高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 北海道マラソン:地獄を見た後半

中間地点の21kmを迎える前になってくると、ペースがガクンと落ちた。
その理由は主に以下の3つである。

  • 1つめは、やはり暑さだ。

いくら夏の北海道といっても暑いものは暑いので、徐々に上がっていく気温に体力が奪われてしまったようだ。

  • 2つめは、胃腸トラブルだ。

自分は胃が弱いのだろうか、度々こういうトラブルに陥るので、前日の夜と当日の朝はほぼ絶食にしてゼリーのような消化の良いものしか食べずにいて、スタート前に胃薬を飲むようにしているのだが、昨晩食べたみそラーメンのためか、朝摂ったゼリーが多過ぎたためか、胃薬を飲み忘れてしまったためか、暑さと疲れで胃が機能しなくなってしまったためか、またもや胃腸トラブルに襲われてしまった。
これにより、腹部膨満感と吐き気が凄くて、何度も呼吸を整える為に止まらざるを得ない状況に陥る。

  • 3つめは、準備不足だ。

先日、ウルトラマラソンを完走した実績から、完全にフルマラソンをなめていた。
それ故に、最近、仕事が忙しいから・・・と言って練習を怠っていたが故の準備不足の結果が露呈した。

これにより、徐々にペースが落ち始め、吐き気で止まってしまうことが多くなり、顔も歪み始めて余裕が全くなくなり、相当辛い状況になってきた。

そんな状況の中でも、なんとか折り返し地点に到着。
あとは札幌市内に戻るだけなので、普通ならテンションが上がってランナーズハイがやって来る頃なのだが、この日は最後の最後までランナーズハイがやって来ず、終始、苦しい展開になった。

そして、これ以降、40km地点辺りまで写真は1枚も無し。
何故かというと、写真なんて撮ってられる余裕が全く無くなってしまったからだ。
何度もやって来る吐き気と戦いながら、スローペースでなんとか走り続ける。
しかし、最も問題なのが制限時間だ。
この北海道マラソンは、市民マラソンの中でも制限時間が5時間という厳しさで有名で、自分のベストタイムが4時間28分から考えると、少しでもトラブルがあったら制限時間オーバーしてしまう。
案の定、こんな最悪なコンディションに陥ってしまったので、自分とも戦いながら、制限時間とも戦う必要があった。
焦るものの、吐き気に見舞われて身体が言うことを聞かない。
そんな状況であっても自分に負ける訳にはいかないので、なんとか残り5kmのところまでやって来た。
この時点で既に4時間30分経過。
残り5kmを30分で走るとなると、普段の自分であれば問題無いが、今の状態ではかなりキビしい。
ここで、一念発起して、コースを一時離れて人気の無い草むらに向かった。
なので、今まで「吐く」ことは恥ずべき行為だと思ってガマンしていた吐き気を一気に開放して、思いっきり吐いてやった。
結局出たものは胃液しかなかったのだが、この行為によって一気に胃がすっきりして吐き気がなくなり、体調が回復した。
どうやら胃が機能していなかったのではなく、胃の中に何かが溜まっていたようだ。
何だかすっきりしてコースに戻ると、目の前には終末列車(この車に抜かれたらその時点でレース終了)が!
「ナメんな!!!」と奮い立って、これまでスローペースで走っていて有り余っていた体力を一気に開放して、今までのペースの遅さがウソのように最後尾から全速力で残り5kmをダッシュした。
まさにどん底からのリカバリーだ。奇跡が起きた。
終末列車はあっという間に見えなくなり、抜かれる心配はまずなくなった。
これまで抜かれたランナーをどんどん抜いて、とても爽快だった。
そして嬉しかった。自分にこの時点から全速力で走られる体力が残っていたことが。
あとは制限時間内の5時間以内のゴールを目指すだけだ。
そして、終盤のハイライト、40km地点は北海道大学の構内がコースになっている。
体力も回復して写真を撮る余裕と、北大生の応援に応える余裕が戻ってきた。



制限時間オーバーでDNF(Did not Finish:リタイア)と途中諦めかけたものの、こうして40km地点迄来ることができた。まさに奇跡だ。37km地点迄の状態では考えられない展開だ。


北大構内のコースを過ぎると、北海道の旧・道庁がある敷地内も走る。
制限時間ギリギリで猛ダッシュしていたので、満足な写真は撮れず。
ヤバイ!制限時間の5時間を超えてしまう!!


そして、ゴールがある大通公園に戻ってきた。
悠長に音楽なんて聞いてられないので、イヤホンを外してゴールめがけて猛ダッシュ
息も絶え絶えで凄い形相でなんとかゴール!!!!!
ゴールした瞬間にあまりの疲れにしばらくの間、座り込んでしまった。
ゴールタイムを見てみると、なんと5時間1分10秒!
制限時間の5時間は超えてしまったものの、最後の関門さえ越えていれば、完走扱いにしてもらえるそうだ。本当に良かったぁ。これでリタイアにされていたら、悔やんでも悔やみきれなかっただろう。


本当に辛いマラソン疲労困憊の満身創痍。
夏マラソンの恐ろしさを思い知らされた。
今日はゆっくり休もう。途中何だかんだあったけど、結果として完走できて本当に良かった。