高いところから失礼致します!

「苦しさはすぐに消える。諦めた事実は永遠に残る。」を心の中で連呼して、マラソン、ウルトラマラソン、超ウルトラマラソンを嗜む変態ドMランナーです。

 夜叉ヶ池伝説マラニック1日目:猛暑の45kmに疲労困憊

2017年7月22日土曜日、我が地元の岐阜県の東部の滋賀県寄りに位置する神戸町(ごうどちょう)、池田町、揖斐川町を舞台にして開催される、夜叉ヶ池伝説マラニック
土曜日・1日目に45km走り、日曜日・2日目に90km走るという合計135km、2日に亘るウルトラマラソンで、全国でも異例なタイプの大会として、ウルトラランナーの中では有名なローカルな大会だ。
自分も地元の岐阜県で開催される大会として以前から知っており、昨年、エントリーしていたのだが、土曜日に仕事が入ってしまって、DNSになってしまった悔しい思い出があり、ようやくこの大会に挑戦できる日が来て嬉しかった。
土曜日朝にスタートの為、金曜日の夜に岐阜に移動して、大垣駅前のホテルに宿泊。
大垣市は実家のある岐阜市の隣なので、実家に宿泊しても良かったのだが、自分の道楽・酔狂に両親を巻き込むのは控えたいし、案の定、仕事がなかなか終わらず、大垣駅に到着したのは22時過ぎだったので、両親に迷惑を掛ける事はなく英断だった。
そんな時間に到着したので、大垣駅前の飲食店は閉まっており、結局、普段と同じコンビニで夕食を確保、という侘しいものになってしまった。でも、これも土日に完走できれば全て報われる。


2017年7月22日土曜日朝、受付&スタート地点である神戸町役場に行くために養老鉄道で行こうと思ったら乗り遅れてしまって、大垣駅前からタクシーで向かった。タクシーの運転手からはこの暑い7月に2日で135km走るというバカげた挑戦に対して呆れていた。一般人から正気の沙汰ではない行いだ。
役場に到着すると、たくさんのウルトラランナーで盛り上がっていた。

役場内には本大会のことを報道した地元の新聞の切り抜き記事が掲示されていて、地元では有名な事が伺えた。テンションが上がってきた。



体育館で準備を済ませて、役場を出ると、駐車場にはたくさんのランナーが開会式を前に待機。
それにしても暑い、暑過ぎる。こんな日に走るのは自殺行為と言いたくなるくらいの暑さだ。


開会式では夜叉ヶ池伝説に関わる地元の方々の演武で我々ランナーを歓迎。




そして、スタート地点ではランナーに軍手と氷が渡される。
「こんな暑い日に軍手?」と思ったが、この大会ではこの軍手にエイド毎にある氷を詰め込んで持って走り、頭や首筋に当てたり、氷をなめながら走るのが普通のようだ。
それにこの軍手、2日目の夜叉ヶ池を目指した険しくて手を使わないと登れない山登りでも大いに役に立つ。
「なるほど、これが猛暑の中での戦い方か」ととても参考になった。
今後の真夏のウルトラマラソンなどで活用しよう、と思った。

スタートしてすぐ神戸町内を走って、日吉神社という境内の中を一周し、2日間の旅の安全を祈る。



その後、民家の中をたくさんのランナーがゾロゾロ走っていった先にある夜叉堂で夜叉龍神でも旅の安全を祈る。

夜叉堂を過ぎた後は、日陰の無いコースを走る。
まだ3km程度しか走っていないのに、暑い。とにかく暑い。汗がダラダラ流れてくる。
本当にこんな暑さの日に走るなんて自殺行為だ、と心の中で叫びながら走っていた。

池田温泉。過去に地元の友人達と行った事がある池田山の麓にある温泉だ。温泉に入って長く語り合ってしまったことで、温泉から上がったらのぼせてしまってフラフラになってしまったのを思い出した。

最初のエイドから早速、軍手に氷を補給。
そして、かつて同じくらいの暑いコンディションの中で走った隠岐の島ウルトラマラソンで学んだ真夏のウルトラマラソンでの闘い方のひとつ、タオルに氷をくるんで首に巻いて走る作戦を実行。
早速この作戦を敢行する事になるとは思ってもみなかった。

池田温泉まで行って右折して池田山の麓を走る頃には日陰になって暑さはマシになったものの、今度は山の麓ということもあってアップダウンがスゴイ。
序盤から暑さにアップダウンと過酷な状況に、早速この大会の洗礼を浴びてしまった。こりゃ大変だ。序盤からこの状況で大丈夫かなぁと心配になってきた。
そんなアップダウンのあるコースの坂道を登ったコースからはこの風景。癒される素晴らしい景色だ。

池田山の麓のアップダウンが終わった後は、揖斐峡に向かうコース。
再び直射日光を浴びながらのランになるので、エイド毎で被り水をして頭を冷やして再スタート。
揖斐川沿いの国道303号線のコース。これは毎年11月に開催される揖斐川ラソンのコースの一部だ。5年前の2012年に出場して雨の中に完走したのを思い出した。この日とは大違いで激寒だった。

揖斐川沿いをどんどん山奥に進んだ山道で、人家も無ければ、自動販売機も無いのだが、道中にはたくさんの私設エイドがあって飲み物や氷などを苦しんでいる我々ランナー二振る舞ってくれ、本当に助かった。中にはビールも用意してくれていて笑えた。
こういう風景を見ながら、普通に暮らしていれば絶対に来ないであろう道を自分の足で走っている非日常感。自分が求めていたのはこれだ。暑くてアップダウンも多くて辛いけど、この極限状態が本当に楽しい。ドMにも程がある。

35km走って藤橋振興事務所というエイドに到着。エイドのボランティアの方にホースで水を頭から掛けてもらってこの日の残りの距離を見ると、残り約10km。
「あとはたった10kmか。」とこの日のゴールの目途が見えてきてほっとしたものの、「たった35kmでこの疲労困憊さは明日が思いやられるなぁ」と思って再スタート。

揖斐川の上流にある横山ダムにやって来た。有名な徳山ダムはもっと上流にあるようだ。
この横山ダムによってできたのが奥揖斐湖のようで、そこに架かる奥いび湖大橋を渡る。
気温33度。そりゃ暑いわ。でも、この暑さもあと10kmならガマンできる。


徳山ダムなどと並んで、夜叉ヶ池27kmという道案内の標識。車などでは行けない山奥にあるはずなのにスゴイ。


奥琵琶湖沿いの国道303号線を走って、1日目のゴール坂内交流センター・遊ランドに到着。
地元主催のお祭りが開催されていて、みんながのんきに騒いでいる中に走り過ぎ、自分も早くゴールしてビールを飲んだりゆっくりしたい!という思いに駆られながらゴールゲートが見えてきた。


無事、1日目、45kmをゴール!


自分の中ではたった45kmなのに、30℃を超える猛暑で疲労困憊。翌日が本番の90kmなのに、こんな調子では心配になりながら、汗だくの身体を大会側が即席で準備したシャワーでスッキリした後は、お祭りに合流してまったり。
お腹を満たしてひと休みした後は、大会側のバスで坂内小中学校に移動。
体育館の床に毛布を敷いて、他のランナーと共に雑魚寝。異様な光景だったけど、これまたレアな体験でテンションが上がった。
床は硬くて決して寝心地は良いものではなかったが、疲れているのでそんな事は関係無し。
翌日は起床午前2時30分、スタート3時30分というあり得ない時間から走るので、やる事も無いので、速攻で爆睡した。
それにしても1日目は本当に暑かった。
だけど、みんなそんな暑さは想定内で、「暑いですねー」と言いながら笑って黙々と走っており、楽しそうだった。
フィジカルだけではなく、メンタルも強過ぎだ。自分も負けてはいられない。