高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

長崎橘湾岸スーパーマラニック273:秋の島原半島ステージ103km、無事完走!

今年は、ちばアクアラインマラソン、横浜マラソンと続いて、3週連続のマラソンとして、長崎橘湾岸スーパーマラニック273の秋の島原半島ステージ・103kmに挑戦!

この大会、ウルトラマラソンの大会としては有名で、1年に2回開催されて珍しい。

春のG.W.には173km&217kmの部があり、秋のこの時期には103kmの部だけなのだが、来年の秋には2年に1回、春のコースを走った後に秋のコースも走る276km&320kmの部があるというから驚いた。

ウルトラマラソンも走るようになって以来、噂には聞いていたが、世の中には恐ろしい大会がまだまだあるが、それらを制覇するための第一歩として、ようやく念願が叶った。

この大会のもうひとつの特徴は、出場ランナーの走力に合わせて大会側が各ランナーのスタート時間を決定すること。

完走できるような配慮として、大会側がエントリーランナーの実績をネットで検索するなどしているという事と思われ、この大会のホスピタリティがスタート前から窺えた。

秋の大会は、基本、11月3日の午前0時スタート(高齢者や怪我などをしているランナーなどは午前0時よりも前にスタート)で、初出場者であればこの時間にスタートするのだが、何故か、午前1時のスタート組に選ばれた。

初出場なのに午前1時スタート組に選ばれ、とても恐れ多かった。

なので、11月2日金曜日は午後休をもらって、伊丹空港から長崎空港への最終便で20時に長崎入り。

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さて、大村湾にある長崎空港からスタート会場の島原半島にある小浜温泉までどうやって移動するかを直前まで悩んで調べていたら、20時では小浜温泉への公共交通機関が無い事が発覚。

空港最寄りの店でレンタカーを借りて向かうことに。

全く土地勘のない長崎の地での運転は不安だったが、大村市諫早氏、島原市と運転して、小浜温泉に無事到着。

予定通り、22時頃には待機場所である南本町公民館に到着。

深夜スタートという初めてのスタイルに初出場で勝手が分からない状況に気持ちが落ち着かない事もあって、結局、満足に眠る事が出来ず、睡眠時間は2時間も無かった。

まぁ、100kmなので、満足な睡眠時間が無くても眠気など起きず、完走できるだろうという自負を持って、日を跨いだ午前1時に小浜マリーナからスタート!

大会スタッフが「午前1時になったね。じゃあスタート!」と笑いが起こる中にスタートで、この大会のゆるさと楽しさが垣間見えて楽しかった。

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暗闇の中、ヘッデン(ヘッドライト)を照らしながら、島原半島の海岸沿いの道をひた走る。

その際、空を見上げると、満点の星が輝いていた。

その数の多さに驚き!冬の星座として有名な北斗七星やオリオン座の周りにあんなに星がたくさんあるのかと驚き。大阪にいたんじゃ、こんな星空は見られない。写真に残せないのが非常に残念だった。 

ただのナイトランニングではあったが、満点の星空の下で三日月と星々の応援を受けながら、波音を聴きながらのランは最高の気分で感動した。

普段の大阪城公園でのナイトランニングとは大違いの非日常で、序盤から癒された。

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6.9kmの白頭エイド、13.9kmの津波見エイドを過ぎて、21.4kmの口之津エイドでは美味しいと聞いていたトマトゼリーを戴いて、とても美味しかった。

これまではフルマラソンはもちろん、ウルトラマラソンでもエイドでの食べ物は食べず、携帯補給食のゼリーのみを食べるスタイルで走って来たが、今後はウルトラマラソンのエイドでどんどん食べていくスタイルに変えていく事にしたので、全エイドの食べ物を全て食べ、大会側のおもてなしを全て受けて完走する事に決めていた。

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そして、30.4kmの原城址のエイドに到着。

原城址はかつて島原の乱を起こした天草四郎時貞が立て籠もった原城があった事で有名な観光スポットで、先日、世界文化遺産のひとつとして指定されたばかり。

夜にはその乱で亡くなった農民などが出るなどという心霊スポットとしても有名だそうだが、たくさんのランナーがぞろぞろと行き来すればそんなものは怖くない。

原城址を降りた地点にあるエイドでは、温かい中華粥を戴いた。これが温かくて、塩気も効いていて本当に美味しかった。

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この中華粥で元気が出て、41.2km地点の堂崎エイドを過ぎると、眼前に素晴らしい雲仙岳の山々(平成新山普賢岳など)が見えてきた。

あれが1990年の普賢岳の噴火で知られる雲仙岳か。

その木々が無い特徴的な山容を初めて見て感動を覚えた。

50.2kmのみずなし本陣深江に到着。

ここに着く前に夜が明け始めて雲仙岳の姿が更にはっきりと見え始めて、その山を見ながら走っていられる事が嬉しかった。

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半分を過ぎてまだまだ余裕。

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みずなし本陣で長崎名物のカステラを食べてから島原城のエイドまでの約8kmは、みずなし本陣のエイドでお会いした、7月のみちのく津軽ジャーニーランの2日目の夜に眠気に襲われてフラフラしているところで助けて頂いたH田さんと共にラン。

本大会には何度も出場されていて、昨年の273kmの部を完走されて「金龍」の称号を持たれていて、スゴイ実績を持つウルトラランナーだ。

そんなH田さんとこの先のコースのことなどを話しながら楽しくラン。

この大会を完走した後はすぐに小浜温泉を離れて佐賀に行き、有名なバルーンフェスタに行かれるとのこと。そんなスケジューリングが出来るのかという発見と共に、何てパワフルな強行スケジュール。さす超ウルトラマラソンを完走するウルトラランナーは考える事が違う。

島原駅を過ぎてすぐのところにある島原城に到着。

原城址のエイドで再会した、5月のえびす・だいこくウルトラや6月の隠岐の島ウルトラでほぼ同じペースで走っていて知り合った北九州市在住のT松さんがボランティアをされていて聞いていた「島原城に午前8時迄に到着していないと、その後の登り坂を考えると制限時間が危うい」という目安迄に到着出来て、ほっとひと安心。

マイルストンを達成したので、ゆっくり腰を下ろして豚汁を食べながらひと休み。

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さて、ここからのコースがこの大会の一番のキツイところ。

島原城の傍にある島原武家屋敷の一角を走って、早速、登り坂が始まった。

この登り坂は、ウルトラランナーとして歩いてはいられないので走って登った。

ただ、その登り坂がとにかく長く、住宅街の登り坂は前哨戦、住宅街を抜けた辺りから本格的な登り坂が始まった。

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「これは50kmを走った脚では、とてもじゃないが走って登る事は出来ない」と走る事を諦めて、早歩きの攻めの歩きで坂道を登る事にした。

眼前には溶岩ドームの平成新山を見ながらの登りは大変だった。

普賢岳の噴火の際に出来た溶岩ドーム、平成新山。溶岩ドームを初めて見た。スゴい迫力。

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峠の最高点に達した後は、下りを少しだけ走って、66kmの平成新山園地に到着。

ここでもおでんと杏仁豆腐を戴いた。杏仁豆腐が美味し過ぎで2杯。

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平成新山園地のエイドを過ぎた直後の風景が、100kmを通して一番素晴らしい絶景だった。

苦労して登った平成新山の下りは、快晴の島原半島を見ながら海に向かっての駈け下りる。

彼方に熊本を望む素晴らしい景色に感動。しばし、立ち止まって撮影タイム。

登った後の達成感もあって、最高の気分だった。

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下り坂を駆け下りた後は、11月なのに暑くなってきたので、ウインドブレーカーを脱いで、まさかの暑い中のラン。

74.2km地点の深江運動場のエイドに到着した時は、トイレの水道で顔を洗って、持っていたタオルを過ぎた濡らして首に巻いて再スタート。

ここからは再び雲仙温泉に向けた長い長い登り坂。

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途中からは歩道が無くなり、完全なドライブウェイになって交通量が多い道路脇をただただ登る。

とても走っていられず、時々走ろうと試みるが、すぐに歩いてしまい、苦しい時間だった。ここを走って登る事ができるくらいの脚力と体力、精神力が欲しいなぁと思いながら前に進んだ。

途中、79.8kmの俵石展望所エイドに到着。暑かったので、冷やしぜんざいが美味し過ぎた。

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道路最高点740mの仁田峠の手前・宝原橋では見事な紅葉が見られた。

この大会でなければ歩いてここを通らないであろうから、レアな風景だ。

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長い長い登り坂が終わってホッとした後、下り坂を駆け下りて雲仙温泉にようやく到着。

雲仙温泉にある観光スポット、湯気が漂う雲仙地獄の中を観光客に紛れて巡って、しばし観光気分。硫黄の匂いがスゴイ。

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f:id:kohki3103609:20190211171234j:plain雲仙地獄を抜けた87.3kmの雲仙温泉エイドでは、そうめんとおこわ、オレンジを戴いた。

エイドでの食べ物を食べまくり。

走っている最中で食べる事に不安を抱いていたが、ここまで何の影響も無く、むしろ調子が良かった。これからウルトラマラソンではエイドでどんどん食べていこう。

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雲仙温泉を過ぎた後は、約500mだけトレイルコースもあり。ちょっと驚いた。

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その後は、こういう機会でも無いとまず通る事はないであろう田舎道をただただ駆け下りて、96.7km地点の小浜木場集会所を過ぎて、ゴールのある小浜温泉の街並みが見えてきた。

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下り坂を下りきって、湯けむりが漂う小浜温泉の街並みをウイニングラン

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そして、南本町公民館に戻って来て、長崎橘湾岸スーパーマラニック273、秋の島原半島ステージ103kmを無事完走!

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世界文化遺産に指定されたばかりの原城址などを過ぎ、夜が明けた60km以降の島原城以降は、ラスボスの平成新山雲仙温泉に向かう過酷な2つの山越え。

登りの苦しみの後のご褒美として、頂上からの素晴らしい景色と下りを駈け下りる気持ち良さは最高だった。

しかも、フルマラソン(仮装)、フルマラソン(真面目)、ウルトラマラソンの3週連続の挑戦を無事完走出来て、大きな自信になった。

ただ、サロマ湖のようなウルトラマラソンでは100kmを10時間台で完走出来るのに、ここでは103kmに14時間かかっているのが、このコースの過酷さを物語っていた。

今回からゴール直前の写真付きの立派な完走証が発行されたようで、良い記念になった。ただ、前半3つのエイドでは大会側のトラブルでバーコードリーダーが読み取らず、タイムが出ず…

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完走した後は、南本町公民館内で帰りの準備をしていると、知り合いのウルトラランナーの方から小浜温泉からの帰路は1本しかないから夕方には大渋滞になると聞いたので、せっかく小浜温泉に来たものの、温泉には入らず、レンタカーで長崎空港まですぐに帰る事にした。

自分より後に帰ってくるランナー達の歓喜の顔を見ながら、レンタカーを運転して長崎空港に向かった。

案の定、大渋滞に見舞われ、とにかく時間がかかった。

その上、100kmだから眠気は耐えられると自負していたが、あまりの眠気に、やはりウルトラを走った後の運転は危険だ。今後、こんな無茶は控えよう。

長崎空港でレンタカーを返した後は、空港バスでこの日の宿泊地であった長崎市内に行って、ホテルにチェックインした後はあまりの眠気に初めて来た長崎市内をことなく、寝てしまった。スタート前に2時間も寝ていないので、已む無し。

ただ、長崎空港でバスを待っている間に、長崎名物の長崎ちゃんぽんと角煮まんを食べて、少しだけ長崎名物を味わうことが出来た。

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翌朝、長崎駅から特急かもめと新幹線で帰阪。

長崎駅から見た稲佐山には是非行ってみたかったが、来年の春のコースはスタート直後にあの稲佐山を登るらしいので、それまでお預けだ。それに、今回堪能できなかった小浜温泉も。
秋の島原半島ステージは制したし、次は来年春のG.W.の野母崎諫早ステージ173km(L部門)もしくは217km(E部門)に挑戦だ!

小浜温泉からの帰り道、対岸に沈む夕陽を見ながらで美しかったがその夕陽が沈む対岸を春に走る事になると思うと、少々ビビり始めていた。

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