウルトラあるあるだなぁと思いながらラン。

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最初のエイドはクッキー。

この大会はアップダウンでキツくて、コース沿いに特に何も無い田舎なのだが、エイドのおもてなしが素晴らしい事を聞いていたので、エイド毎に何が振舞われるかが楽しみだった。

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ダムを過ぎると、早速、登り坂がやって来た。

「これかぁ」と溜め息をしながら、序盤なので、走って登り始めた。

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ダムに向かう山の中の道を走って、20km手前の小坂集会所エイドの直前には嬉しいことが。

大阪では9月中旬のお彼岸の時期を過ぎても全く出逢えなかった曼珠沙華彼岸花が、道路脇に群生しているお馴染みの風景が眼前に見えてテンションがかなり上がった。これだ、この風景を見たかった。今年は島根県でこの燃え上がるような赤色の花を見られる事ができた!

今後もコース脇で何度も曼珠沙華の群生を見られて、元気付けられた。

今年の曼珠沙華の咲き始めの時期は遅れていたようだが、この大会の開催を待っていたかのように満開になってくれて、まるで我々ランナーを応援してくれているようだった。

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19kmの小坂集会所エイドでは、小松菜スムージーやかき氷など珍しい食べ物ばかりあって嬉しかった。

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ここからの10kmはほぼ登り。

まだまだ元気なので、基本は走って昇って前へ進み、30kmを過ぎた横谷集会所エイドで最初の登りは終わり、しばらくここからは下り基調。

エイドの方に、「このコースの最高点をクリアしたよ。」と教えて頂いて驚いた。

「確かに・・・じゃあ、この先も大した事ないのかな。」と少しでも思ってしまったのは大きな間違いであった事を後から思い知られた。

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このエイドでは、甘酒を堪能。ほのかな甘さが美味しくて、3杯くらい戴いた。

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下り基調にはなったものの、陽が昇って一気に暑くなってきた。

36kmの小角集会所では炊き込みご飯を食べながら被り水をし、42kmの阿郷の郷エイドでは冷凍ブルーベリーを食べ、ブルーベリーサイダーを飲んで暑さを凌いで先に進んだ。

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そして、44kmのレストステーションになっている憩いの家に到着。

上だけ着替えて、エイドで地元の郷土料理で弥栄の名物・うずめ飯を戴いた。

地元の方に聞いたところによると、かつて質素な食事が求められていた頃、贅沢に見られないように、具材の表面を米で覆って質素な食事に見せていたそう。これを混ぜて食べるととても美味しい。

この後、76km地点でもここに立ち寄るのだが、ここでもうずめ飯を食べて、2回共、完食!

そして、ここで出された紫蘇ジュースも絶品だった。

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この先、約20kmに亘って、ほぼ風景が変わらない川沿いの道を延々と走らされる。

思い返せば、100kmのコースを通して、この区間が一番辛かった。

暑い、殺風景、エイド間隔が長いの三重苦で、とても苦しかった。

52kmのマンナムという韓国料理店のエイド。こんな山奥で韓国料理をやっているとは信じられなかったが、チヂミが美味しかった。

再び、ダムの周りの殺風景な道を延々と走らされて、65kmの道遠坊公園エイドでは、元気玉と呼ばれているたこ焼きを戴いた。

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もうすぐ70kmという手前からはとても走って登れない程の急な坂道がやって来た。

ここまでずっと走っていたので、この登り坂で歩くことが出来て嬉しかった。攻めの歩きで登り坂を登った。

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そして、70kmの小熊集会所に到着・・・という手前で、ここまで沿道にたくさん曼珠沙華が咲いているのであれば、見つかるのではないかと期待して目を凝らして探していた白色の曼殊沙華を発見!

やっぱりあった!白色はかなりレア!!

久し振りに見たので、疲れているのに相当にテンションが上がった。

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70kmの小熊集会所エイドでは竹筒に入ったそうめんが振る舞われた。うまい!!

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残り30km。

この後も小刻みなアップダウンが続き、束の間のフラットな水田などが脇にある田舎道ではその沿道に、誰かが植えたワケでもないであろうに曼殊沙華が沿道に束になって群生し、ほぼ等間隔で咲き誇っていた。

まさにこの時期だけの曼殊沙華街道と言わんばかりのコース上に多々あって、自然が造り出したこの光景に感動を覚えた。

何でこの時期だけにこんな風に咲くんだろう。本当に不思議な生態だ。

地元の方々にとっては、毎年の当たり前な光景なのだろうが、都会暮らしの自分にとってはこの不思議な光景が新鮮で、本当に癒された。

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76kmで再びやって来た憩いの家ではうずめ飯を再び食べ、82kmの野坂集会所エイドではにんじんゼリー、88kmの栃木集会所エイドではコーヒーゼリーにクッキーを食べて、90kmを越えた辺りから陽が落ち始めてきた。

91kmの稲代集会所エイドでは、残り9kmなのに、らっきょうの天ぷらや黒にんにく、こんにゃくのきな粉餅、ポップコーンなど、エイドとしては珍しいものばかりが振舞われて驚いた。

この大会は本当にエイドが充実している。ウルトラでこんなに食べたのは久し振り。

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残り9km。

「暗くなる前にゴール!」を目標に、この後の下り坂を激走し、その後もペースアップして走ったものの、ゴール直前の18時30分頃には真っ暗になってしまって、ヘッデンを再装着することに・・・

そして、真っ暗になった直後、無事、スタート地点の弥栄支所にゴール!

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しかし、水田などの田舎道にダム周辺の殺風景なコースに加え、100kmに亘ってアップダウンしかない過酷なコースで、噂通りであった。
100kmを完走するのに、フラットなサロマ湖ウルトラでは10時間13分で完走できたのに、ここでは13時間36分かかっているのがそれを物語る。

アップダウンばかりにエイド間隔も長くて過酷だったが、

「こんな事で文句を言って歩いていたら、11月の勝負レース・長崎橘湾岸スーパーマラニックのH部門・320kmを制する事は出来ない!」

と言い聞かせてガマンのランだった。

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でも、そんな見所が何にも無いコース&大変さを補って余りある、エイドの充実さや、地元の方々の温かい応援、沿道とエイドでの地元の方々との「どこから来て下さったの?」から始まる触れ合いがとにかく癒された。

そして、我々ランナーを歓迎してくれているかのように、半月遅れで満開を迎えた、大好きな曼殊沙華(彼岸花)が沿道に燃え上がるように群生していて、終始テンション上がりまくりの道中だった。

地元の方々&曼殊沙華が我々を歓迎してくれて、大変思い出深い100kmの旅になった。

これで島根県ウルトラマラソンは4大会走ったが、ここも類に違わず大変な中にも素晴らしいおもてなしがあって、終わってみればまた参加したい大会になった。

来年もエントリーしようかな。

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