長崎橘湾岸スーパーマラニック2019ハイパー部門320km:前半の217kmは予定通り順調に走破!
2019年11月1日金曜日、長崎橘湾岸スーパーマラニックH部門320kmに挑戦する日がとうとうやって来た。
正規スタートの7時ではなく、9時スタート組なので、8時にはスタート地点である出島の前の江戸町公園へ。
かなりの寝不足で万全な状態では無いが、昨晩の思わぬトラブルがあった事もあって、このスタート地点に立てているだけで嬉しかった。
9時スタート組の11名に集まり始めると、ラン友のヒラタさんやマツオさんを含めて、各地のウルトラマラソンでしばしばご一緒するウルトラランナーがおられ、この業界では有名で自分以上の実績を持たれている、自分以上の変態(エクストリーム)ランナー(良い意味で)ばかり。
スタート前の記念撮影にもご一緒させて頂いたが、本当に自分はこの中に選ばれていいのか、この人達について行けるのか、この組にいて完走できるのか、不安しかない状態でのスタートだった。
午前9時、出島表門橋公園をゆる~いカンジでスタート。
いよいよ320kmの長い長い旅が始まった!
最初はみんなで話しながらゾロゾロと長崎市内を集団走。
最初はお馴染みの稲佐山へ上る。
稲佐山の登りも序盤なので、走って登った。
この日は秋晴れで天気が良くて、稲佐山の頂上からの眺めが素晴らしかった。
11月1日から3日までの3日間は秋晴れに恵まれ、暑さも程々で想定内、寒さも無く、素晴らしいコンディションだった。
今までいた長崎市内の眺め。
この後、長崎市内とは反対の向こう側を走る事になる。
稲佐山山頂のチェックポイント(7.0km)でスタンプを押して、稲佐山山頂から下った中間点の城山台で10.0km(2019/11/1、10:17)。
この後、稲佐山を下りきって再び長崎市内に入り、日並のエイド23km(2019/11/1、12:02)、鳴見ダムのチェックポイント33km(2019/11/1、13:12)を順調に通過。
鳴見ダムに行くまでの急な登り坂も走って登り、豊洋台のくだりを下った後、あぐりの丘のチェックポイントに向かう長い登り坂がやはりキツかった。
あぐりの丘のチェックポイントに向かう途中のうさぎ橋でひとやすみ。
あぐりの丘のチェックポイント45kmに到着(2019/11/1、14:43)。
下り坂を駆け下りて式見町に降りた後は、しばらく海岸線沿いのコースをひた走る。
小刻みなアップダウンを走って、65kmの女神大橋のエイドに到着(2019/11/1、16:52)。
女神大橋の写真を撮るのを忘れたので、エイドを出た後に下から撮影。
この後はフラットなコースをしばらくラン。ここら辺ではまだまだ余裕。
W部門のランナーが前にたくさんいたが、深堀江川交差点で右に曲がって以降は、H部門のランナーだけになるので、独り旅。
伊王島の伊王島大橋の入り口のエイドに到着した頃にはすっかり日が沈んで真っ暗になってしまった。
春は7時スタートだったので、伊王島を1周して戻って来た後に日が沈んだが、今回は2時間遅くスタートしているので、伊王島に入る前に真っ暗になってしまった。
いよいよ1日目の夜がやって来たと覚悟した。
真っ暗な伊王島は走っていて新鮮だった。
ライトアップされている長崎らしい教会が綺麗だった。
狸が夜道を横切る伊王島内を走って、真っ暗で誰もいない伊王島灯台のチェックポイントに到着(2019/11/1、18:34)。
春はここから日暮れ前の良い景色が見えたが、今回は真っ暗で何も見えず。
真っ暗の中で伊王島を1周し、再び伊王島大橋のエイドに戻って来て、香焼の分岐点に戻り、いよいよ野母崎までの辛い海岸線沿いのコース。
ここは真っ暗の中に細いコースを進むので、一番心細くなる。
大籠の無人エイド95kmまで追いついたヒラタさんと共にラン(2019/11/1、21:12)。
細いコースを進んで、蚊焼町からの竹林の登りは特に狭くて道も悪路で、その先に続く農道は特に怖い。
春にも走ったので、ここは迷わずに先に進んで、眼前にラブホテルの派手な電飾が見えると、国道499号線なので、ひと安心。
黒浜トンネルを越えると、以下宿の無人エイド104kmに到着(2019/11/1、22:23)。
ここを過ぎたところにあるファミマを過ぎると、当面コンビニは無いので、ここで小休止。
この先の野母崎漁港の中を走って野母崎公民館を過ぎた辺りから権現山へ向かう急な登り坂が始まる。
春は真っ暗の中にここを登らされて疲労困憊だったが、今回は覚悟していたので、登りもそれ程疲れずに、権現山山頂のチェックポイント113.6kmに到着(2019/11/2、0:07)。
スタート時の目標は、権現山に午前1時迄に到着だったのだが、余裕を持って到着出来てひと安心。
権現山の下りを走って下って、次は樺島灯台へ向かう。
樺島公民館の裏からの約3kmのダラダラと長い登り坂が辛い。
樺島灯台のチェックポイント124kmに到着(2019/11/2、1:58)。
時間を見ると、ちょうど午前2時。春は午前7時スタートでちょうど0時着だったので、ちょうど2時間遅れでの到着。とても良いペース。
3kmの登りで疲れていたので、下りを気持ち良く下って、楽しみにしていた樺島公民館エイド127kmに到着。
ここでの楽しみは、名物のカレーライス!
ここまでまともな食事はここだけだったので、かなり美味しかった。
ここから再び海岸線沿いのコースをラン。
集落→峠道→集落→峠道→・・・の繰り返し。
途中、自転車道入口の無人エイドを過ぎて(2019/11/2、4:19)16km走り、143kmの川原老人の家エイドに到着(2019/11/2、5:11)。
特にここまで眠くは無かったのでどうしようかを迷ったが、春よりも長丁場である事を考えて15分間仮眠する事にした。
秋はエイドに人が少なかった事もあって、奥にある仮眠室はガラガラで、日本が誇る伝統技術である畳の上で暖房が効いた部屋でゆっくり仮眠して回復する事が出来た。
ここで仮眠できた事が前半、順調に走れた事の要因のひとつでもあった。
川原のエイドを出た後で最初の夜明け。美しい朝焼けだった。
春は15km先の茂木のエイドの手前で夜明けだったが、やはり2時間遅れ。
海岸線沿いを再び走って、茂木の長崎ハウスぶらぶらのチェックポイントに到着159km(2019/11/2、8:22)。
川原で仮眠したお陰で、春はここで坂道の連続によって太ももがパンパンでいを疲労困憊だったが、まだまだ元気。
茂木のエイドを過ぎた後は、再び海岸線のアップダウンが多いコースをラン。
春に走ったばかりでコースは把握しているので、急な坂道は歩いて、下り坂は走って順調に進み、日見公園のエイド173kmに到着(2019/11/2、10:38)。
日見公園に到着前の下り坂からの景色がとても素晴らしい。
「これからあの対岸を走るんだなぁ」と思いながら下り坂を駆け下りた。
フラットな市街地を走って、飯盛峠の激坂へ。
この激坂がとにかく辛い。春にそれを思い知らされたので、覚悟して登ったらそれ程では無かった。やはり、コースを知っていて、この先に何があるかを知っている者は強い。
飯盛峠とんの山のチェックポイント182kmに到着(2019/11/2、12:16)。
春は足がパンパンで下り坂を走れなかったのだが、今回は足はまだ大丈夫。
飯盛峠の下り坂を走って下りて、今回のような快晴の日には辛い、日陰がゼロのじゃがいも畑コース。
今回も日中にここだったので、日差しが強く、歩いたりしていると、熱中症になりそうだった。
早くここを切り抜けたくて、登りであったものの、無理をしてペースを上げて走って、げんき君サイロ前の飯盛町経塚エイド190kmに到着(2019/11/2、13:25)。
いやぁ、暑かった。ここの名物の杏仁豆腐を食べて回復。
海岸線沿いの住宅街のコースを走って、国道251号線に合流する直前の登り坂で歩き始めた時に、このレースで初めての眠気が急にやって来てヤバかった。
交通量が多い国道251号線沿いを走っている時に急激な眠気でフラフラになってしまって危なかったので、国道から離れたコース上で一旦立ち止まって眠気を覚まして再スタート。この間、眠気で理性と記憶があやふやで危なかった。一歩間違えたら大事故になっていた。
この後の唐比ふれあい牧場や唐比温泉、千々石海水浴場のコースは走る事が出来たので、眠気は無くなって快調に走る事が出来た。
春にあった唐比温泉のエイドと千々石集会所のエイドが無くなり、千々石海水浴場の中間地点のエイド207kmのみになってしまった(2019/11/2、15:59)。春はいずれも賑やかなエイドだったので、来年の春には復活して欲しい。
春であれば、ここまで来る事が出来れば、完走扱いなのだが、今回はまだ前半戦の終わり。
溜め息を吐いて、小浜の南本町公民館に向かって、残り10kmのラン。
春はこの10kmはほぼ歩いていたが、今回は残り10km走れば休めるので、走ってゴールに向かった。
途中、小浜に到着する直前で夕暮れに。
橘湾に沈むサンセットがあまりにも美しくて、思わず立ち止まって撮影。
「今日、橘湾の対岸をずっと走って来たんだぁ・・・」と感慨深かった。
小浜温泉が近づいてきて、温泉の観光客などで賑やかになって来た。地面から湯気が沸き立つお馴染みの光景。
日が暮れてしまって真っ暗になった直後に、南本町公民館217kmに到着(2019/11/2、17:53)。
217km走って来たのに、今回は前半が終わっただけなので、春と違って公民館におられた方々は誰も慰労してくれないのには笑えた。
公民館の中に入ると、前半戦を終えたランナーがたくさんぐったりしていたり、仮眠したりして、まさに野戦病院のようだった。
後半戦103kmのリスタートは20時以降なので、自分に残された時間は約2時間。
本当は、ゆっくり温泉に入って腹を満たしたかったが、後半の準備&仮眠を考えると、全く時間が無いので、風呂は諦めて、公民館内で出される食べ物だけ食べて、早急に後半の準備をして、約1時間程度、仮眠した。
ただ、これだけたくさん人がいる中でぐっすり眠る事なんてできなかった。
前半戦217kmに要した時間は約32時間。
春よりも1時間程早く完走出来て、前半は予定通りでかなり順調に完走する事が出来た。
前半戦を終えて、身体のコンディションは悪いところは無く、脚も筋肉痛はあるものの、走れないほどではない。
ここまで順調過ぎて怖かった。この状態であれば、残り100kmならいけそうか。
と、楽観的になっていたが、本当の地獄は後半戦に待っていた。