高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 長野マラソン:不調ながらも最低限の目標達成!

4月19日日曜日、朝4時に起床。
長野市内のホテルがいっぱいで隣りの市の飯山市に宿泊する事になったため、長野マラソンの朝8時30分スタートに向けて、朝5時22分の飯山駅の始発に乗らないといけない事が判明したため、かなり早い時間に起きる事になった。
ウルトラマラソンを走る日ほどではないが、フルマラソンでこれだけ早い時間に起きるのは珍しい。
連日の早起きでキツイが自ら選んだチャンスなので、文句など言ってられない。
自分が好きな事をしていて、アドレナリンが終始出ているためか、全然眠くないから不思議だ。
朝5時に飯山市の旅館をチェックアウトするためにフロントに行くと、どれだけ呼べども女将さんは出てこず。
宿泊した旅館は、必ずしもサービスが行き届いていたとは言えなかったものの、最低限のサービスは整っており、何よりも地方の旅館らしく愛想と人柄が良い老夫婦が2人だけで手作り経営されていてお世話になったので、最後にひと言、御礼を言って去りたかったのだが、朝5時では眠っておられたようだ。
宿泊代は前払いしていたので、カギだけフロントに置いて、旅館を去る事にした。
ここで知り合った長野県内の病院で働かれている医師のランナーの方と共に飯山駅まで行って、そこから北長野駅まで行き、そこからスタート会場である、長野オリンピックのアイスホッケーの会場にもなったアクアウイングがある長野運動公園へ。
長野マラソンに何回か出場経験がある医師の方に案内して頂いて助かっただけでなく、スタート会場では医師のご友人の女性とも合流して、3人で同じ趣味を持つ者同士、マラソン談義をしながらリラックスして準備をし、スタートを迎えられることが出来て、とても楽しかった。
昨日に引き続き、同じ趣味、同じ価値観を持つ者同士の話は面白い。
さて、長野マラソンのスタート直前。
NHK BS1の「ランスマ」の企画で3年連続の長野マラソン挑戦となるハブ君の他、ランニングコーチとして市民ランナーの間で一番有名な金哲彦さんも来て走るそうだ。
金さん、最近、51歳にして再度サブ3(3時間以内完走)を宣言された上に、マラソンシーズン中はほぼ毎週のように全国のマラソンにゲストランナーとして出場したり、主要大会では解説をしたりと相当ご多忙なハズだが、ここでも走るとは。計り知れない体力だ。

さすが第17回目の大会なだけあって、噂通りの素晴らしい大会側の運営。
トイレの数は大小分かれてたくさんあって長時間並ぶ事はなかったし、荷物預かりもスムーズ、分かりやすい案内で、何のストレスもなくて、自分のブロックに並ぶ事が出来た。


8時30分、長野マラソン、スタート!
今日は快晴。絶好のマラソン日和と言いたいところだが、4月の快晴となると暑くなり過ぎないかが心配だ。

スタート地点では、スペシャルゲストの高橋尚子さんが我々を応援。
来月の17日にあなたと私の地元の岐阜で、あなた主催で開催される「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン」でもお会いします!

スタート直後には、the Canadian Clubというバンドが第17回長野マラソンのテーマソング「LOAD」を生演奏。
これまでいろんな大会でテーマソングというものを聴いてきたが、1番カッコイイと思うくらい、ランナーのテンションを上げてくれる良い曲だ。

家に北陸新幹線と長野県PRキャラクターのアルクが描かれた垂れ幕をして応援。

レース序盤、長野駅前の賑やかな場所を走る。太鼓隊に、恰幅が良いアンパンマンが我々を応援。


長野マラソンの出場ランナーのゼッケンには、下地が金色と銀色のものがある。
銀色は長野マラソンに10回以上出場ランナー、金色は何と17回全て出場している皆勤ランナーを示す。
今回も、金色のゼッケンのランナーが結構多く走っていて、とても驚いた。
ゼッケンを見るだけで周りのランナーから一目置かれて、気分良いだろうなぁ。
元気な人ばかりで、自分も負けていられない。


5km過ぎ、この大会のハイライトが早々に訪れる。
善光寺の大門がある交差点を左折すると・・・

善光寺の参道である中央通りのコースだ。
昨日、善光寺に行くために登ってきた登り坂を一気に駆け下りる。
ここはコースの中でも一番沿道の応援が盛大で、走っていてこんな応援に囲まれて走る事ができるのが幸せで、とても楽しかった。
長野マラソンの写真を見ていると、必ずここをたくさんのランナーが走っている圧巻な光景が見られ、走るのをずっと楽しみにしていた。

NHK BS1の「ランスマ」で金さんがここを走る時、「下り坂且つ沿道の応援が盛大なため、調子に乗ってペースを上げてしまいがちになるから注意!」とアドバイスしていたのを思い出したが、これだけの盛大な応援を受けてしまっては、テンションが上がってしまって、ペースを維持するなんてムリに近い。




楽しかった長野市中心部のコースはあっという間に終わってしまい、10km以降は長野市を流れる2つの川、犀川千曲川の河川敷を含めたのどかな風景のコースが舞台となる。
散り際の桜もチラホラ。

長野市中心部を過ぎた頃から、何だか腹の調子がおかしくなってきた。
腹が痛いワケではないが、汚い話、便意がする。
しまった。「マラソン当日の朝、ホテルをチェックアウトする前に必ず出すものは出しておく!」というマラソンの鉄則を、今回は完全に失念してしまっていた。
途中にトイレに駆け込んでも良かったのだが、タイムロスになるので避けて最後までガマンする事になったのだが、序盤で催して、ゴールまでずっと括約筋を締めて腹の調子を気にしながら走り続けなくてはいけないのは、相当辛かった。
特に自分は走っていると、大腸が揺れて大腸の蠕動運動が促されるためか、大腸内に溜まったガスが放出されて(後に便秘も解消)、身体が軽くなってパフォーマンスが上がってくるのだが、今日はそれが出来なかった。
この後のコースで渡る事になる五輪大橋をくぐる。橋の上からは、我々を手を振って応援。

スタート会場のアクアウイング、10km過ぎに通過した前日受付会場でもあったビッグハットに引き続き、次は長野オリンピックのスピードスケートの会場になったエムウェーブに到着。
エムウェーブの周りを1週して折り返し。エムウェーブがある場所は公園にもなっているようで、コースの両サイドにたくさんの人が我々を応援。



エムウェーブを折り返した後は、先程、下をくぐった五輪大橋を渡る。
犀川に架かる橋で、1998年の長野オリンピックに合わせて1996年に造られたそうだ。


五輪大橋を渡ったところで中間地点。
うわぁ、半分で1時間59分もかかっている。腹がおかしくて前半ペースが上がらなかったためだ。
これは後半頑張らないと、4回目のサブ4という最低限の目標達成も危うい。
この絶不調では、自己ベストの更新なんて悠長な事は言ってられない。サブ4達成に目標切り替えだ。

25km地点で、長野オリンピックフィギュアスケート及びショートトラックスピードスケート競技の会場であったホワイトリングを通り過ぎる。

25km以降は、ゴールに至るまでほぼ千曲川に沿って走るコースだ。
なので、後半の千曲川の河川敷コースが延々と続いて退屈、と噂に聞いていたが、河川敷には桃の木が植生されていて桃源郷を思わせる景色が見渡せ、土手には黄色い菜の花がたくさん咲いていて、如何にも春らしい光景が見えて、自分にとってはなかなか楽しいコースだった。
3月29日に走ったOSAKA淀川ウルトラマラソンにおける淀川の無色・殺風景な景色が延々と続くよりは全然マシ。
今年の春も黄色の菜の花が広がる菜の花畑を見られなかったと残念に思っていたが、長野マラソンで見る事ができて良かった。



土手に座って、コース傍でランナーを応援してくれる老夫婦。仲睦まじくて羨ましい光景。

甲冑をした方々も我々を応援。

30km過ぎ。ここで、NHK BS1「ランスマ」のハブ君とその後に続いて走っていた金さんに抜かれる。
結構速いペースで走っていて、とても驚いた。
「負けるもんか!」と思って追いかけたいが、今日はダメだ。
とてもじゃないけど、この調子ではペースを上げて戦う事は出来ない。


32km地点。ここに来ると、彼方にゴール地点である長野オリンピックスタジアムが見えて、ランナーに期待を持たせるのだが、まだあと10kmあるという現実を思い知らせる。
更に、千曲川の堤防をぐるっと回って延々と堤防コースが続くため、疲れてきた後半に精神的にも辛い時間だ。
そんな辛いコースが始まる前に、長野マラソンのテーマソングを唄うthe Canadian Clubが演奏でランナーの最後の頑張りを応援。

そして、スペシャルゲストの高橋尚子さんもハイタッチでランナーを応援。一番辛いところでいてくれて、笑顔をもらえた。

長野県PRキャラクターの「アルクマ」のコスプレをして応援してくれる方々。
アルクマ」は長野県民にも人気のようだ。リンゴの被り物、いいなぁ。

橋を渡って35km地点。

ひたすら堤防を走って、37km地点。残り5km。


スイスの伝統楽器「アルプスホルン」でも応援。
スゴイ長い筒。初めて見た。ただ、音が低くて、応援にはちょっと不向きかな笑

39km地点でようやく千曲川の堤防コースからお別れ。あと少し。

40km地点を過ぎると、ようやくゴールの長野オリンピックスタジアムが眼前に!今後こそゴールだ!!
40kmを過ぎて、3時間47分ということは、残り2kmちょっとを13分で走れば、サブ4達成だ。
前半のペースの低調っぷりから、一時はサブ4もムリかと思われたが、後半は腹痛も寛解状態にあって、ランニングに集中出来た事もあって、何とか持ち直した、というか、ペースを1km5分40秒から落とさずに走る事が出来た。
30km辺りで4時間のペースランナーに抜かれ、その後、どれだけ走っても追いつかなかったので、「サブ4はムリかなぁ」と思っていたものの、これは行けそうだとひと安心。



最後、長野オリンピックスタジアム内に続くウイニングロード。
応援がより盛大になって、たくさんの「おかえりなさい」「お疲れさま」とハイタッチが我々を迎えてくれる。


42km地点のあの角を曲がればもうゴールだ。

スタジアム内のトラック沿いにはたくさん若い女性や子供達のハイタッチの嵐。若さと笑顔をもらえた。




ゴールゲートの横にあるタイムの電光掲示板が見えると、何と3時間59分を過ぎていた。
40kmを過ぎて、ちょっとゆっくり走り過ぎたみたいだ。
「これはヤバイ!」と思い、慌てて最後はダッシュ

そして、ゴール!

何とかグロスタイム(スタートの号砲からゴールゲートをくぐるまでのタイム)でもサブフォー達成!
スタートゲートをくぐるまでに約2分30秒かかっているので、ネットタイム(スタートゲートをくぐってからゴールゲートをくぐるまでのタイム)は「3時間57分7秒」だった。
自己ベストの3時間51分とは程遠いタイムだったが、腹の調子が悪いコンディションでギリギリサブ4を達成できただけでも御の字だ。
良かったぁ。何とか最低限の目標は達成できたとホッとした。

ゴール地点では、3時間50分で完走したハブ君と女性芸能人最速ランナーの西谷綾子さんがランスマのゴール後の収録をしていた。
3時間50分かぁ、スゴイなぁ。自分も体調が良ければ・・・と言い訳をしたくなるが、またどこかの大会で一緒に走る時は張り合いたいものだ。


ゴール地点の長野オリンピックスタジアムで、完走の余韻に浸りながら着替えていると、小雨が本格的に。
今日は、スタート時は快晴で熱くなるかと思いきや、中盤から曇り始めて、終盤には雨も降り始め、予想を反して涼しくて走りやすいコンディションの中で走る事が出来た。
腹の調子が悪かった上に暑さもあっては相当ヤバかったので、助かった。
それにしても、長野マラソンのFinisher'sタオル。
バスタオルサイズである上に、フカフカで「今治タオルか?」と見紛う程、上等なタオルだった。
雨と汗でウェアが濡れていて身体が冷えていたので、とても助かった。
このタオルは、今後も自宅で重宝しそうだ。

長野オリンピックスタジアムから長野駅までのシャトルバスは、渋滞でどれくらいかかるが読めないので、長野駅15時発のワイドビューしなのに遅れないために、慌ただしくめに長野駅に向かって、即効でお土産散策。
その後、帰りの電車を長野駅で待っている間に、スタート前にお世話になった医師のランナーとそのお友達を偶然にも再会することが出来た。
スタートするブロックが3人共異なっていたため、スタート直前にはバラバラになったが、1万人もランナーがいる中、偶然出会うなんてスゴイ事で、声を掛けてくれて嬉しかった。
束の間だったが、バックグラウンドが全く異なるのに、趣味と価値観が同じ方と知り合えて良かった。
お互いの健闘を称え合い、またどこかの大会での再会を誓ってお二人とお別れした。
朝5時の真っ暗な旅館のフロントでお会いするという変な出会い方であったにも関わらず、大変お世話になりました。
また、同じ趣味を持っていれば、どこかの大会で再会する事があるハズなので、その際は宜しくお願い致します。
ちょっと早く着き過ぎて出発まで時間があったので、朝から何も食べていない空腹を解消するために、少しでも長野県らしいものを食べようと、こっちにきて3杯目の信州そばを駅の立ち食いそばで食べた。これで長野とも早々にお別れだ。

今回は、2日間で北陸新幹線善光寺御開帳、長野マラソンという三大イベントを一度に体験できるチャンスが訪れて、本当に幸運だった。
そして、秋から続いたマラソンシーズンもこれで終わり。
今季もよく走った。2014年10月から毎月のようにいろんな大会に出場した。
残念ながら、最後のフルマラソンはほろ苦い思い出になってしまったが、3回連続のサブ4を達成できたのは嬉しかった。
コンスタントにサブ4を出せるまで成長したので、2015年秋には制限時間が4時間という、市民ランナーにとって大変厳しい条件があるフルマラソン(大田原マラソンもしくはさいたま国際マラソン)にエントリーしてみようと思う。
そして、目下の目標である「6月28日開催のサロマ湖100kmウルトラマラソンの2回目の完走」に向けて、その布石となる十分な実績は整った。
あと2ヶ月、マラソンの大会は減ってしまうので、練習を中心に頑張っていこう。