高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 サロマ湖100kmウルトラマラソン前半:目標を完走よりも自己ベスト更新に切り替え

6月28日日曜日の第30回サロマ湖100kmウルトラマラソン当日。
朝5時のスタートに向けて、午前1時30分に起床して準備開始。
前日は相部屋の方々と早めに床についたものの、なかなか寝付けず、何度も起きてしまったため、実質数時間しか寝ていないが、これは毎度のことなので、慣れっこ。ムリに眠らなくても、布団に入ってリラックスしているだけで十分。
当日は、経験上、アドレナリン全開で全く眠くはならないので大丈夫。
午前3時、宿泊先のルートイングランティアサロマ湖をたくさんのウルトラランナー達と共に出発して、スタート会場の湧別総合体育館へ。

広場にあるサロマ湖100kmウルトラマラソンの記念碑もすごい人だかり。

北海道の日が明けるのは早い。昨年も経験して驚いたが、本州より緯度が高い上に年間で一番陽が長い夏至を過ぎたばかりであることもあって、午前3時過ぎには明るみ始め、スタートの5時前にはほぼ日中と変わらない明るさ。

昨年はスタート地点で既に暑かったが、今年は一転して寒かった。
なので、自分も多くのランナー達と同様に、体温を逃がさないようにビニール袋を被ってスタートを待った。
「こんな陽気のサロマもあるのか」と驚き、案の定、この日になるまで対策していていた暑さ対策は水泡に帰してしまったが、逆に寒いのであれば走りやすいということなので、願ったり叶ったりだ。
そして、午前5時、こんな時間に関わらず集まってくれたたくさんの方々に見守られて声援を受けながら、いよいよ2回目のサロマ湖100kmウルトラマラソンがスタート!

まずは、湧別総合体育館の周りを1周した後、今日の舞台となるサロマ湖へ一直線に続く北海道らしい一本道をぞろぞろと走る。
周りには牧草地が広がるのだが、この先においても去年のように干し草や藁が円柱状に圧縮して纏められたロールベールがひとつも見られなかった。何でだろう、如何にも北海道らしい光景で見たかったのに。

走っていると、周りにはグランブルー(完走20回以上)の称号を得たゴールドのゼッケンをするランナーや、サロマンブルー(完走10回以上)の称号を得た水色のゼッケンをするランナーを度々見掛け、自分も含めた多くのランナーから羨望と尊敬の眼差しを受けていた。
その実績が素晴らしい上に、称号を得ているランナーの多くは年配の方で、その御年まで100kmを走ることができる体力と精神力が素晴らしい。自分もそんな風にいつまでも元気に年齢を重ねたいものだ。


サロマ湖畔の道路に到着して10km。
この日は金曜日から続く曇り空で肌寒くて走りやすく、ランナーにとっては最高のコンディションだった。
昨年はこの10km地点で強烈な陽が射し始め、一気に暑くなったが、今日は曇り空が厚くて日が射しそうではない。
その上、自分のコンディションは今日も万全だったので、「こんな絶好のコンディションで走ることができるチャンスは滅多に無い!」と判断し、この日の目標を「完走は当たり前、自己ベストを更新する!」に切り替え。
予定していた「前半6分30秒/km、後半7分/秒」ではなく、「54.5km地点のレストステーションまで6分/km、80kmまで6分30秒/km、ゴールまでは7分/秒」で行こうと決めた。
右手に今日の舞台となるサロマ湖が見えてきた。やはり今日もサロマンブルーと呼ばれる青さは見られない。

オホーツク海サロマ湖を仕切る砂嘴(さし)を三里浜の折り返し地点に向かって走っていると、折り返してきたトップランナー達とすれ違う。
トップは三連覇を狙う2009、2013年、2014年優勝の能城秀雄選手と2010年優勝のエリック・ワイナイナ選手がデッドヒートを繰り広げていた。
そして、2012年優勝で2013年UTMFで日本人初優勝や24時間マラソンでアジア記録を持ち、四万十川ウルトラマラソンなどで数々の優勝実績を持たれていて、ウルトラランナーなら誰でも知っている有名な原良和選手(医師でもあり、奥様もウルトラランナーで四万十川ウルトラマラソンの優勝実績あり!)は第3集団で走られていた。
「原選手、調子悪いのかな」と思っていたが、それは素人の浅はかな考えであったことをゴール後に思い知らされた。
完走後に知った情報によると、序盤でトップを走っていた能城選手は何があったのか、70km近くで残念ながらのリタイアで3連覇ならず、ワイナイナ選手も失速したようで、最後に追い上げた原選手が95km地点でトップに立って優勝。
いやぁ、スゴイ。しびれるような展開。
走っていたので、詳細は知る由も無いが、かなり気になる。中継を観ていても飽きなさそう。

サロマ湖100kmウルトラマラソンの最年少サロマンブルーランナーであり、楽しみながら制限時間ギリギリで完走するようにギリギリランナーとしてウルトラランナーの中でも有名な鈴木健司さんをここでオーバーテイク
この後、終盤のワッカ原生花園ですれ違った時に、手を挙げて挨拶をさせて頂いたら、「ナイスラン!」と笑顔で声を掛けて頂けた。笑顔が素敵な本当に素晴らしいランナーだ。

三里浜の三里番屋の折り返し地点に到着して20km地点。
ここからサロマ湖をほぼ1周する。さぁ、ここからが本当のスタートだ。


昨年は、直射日光を避けながら走り、少しサロマ湖を離れたコースにある30km地点は日陰が無いので、序盤から被り水をしているランナーがたくさんいて、自分も1回目の被り水はこの辺りでしていたのを思い出したが、今日は全く被り水が必要ないくらいに涼しくて走りやすい。素晴らしいコンディションだ。

33km以降は、この辺りの基幹道路のために交通規制ができないオホーツク国道の歩道を走るため、コースは細くなり、小刻みなアップダウンもある。
ただ、これまで経験してきたウルトラマラソンの激しいアップダウンに比べたら、サロマのアップダウンは大した事はなく、歩いて登らなければならない程では無いため、ペースは落ちるものの走って登る。
沿道では、ボランティアの学生達が我々を応援。嬉しい限りだ。40km地点に到達。


40km過ぎの地点で、オホーツク国道を外れ、月見ヶ浜沿いの道路を走る。ここはサロマ湖に一番近い道路だ。



42.195km地点に到達。
フルマラソンであればここで終わりなのだが、ウルトラではまだ前半で中間地点にも至っていない。まだまだこれからだ。
ここら辺に来ると、陽が指し始め、後半は暑くなるかと思われたが、風が冷たくて心地良く、走りやすさには変わりなかった。
タイムを見ると、4時間20分。よし、ほぼ予定通りの6km/分で走れている。このペースで少なくとも54.5kmの中間地点までは行こうと心に誓う。

ここには、本大会の42.195km地点を記念する有名な碑があるのだが、今回写真を撮り忘れてしまったので、昨年の写真を拝借。

そして、ここはコースの中でも沿道で声援が多い場所のひとつでもある。ここで去年もコーラの差し入れをしてくれる方がいたのだが、今年もそれを振舞ってくれてとても嬉しかった。


45km地点のエイドでは、本大会1回目の炭酸飲料を注入。去年もここのエイドにあった自動販売機で炭酸飲料を飲んだ。
フルマラソンでは炭酸飲料を飲むと腹部膨満感で走られなくなるが、ウルトラマラソンでは多少腹部膨満感になったところでゆっくり走っているので大きな影響は無く、40km以上走ってくると喉越しのある炭酸飲料が良い気分転換になるので、自分には必須飲料だ。

湧別町から佐呂間町に入って、50km地点に到達。ようやく中間地点だ。
ここで10時14分ということは、前半で5時間14分。
このペースのままで行けば10時間台でゴールなのだが、これ以後、ペースは落ちるばかりでそれはムリとしても、11時間台のゴールなら行けそうだ!と意気込む。


小刻みなアップダウンが続いて坂道を降りてきた52km地点のサロマ湖沿いの道で、彼方に茶色い見慣れた大きな建物が見えてきた。
あれは、54.5km地点のレストステーションで、我が宿泊先でもあるルートイングランティアサロマ湖だ!
去年もこの辺りで炎天下に晒されながら、愛しのルートイングランティアサロマ湖を彼方に見つけ、ほっとしたのを思い出した。
今年は涼しいこともあって去年ほど疲れてはいないのだが、ここまで自分にとってハイペースな6分/kmで走ってきたので、レストステーションで少し長めの10分程度休憩して、栄養補給と着替えをしてリフレッシュし、後半に備えたかった。

この大会で一番大きなエイドステーションである、54.5km地点のルートイングランティアサロマ湖に到着。

みんな、スタート時にここに到着するように預けておいた荷物をボランティアの方々から受け取って、たくさんのランナーや応援者でごった返している。

自分も預けていた荷物を開封して、汗だくのウェアを脱ぎ、清涼感のあるボディーシートで顔や身体を拭いてリフレッシュし、予めRUNNETで購入しておいた第30回サロマ湖100kmウルトラマラソン記念ウェアに着替えた。
これでゴールした時の歓喜の瞬間を撮ってもらう際の格好はバッチリだ。

そして、起きてから何も食べていないので、がっつりと栄養補給も。
まずは、疲れの原因のひとつとなる活性酸素を中和して減少させる作用を持つ「水素水」を注入。

もうひとつは、先日、会社のプロジェクトの慰労会で、会社の後輩達から未だ独身の自分を憂えて贈ってくれた精力剤も、ここぞとばかりに有り難く注入(後輩達はマラソンではなく、別のタイミングで使用することを想定して送ってくれたのであろうが・・・)。

ここでの休憩は10分間だけと決めて、出発したのは11時頃だった。
昨年はここを11時45分近くに出発していたので、昨年よりもだいぶ速い。
ここまで自分としてはかなり良いペースで、ほぼ6分/kmをキープして走ることができている。
これ以後は、10km毎にエナジージェルを注入しながら、6分30秒/kmペースで行けるところまで行ってみることにした。
そして、ここまで来て再認識したのだが、やはり去年一度走っていてこの先に何があり、どんなコースなのか、どれくらい行けばエイドステーションがあるのかなどを全て把握しているのは強い。
疲れて辛くなってきても、「もうすぐでエイドだから、もうひと頑張りだ!」と走り続けることができるからだ。
体力も脚力も精神力もまだまだ余裕の中、後半戦へ。