高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 神戸六甲縦走トレイルラン:最後は走って駆け下りてゴール!

後半になると、平坦な道や下り坂ではゆっくりながら走ることは出来るものの、登り道となると苦手意識が先に立ってしまい、ペースがガクンと落ちてしまう体たらく。
せっかく観光地である六甲に到着したものの、街並みなどを楽しむ余裕が全然無かった。
完全に心が折れてしまって、六甲の街中にある最後の第3関門の制限時間である16時には間に合わず、リタイアを覚悟の上でやって来たものの、このままゴールを目指しても大丈夫とエイドスタッフが言ってくれた。
ここまでほとんどのランナーに置いていかれて、到着した時点で制限時間である16時を数分程度過ぎていたはずだが、その辺のルールはマラソンとは異なって緩い大会なので大丈夫のようだ。
来年に改めて再挑戦することも考え、半ば諦めていたので、とても有り難かった。
しかし、ゴールを目指すことが出来るようになったものの、体力が無い状態は変わらない。
ペースは遅いながらも先を目指す。
六甲山にある六甲有馬ロープウェイに到着。
観光地なだけあって観光客がたくさんおり、疲労困憊の自分が稀有な目で見られているのが分かる。

この六甲ガーデンテラスで食事をしながら眺める景色は綺麗なんだろうなぁ。

我々が進むのはそんな観光地から外れての六甲山自然歩道だ。

六甲最高峰の文字に「もういじめるのは止めてくれ!」と思ったが、ここまでの登り道に比べれば、そんなに急じゃない。ペースはゆっくりだけど、先を目指してゴールを目指す。

倒木が道を塞いでいた。回り道して先を急ぐ。

そして、最後の約35km地点のエイドステーションに到着!
エイドスタッフの方にここまで来たら、後はゴールの有馬温泉までの約5kmを下るのみ、と教えて頂いて、気分がホッとした。下りだけなら、なんとかゴールできそうだ。

もう17時を過ぎていて、日も暮れ始めた。
ほとんどのランナーに抜かれてしまって遅くなってしまったものの、この夕陽を見られたなら儲けものだ。

今まで登りばかりで歩いていたので、ここで最後の力を振り絞って走って駆け下りた。
ここの下り道は、ある程度の広さがあって、岩ばかりの道でも無くて、とても走りやすかった。
こういう下り道を待っていた!とても走りやすくて気持ち良い!!


ゴールの有馬温泉まであと少し!

今までの疲労困憊状態がウソかのように、約5kmの山道を一気に走って駆け下りて、有馬温泉の市街にやって来た。
自分にまだこんな体力が残っていたのか、と自分で自分に驚く。
ここまで「辛い」という気分でしかなかったが、最後の最後で爽快な気分で走ることが出来て良かった。
そんな高揚感の中で、なんとかゴール!

時間は制限時間の18時ギリギリの17時57分。
最後に走ったことで制限時間には間に合ったようだ。ほっと一安心。
途中で諦めかけたが、なんとか五体満足でゴール出来て良かった。

ランナー達がスタート地点で預けた荷物を見てみると、ほとんど残っていない。
どうやらほとんどのランナーがゴールしてしまっているようだ。

後から完走者リストを見てみると、出走者566名のうち502名が完走して、自分は完走者の下から7番目の順位。
途中、心が折れてほぼトレッキング状態だったので、やむを得ない結果だ。
でも、六甲の大自然を誰よりも長い時間体感した上で完走できたのだから、良しとしよう。
それに、自分が登りが大の苦手であることも再認識でき、自分の限界を知ることもできた。
途中までは辛さしかなかったが、最後の最後にトレイルランニングの楽しさも再認識できた。
達成感と充実感に溢れて大変気持ち良かった。

心が充実感で満たされた後は、疲れきった身体を癒すために、有馬温泉金の湯に立ち寄った。
温泉の中で疲れで張っている足の筋肉をほぐす。
温泉、最高!

温泉でまったりして帰る頃には辺りは真っ暗。こうなる前に帰ってこられて良かったと実感。
今日は、大自然の中で動き回って、日頃溜まっていた疲れやストレスが発散でき、楽しい1日だった。

翌日、今日の激闘の代償としてひどい筋肉痛が訪れたが、これも自分に勝った勲章なので、心地良い痛みだ。
走っている時は「二度とトレイルランなんて!」と思っていたが、今思うと「また走りたい」と思い始める。次はどこの山を走ろうか。楽しみは尽きない。