高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 世界遺産の熊野古道を駆ける!1日目

9月15日土曜日、今日は山の中を走るトレイルランニングに挑戦する日だ。
4月に京都の山の中を初めて走ってその楽しさを知ったので、今回は2回目の挑戦。
1日目は高野山をスタートして奈良県十津川村で宿泊し、2日目は十津川村から熊野大社へ向かう世界遺産熊野古道のひとつ「小辺路ルート」の70kmを走る興味深いけど、大変ハードなコース。
そんな「第1回世界遺産 熊野参詣道小辺路トレイル・ファンラン2012」のスタート地点である高野山へ向かうために、朝5時に起きて堺筋本町の自宅から天下茶屋経由で南海高野線に乗って橋本駅へ。
ここからは高野鉄道に乗ってぐんぐん登り始めて標高539mにある極楽橋駅に到着。

ここからはケーブルカーで一気に標高867mにある高野山駅へ向かう。
この傾斜を数分足らずで登る。凄い角度を登るケーブルカーだなぁと感心。


高野山駅に到着した後は、バス専用道路をバスでスタート地点の高野山金剛峯寺へ到着。


せっかく高野山に初めて来たのに、金剛峯寺などを散策する暇もなく、過酷な道中に向けての入念な準備を開始する。まぁ、観光目的であればいつだって来れるので、今回はいいや。
金剛峯寺の一角にある立派な建造物の前がスタート地点。
トレイル用バックパックを背負ったトレイルランナー87人が集まっていよいよスタート。




高野山大学の前を通って、早々に山道になった。いよいよトレイルランニングの始まりだ!

最初は薄峠というなだらかな登り坂を登る。


たまに木々が無くなって紀伊山地の山々が臨むことができた。素晴らしい眺めにほっとひと息。

薄峠を下った後に川が流れていて、こちらもほっとひと息。


その後は、高野龍神スカイラインという舗装道路に合流。
なだらかな舗装道路の登り坂を走る。ここは歩いていられない。

野迫川村というところも通過。

高野龍神スカイラインからまた山道に入る手前が第1チェックポイント。
水分補給をして、また山道へ突入。


これくらいの傾斜の山道なら走る。今日は天気も良くて木漏れ陽が気持ち良い。全然暑くなくて走りやすい。

紀伊山地の山々、素晴らしい。


ここを越えると、いよいよ1日目のハイライトである標高1246mの伯母子岳越えだ。
最初の難関に臨む前に第2チェックポイントでひと休み。


犬も応援に来てくれたみたいだ。

大股という集落。よくまぁこんなところに住むよなぁ。

さて、ここからの伯母子岳のいつまでも続く登りが今日の中で一番辛かった。
何度も立ち止まって呼吸を整えて登り始めるの繰り返し。
途中の山小屋で頂上迄の距離が示された標識があったものの、頂上まで4.1kmとのこと。
山の4.1kmって相当だ。

ゆっくり登っていると、人間の汗の臭いに集まってくるハエがたくさんいた為にハエ男になっていた。
あぁ、本当に鬱陶しい。手で振り払いながら、黙々と登る。
ようやく視界が明けて伯母子岳の頂上が見えてきた!長かったぁ。



伯母子岳の頂上からの眺めは絶景だ。
360度パノラマの壮大な眺めに相当癒された。
標高1246mなだけあって、雲との距離が近い。




さて、あとは1日目のゴール地点に向けて山道を下るのみ!
下りは得意なので、あとは楽だろうと思っていたら大間違い。
登りがあれだけ長かったので、やはり下りも長くて、いつまで経っても下りが終わらずうんざりしてきた。
下りの途中の第3チェックポイントは、スタッフ2人のみ。水分補給も無し。

こんな細い山道もひたすら走って下る。
登りであれだけ疲れていたはずなのに、自分でも不思議なくらい走ることができる。
登るのと走るのとでは使う筋肉が異なるからであろう。





ようやく下界が見えてきた。
やぁ、下界、久し振り!

やっと第1の難関である伯母子岳を攻略して下界に戻ってきた。
あと500mでゴールだ!

この集落の中にある十津川村の旧五百瀬小学校が1日目のゴール。
手作り感のあるゴールだ。なんとか全長約34kmの道のりを6時間22分でゴール!



伯母子岳の登りといつまでも続く下りがうんざりで大変だったけど、まだまだ体力的に余裕あり。
とても楽しい旅だった。
これだけたくさんのランナーが宿泊できる施設は当然無いので、今日はこの旧五百瀬小学校の教室で毛布を敷いて雑魚寝。
今までに経験したことが無いくらいヒドイ扱いだけど、1日だけならやむ無し。
もちろんシャワーや風呂などの気の利いた設備など無い為、水道のホースから出る真水を頭から浴びて身体の汗を落とす。
最近復帰した芸人みたく「ワイルドだろう?」と言いたくなった。
身体の疲れも取れて落ち着いたところで、ちょっとこの集落を散策してみることにした。
目的は、自動販売機探し。なんせ水分を欲しているのに、自動販売機が無い。
ゴール地点で水分補給はしているけど、冷たい飲料を自分の好きなだけ飲みたい衝動に駆られた。
しかし、ここまでやって来るのに、スタート地点で1つ、途中の第2チェックポイントで1つという自販の少なさには驚いた。
結局、集落内を散策してみたものの自販は見つからず、本当に何も無い集落だった。
どうやって暮らしているのだろうと心配になるくらい。


小学校の前にあった唯一あったレジも無いような小さな売店でコーラとお茶を購入して小学校へ戻る。
18時になると、夕食として集落のおばあちゃん達が作ってくれた特大のおにぎり4つとみそ汁を振る舞ってくれた。
しかし、申し訳ないのだが、こんなにたくさん食べらなかった。
明日に影響が無い程度に食べて腹ごしらえ。残りは持って帰ろう。

夕食後は、地元の方々や参加者達との交流会。
缶ビールなどを飲みながら、昨年、大雨による大洪水に見舞われた十津川村の歴史などを地元の方から拝聴する。

交流会の後は、教室に戻るものの、何にもすることが無い。
ここはどうやらDocomoしか電波が繋がらないようだったので、auの自分はスマホをいじることも出来ない。
「田舎の夜って何にもすることが無いんだなぁ」と実感して、明日に備えて早々に毛布を敷いて寝ることにした。
しかし、普段21時過ぎに就寝することなどない上に、床が硬いので、何度も目が覚めてしまった。
電波も繋がらなければ、自販もベッドも風呂もシャワーもない。
ここで一夜過ごした事で如何に普段の我々の生活が恵まれているのかを思い知らされた。
でも、いろいろなことがあって、非日常的かつ刺激的で本当に楽しい1日だった。
明日はいよいよゴール地点の熊野大社へ向かう。楽しみだなぁ。